東芝のノートパソコン「Libretto 30」の思い出

東芝の経営問題というのは原子力発電にこだわったことによりそれまで育ててきた様々な種類の製品の歴史をも捨ててしまったかのようで、決して現在の日本の経済が好景気と言われてもにわかには信じられないというのは、このようなメーカーの衰退を目にしているからだとも言えるかも知れません。

そんな中で、私の東芝のイメージとしては家電製品もありますが、やはりノートパソコンの製品の数々で世界を席巻した事です。そんな中、決して世界戦略の中で出てきたわけではない、ほとんど日本国内専用という感じで出てきたのがWindows95の時代のモバイルパソコン「Libretto 30」でした。以下のリンクはPC Watchの当時の発表時の紹介ページです。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961105/toshiba.htm

私自身、最初にパソコンを購入したのはMacで、デスクトップからノートブックまでしばらくはMac専門に使っていたのですが、いかんせんその大きさと重量はモバイル向きではありませんでした。私がパソコンを使う少し前に出ていたSONYがその設計に携わったと言われる「PowerBook100」くらいの大きさのものはもう市場にはなく、モバイル用と思われるものではDockとセットにして家ではデスクトップ、外では小型ノートとして使うPowerBook Duoシリーズがありました。憧れのマシンではあったものの定価が50万くらいするものもあるほど高価だったので、一時期は本体もACアダプタも今考えると拷問くらい大きいPowerBook150を10万円を切る安値で買えたこともありしばらくは使っていました。

たださすがに重いのでその次に買うものはモバイル運用が簡単なものにしたいと思っていたのですが、次に出たのがPowerBook2400というこれも本体が大きいもので、ここに来てMacでモバイルをやるという野望は私の中でついえてしまいました。実際、ようやくモバイル運用で楽しめるものが出てくるまでというのはiPhoneやiPadの登場まで待たなければならなかったのですから、当時のAppleは実験的にNewtonやeMate300というペン入力の端末を出していたとはいえ、私のパソコン遍歴の中ではなかなな縁がなかったという事しか言えません。

そんな中、旅先に持ち出してホテルの部屋の中で最低限のメールチェックや、当時のパソコン通信の読み書きを行なうためには、2つの方法がありました。本当に最低限の方法として、当時出ていた電子手帳やWindowsの簡易版「Windows CE」搭載機を使って簡易的に見たり書いたりする方法と、当時のWindows側の最新OSであるWindows95入りのノートパソコンを持ち出すことです。

私の場合は上記の理由でMacからWindowsに移りかけていた頃だったので、自宅以外で使うパソコンでもWindows95が使いたいと思っていたので購入したのが東芝の「Libretto 30」だったわけです。付属のポートリプリケーターを接続すれば自宅でも大きなキーボードを繋げたりできましたので、家でも外でも一般的なソフト(アプリ)が使えるということも大きく、しばらくは旅のお伴に「Libretto 30」を持って行くことで、早いうちから自宅でできることが旅先でも全てできるという環境は整っていました。

唯一問題だったのが旅先でのネット接続をどうするかということでしたが、当時のノートパソコンにはPCカードを装着することで様々な周辺機器を利用することができ、モデムをグレーや緑の公衆電話に繋いだり、携帯電話やPHSに接続したりして使うことも可能でした。当時はすでにアップロードされていた文字データをダウンロードするくらいのものでしたから常時接続はしなくても良く、その後PHSが接続スピードは遅いものの月間定額でインターネットつなぎ放題のプランを作ったことで、さらにリブレットのような小型パソコンの活躍の場は増えていきました。

ただ、現在このパソコンを見ると、キーボードは大きさの関係で両手で打つことができないほど小さく、長文を作って送るような時には片手一本で入力しなければならず大変でした。今の考え方ならとてもこんなパソコンを作ることはできないのではないかと思われますが、このシリーズは私のような外出先でWindows95を使いたいと思っている人の支持を受けてヒットしたのでした。

当時の東芝は、まさか海外メーカーに買収されるような事は全く考えられず、世界で一番ノートパソコンを売っているメーカーとして国内向けにこんな変態マシンを出せるほど力があったという事を忘れないためにも今後も覚えておきたいマシンの一つです。東芝のパソコン子会社自体は台湾のASUSとの売却の話がまとまったというニュースがあります。ただ、東芝の方ではこの話を否定するといった話が新たなニュースになるなど、ぎりぎりまでどうなるのかはわからないものの、そんな事がニュースになってしまう状況は、過去に東芝のノートパソコンを好んで使っていた身からすると、一抹の寂しさを感じざるを得ません。


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