やいづ黒潮温泉 ようやく復旧か

このブログでも何回も紹介させていただいた静岡県焼津市の天然温泉「やいづ黒潮温泉」の出なくなった源泉井戸ですが、源泉井戸「高草1号井」の修繕工事が8月1日までに終了し、この井戸から市内の温泉に約2ヶ月半ぶりに温泉が供給されることが地元紙のニュースにより明らかになりました。

地元紙によると、点検などを経て速ければ翌週の8月6日から供給を開始する予定だと言うことです。故障の内容は、温泉を引くためのパイプに亀裂が入ってしまったことなのだそうですが、今回はそのパイプより小さい口径のパイプを入れて二重構造にし、漏れを防ぐことができたとのことです。これで、今までせっかく焼津駅前にある足湯にお湯がなかったのが、週明けから利用できるようになりそうです。

やいづ黒潮温泉の今後のことを考えると、なぜパイプに亀裂が入ったのかということも気がかりですし、同じような故障が合った場合に備えて、なにかしらの対策は打てないのかという気もします。ただこれは焼津市だけの問題ではないでしょう。

井戸から汲み上げて温泉を集中管理するような形を取っている温泉の場合、源泉に何らかの不具合が起こって温泉がくみ出せなくなったら、温泉地としての集客能力にも影響が出ます。常に複数の源泉を確保し、どちらかが使えなくてもすぐにもう一方に切り替えることのできるような非常時における対応について考えておかねばならないでしょうし、今回焼津市が温泉施設に対して行った「泉質の似た熱海温泉を車で運んで供給する」といった、近隣の温泉地との共同でのリスク回避のための協力体制をすぐに発動するという温泉地同士の提携準備も大切になるのではないかと思うこともあります。

あと、温泉で思うのは最近とみに増えてきた地震や小規模な火山噴火の影響によって今まで沸いていた温泉の源泉から温泉が出なくなってしまう場合にどうするかということも考えておいた方がいいのではないかと思います。

過去には箱根の火山活動が活発化した時に、周辺の箱根温泉の源泉の中で大涌谷での温泉の量が少なくなったという話もありました。その時は、温泉供給施設内が立入禁止区域になってしまったので、原因追求が火山活動が激しいうちはできなかったという事情がありました。たとえそれが一時的であっても、温泉がないならその旨を告知しつつ、代替えでの供給が可能なようにスクランブル体制をとっていないと、今回のような夏休みのお客さんが集まる時期に温泉が使えないという焼津市のようなある意味最悪の状況は避けられるのではないかという気がします。

そういう意味で言うと、自然現象や機器の故障で温泉が出なくなるのはあるいみ仕方がないような気がしますが、こちら静岡県の話で言うと、静岡県は通過するだけのJR東海が工事しているリニアモーターカーのトンネル工事によって、静岡や山梨、長野の山の温泉がどうなってしまうかということについて、あまりそうした内容の話が聞かれないのが心配です。もちろん温泉の源泉に通じる箇所は避けて工事を行っているとは思いますが、温泉というのは世界に誇る日本の観光資源であり、お金をいくら出しても出なくなった温泉を再び同じように同じ成分のものを出すことはできないでしょう。工事の進捗とともに温泉が出なくなったことがニュースになるようなことは実際に起きないことを祈っています。


カテゴリー: 地域情報・イベント | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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