SIGG トラベラー1.0リットルを湯たんぽにする試み

ここで、さまざまなボトルを紹介してきましたが、あえて触れなかったものに、今回紹介する保温機能のない様々な登山用ボトルがあります。荷物の重量を増やさないために、軽いアルミやプラスチックを使ったボトルがありますが、高い山に登らない限りにおいて、水を運搬するだけならペットボトルの再利用や、たたむとぺしゃんこになるプラティパスのようなものの方がより便利に使えるように思います。今回紹介するSIGGのトラベラーは0.6リットルでも定価で2~3千円くらいしますし、保温するためのカバーも専用品は結構な値段がします。カバーとあわせて購入することを考えれば、安価で高性能な真空断熱ボトルの方が便利だと考える人が多くても不思議ではありません。

となると、こうしたボトルは全く利用価値がないかと言うと、そういうわけでもありません。特にアルミ素材のボトルについては、熱を伝えやすいという特徴があり、それをうまく使うことで水筒以外の用途にも転用が可能です。夏に飲み物を冷やしたい場合、ペットボトルのまま冷蔵庫に入れるより、アルミボトルに移してからの方が早く冷やせます。冷蔵庫のない車中泊の旅の最中でも、必要な分だけアルミボトルに移してからクーラーボックスで冷やせば同様の効果が得られます。そして、今回紹介する湯たんぽとしての使い方ができるというのも、真空断熱ボトルにはできない芸当です。現在は車中泊にも便利な小さいサイズの湯たんぽも多く売られていますが、単一の用途にしか使えない専用品よりも、スペースの限られた車の中にできるだけ多くのものを積み込みたいと思われている方は、検討の余地があるのではないかと思います。

今回、湯たんぽとして使うボトルを選定するにあたって、その容量にも注目しました。0.6リットルのものでも十分かとは思いますが、効果を長持ちさせるにはもう少し大きい方がいいだろうということで1.0リットルのSIGGボトル、トラベラーを用意しました。たまたまお店に落とした跡のあるボトルが割引価格で出ていたので購入したのですが、アルミボトルならSIGGよりも口の広いLAKENの各種アルミボトルもあります。ただ、簡単に栓から水が漏るようなものでは困るので、その点にはご注意を。

湯たんぽとして使うためには、ボトルの他にもいろいろ用意する必要があります。最初の写真のようにいろいろ集めてみましたが、ボトルの他は全て100円ショップで揃えたものです。まず、ボトルに熱湯を注いだ場合、うかつに触ると火傷する危険がありますので、ボトル全体を手で持てる程度に何かでくるみます。これは普通にタオルを巻くだけでもいいとは思いますが、たまたま100円ショップにフリースの靴下があり、サイズがボトルにびったりだと思い買ってきました。写真のようにボトルに入れると、すっぽりと入ります。このように何らかのカバーをかけないと、お湯を入れた後で相当熱くなりますので必ずカバーを巻いてください。

次にお湯を用意します。高速道路なら給湯器がSAにあるところがありますので、そこから入手すれば簡単ですが、そうでない場合は自分でお湯を確保する必要があります。私の場合はアルポットを使ってお湯を作ります。そうして用意したお湯を注ぐのに、SIGGボトルの飲み口は小さいため、そのままでお湯を注ぐのは大変です。写真のように漏斗を使ってお湯を入れます。漏斗には金属製のものもありますが、お湯を入れると熱くなるので耐熱温度でお湯を入れても大丈夫なプラスチック製品にしています。靴下のカバーではちょっと安定して立たなくなるので、必要に応じてその場に固定してからお湯を注ぎます。容量の1リットルをそのまま入れるのではなく、少なめに入れればいいでしょう。私が野外での湯沸しに使っているアルポットの最大容量が800mlですので、このボトルには丁度いいのではないでしょうか。熱湯のまま入れようとするとお湯がはねて火傷の危険がありますので、ちょっと冷ましてからゆっくり入れて、しっかりと栓をします。

カバーを付けた後、さらに収納袋に入れます。これも大きめのタオルで巻くことで十分ですが、蹴飛ばして熱くなったボトルを直接触ったら大変なので、私は専用のフリース袋に入れています。袋がない場合は、着古したフリースジャケットの袖の部分に入れてから全体を巻きつけるなどの工夫で対応可能でしょう。

このようにして夜セッティングをし、布団の中に入れたところ、収納袋の上から触ってもかなりの熱さを保っています。長い時間足をのせていると低温火傷になってしまいかねない高温なので、あえてボトル本体には触らないようにして寝ましたが、朝まで十分に暖かさを保ってくれました。

いつもは2リットルの容量がある湯たんぽを冬には使っているのですが、あくまで個人的な感覚としてSIGGボトルの湯たんぽも、一般的な湯たんぽと遜色ないような感じがしました。夜の11時あたりにセットして、翌朝の8時にボトル内部の温度を測ったところ、写真のように39℃の温度を保っています。これなら、普通の湯たんぽとして十分使えるレベルではないでしょうか。

最初にも書きましたが、SIGGボトルを湯たんぽとして使うメリットは、湯たんぽとして使わない時にもいろいろ使えることがあります。冬にしか湯たんぽを使わないという方も多いと思いますが、梅雨の時など大した寝具の用意がない時に雨に打たれ、体が冷え切ってしまった場合でも、お湯さえ沸かすことができれば簡単に暖を取ることができます。さすがに一年中湯たんぽを車に積み込んでおく方はいないと思いますので、流用がきくグッズを用意しておけば効率よく一年中使えるので便利です。

今回は1リットルのタイプを紹介しましたが、一晩中使うのではなく、カイロ代わりに使う場合はむしろ容量の少ないボトルを使うという手段もあります。ずっと外に出ていれば長時間持続するカイロが必要でしょうが、そのほとんどを車の中で過ごし、外に出た時だけ暖を取れればいいという場合は、お湯の確保ができるようなら、アルミのボトルを使った簡易カイロを作るという手段もあるということを覚えておいて損はありません。


カテゴリー: ボトルに関する話 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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