災害だけでない「サマータイム」に苦慮する日本の電波時計

過去に私が付けていた腕時計は面倒な時刻や日付・カレンダーを合わせる必要のない電波時計でした。さらに、太陽電池で動く「電波ソーラー時計」というのは腕時計の究極の進化系だと信じて疑わなかったのですが、その心が揺らいだのがあの東日本大震災の時期を経験してからでした。

というのも、東日本大震災では福島県にあった電波を発する施設が止まったことで一日に数回行なわれる時計本体の電波受信から細かい時刻の修正が行なわれなくなってしまったのです。当然、電波の発信が再開されるまでは普通のソーラー時計になってしまい、時刻や日付を手動で直さなければなりませんでした。ちなみに、私の持っていた電波ソーラーは日付と曜日を液晶表示していましたので、説明書を出して来ないと手動での修正もなかなかうまくできず、そうした事を機に以前使っていた曜日表示のない日付だけの付いたアナログローラークォーツ時計の電池交換とオーバーホールを依頼し、現在はこまめに手動で時刻と日付を修正しています。これだとラジオの定時に合わせれば簡単に正確な時刻をキープすることができるので、これから紹介するようなトラブルとは皆無になれます。

先日のブログでも紹介したことがありましたが、2020年の東京オリンピックをにらみ、日本国内で「サマータイム」を実施してはどうかという話があり、まだどうなるかはわかっていません。サマータイムを実施することについてのメリットがあるわけですが、今回出てきた問題というのは「サマータイム」を実施したり終了したりする際に手動で修正する必要があるというのです。メーカーの方では時間のズレが現在の世界の主流である1時間だったら自動的に修正が可能ではあるものの、日本で導入が検討されている2時間の修正をするのは難しく、どうしてもサマータイムはじめと終わりには手動で時刻を修正する必要があるということなのです。

また、世界時計の機能を持っているものの中には、同じ夏時間でも1時間ずれる世界の夏時間がうまく表示されないという不具合が出ることも懸念されているそうです。常に世界の状況に合わせて機能を開発している日本メーカーとしては、今回の2時間ずらす夏時間というのは完全なる想定外だったようです。

ですから、このままサマータイム導入がされるかされないかという状況の中で、現行の電波ソーラー腕時計を高いお金を出して購入した場合、もしサマータイムが導入された場合に毎年2回の手動による時刻修正が必須となる可能性が出てくるわけです。それを回避するためには、とにかく政府の発表を待って本当に2時間時間をずらすサマータイムが実施されるのかを確認した上、自動修正に対応した製品が出てくるまで購入を控えないと、最悪の場合には高額な電波ソーラーだからと手動修正を忘れることにより、日常生活で時間を頻繁に間違えるような事も起こる可能性が出てくるわけです。できるだけ電波時計の買い直しをしないような判断が求められるでしょう。

さらに、これは言うまでもないかも知れませんが、新たな電波時計を作るには相当なコストと人件費がメーカーにかかってくるでしょう。従来の製品が正しく時を刻まなくなった場合にはメーカーに一斉に問い合わせが行くことも考えられるので、関連企業にいたっては東京オリンピックのボランティアに人を出す余裕もなくなってしまうところも出てくるかも知れません。

というわけで、政府にはとにかく早く、日本でサマータイムを実施するのかしないのか、はっきりと国民に向かって明言していただかないと、多くの人だけでなく企業も迷惑することになります。まさか、時計メーカーが政府に賠償を請求するようなところまでは行かないとは思いますが、これ以外にも様々あるであろうサマータイム導入時の問題について早急に洗い出し、早めの対応をお願いしたいところです。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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