1-3 ソフトバンクの今後の展開は?

 携帯電話の会社を私たちが選ぶにあたり、少なくともそれが通信という私たちの生活から切り離せないライフラインであるということから、本来は電話自体のつながりやすさやエリアが重視されるということは当然のことでしょう。ただ、携帯電話と比べるとエリアに不安のあるPHS事業者も経営を続けていける現状もあり、人々の行動範囲の中にエリアがあればいいと割り切ることもできます。そんな考え方で行くと、都市部を活動範囲にしている人たちから見ると、3社ある携帯電話会社のうちどこを選んでも同じだという考え方になるのも仕方ないところで、そこであのソフトバンクのコマーシャルや契約時にもらえるプレゼントが意味を持ってくるのです。

 ソフトバンクが携帯電話の事業に乗り出してすぐに出してきたのが時間制限付ではありますが、月980円で同社間の携帯電話同士の通話が無料という「ホワイトプラン」で、他社にはそんなプランはありませんでしたから、家族や友人同士くらいしか電話しないという人を中心に携帯電話会社の乗換えがかなりの数発生しました。かくいう私もその当時に家族や知り合いの中で示し合わせてソフトバンクの携帯電話を持つことにしました。このようにして獲得した顧客は、家族や友人全体が乗り換えない限り移りたくても移れませんから、やはり先発の強みというのはあります。こうした思い切ったプランを打ち出すことのできる経営というのは一時は他社を凌駕していたと思います。今はありませんが、契約から2年間は最低料金月8円で維持できるようにして売り出した事もありました。これもとにかく契約者数を増やすためのなりふり構わないやり方だと言えますが、そういったやり方に加えテレビコマーシャルのイメージ戦略や、iPhoneを早く使いたいという人に本体を日本で一番早く提供するなど、他社にはなかなか真似できないやり方で顧客を増やしてきたとも言えると思います。

 しかしながら、同社間の通話無料を他の会社も行ない、iPhoneをauが出していく中、基本的なインフラの整備が急がれるとともに、ソフトバンクが逆に他社に追随できないものがあります。それがスマートフォンによるテザリングなんですね。

 もちろんこれはソフトバンクだけの問題ではありません。スマートフォンユーザーの増大による通信インフラの整備は大きな問題で、ドコモはクロッシィに移行することを明言し、auはWimaxを組み込むことで対処しようとしています。最初に紹介したように、両社はすでにスマートフォンにこうした通信方法を組み込んで、携帯電話網の負担を減らすとともに、高速通信でのテザリングを提供しています。ソフトバンクもそうした高速データ通信をウィルコムを吸収することでAXGPという通信方式を展開してはいるものの、現在は主にデータ通信専用の端末によってサービスを行なっています。近い将来には同社のスマートフォンにでも使えるようにするというアナウンスはありますが、データ通信のスマートフォン対応の遅れは気がかりであり、更にこうした高速通信のサービスエリアを拡充できるのかなど今後に向けての課題というのもも徐々にではありますが見えてきつつあります。

 データ通信偏重の流れがソフトバンクを苦境に追い込んでいるかもと思ってしまうのですが、ソフトバンクがおかしなことになればその配下にいるウィルコムも影響を受けると思うので、まずは旅先でも他の2社並みにつながるような回線の整備をお願いしたいところです。個人的にはホワイトプランを契約した端末を便利に使わせていただいているとともに、番号が知り合いにも教えてあるため、メールなしの通話のみプランで維持していますが、今後のデータ通信への取りくみ具合いによってはメイン回線になる可能性もあります。とにかく、ソフトバンクには他の2社と肩を並べるよう、様々なサービスを拡充していって欲しいと思っています。

(2012.2.7追記)

 現状でソフトバンクの端末はホワイトプラン適用時間にのみ通話するためか、番号を知らせてある知り合いのために携帯しています。

Dsc00138

 ただ、通話自体はウィルコムのソキウスで発着信ともまかなえるので、Bluetoothが使えるものであれば何でもいいのですが、コンパクトサイズの816SHをポケットに放り込んでいます。

 携帯電話自体がスマートフォンに置き換わっている中、シンプルでBluetoothが使えるこういった端末は通話のためには本当に役に立ちます。さすがにもう新品で購入することはできないので、大切に使い続けようと思っています。


スポンサーリンク

コメントを残す