高齢ドライバー対策はどちらの方向へ向かうのか

先日から高齢者の起こす事故の報道が止まらない印象を受けます。もっとも、これは意図的にテレビや新聞がこの種の事故を取り上げているので高齢者事故が増えたような感じにはなりますが、昔と今を比べれば高齢者の事故が増えていることは間違いないでしょうが、今年と昨年を比べるくらいならびっくりするくらいの事故件数の違いは出ていないのではないかと私には思えます。

基本的にテレビ報道では、どうしても視聴者の興味を引く題材を誇張して流す傾向にありますので、この報道についても冷静に語るべきではないかと私は思います。というのも、「車中泊」という行為について極めて短絡的な形で「車中泊はするな」とマスコミで報道されて憤ったことがあるからです。

車中泊の場合は新潟での地震や東日本大震災の時から車中泊とエコノミークラス症候群との関係が語られるようになり、車の中に長期間避難する人が増える中で大きな災害が発生する度に言い続けられていますが、単にシートを後ろに倒した程度で寝るという形での車中泊と、フラットな空間が作れる車の中にマットを敷いて十分に手足を伸ばして寝られる環境の車中泊とはまるで状況が違い、後者の車中泊をする行為まで非難されるというのは、十分なエコノミークラス症候群にならないような対策を考えた上で車中泊をしている人をも非難するかのようで、個人的にはマスコミの横暴に映ったこともありました。この件についてはその後、同じ車中泊でもエコノミークラス症候群になりやすい車中泊の方法について注意喚起されるようになったので、現在は車中泊しているからと非難されることはなくなっていると思います。

現在の高齢者ドライバーについての風当りは、一時期の車中泊全体に向けられていた非難を思い出しますが、人間の体力にも個人差があり、免許更新の時に視力検査がまるで通りそうもないのに通ってしまっているお年寄りと、一発で何の問題もなく通る方と同じように年齢だけで全ての人に免許を返納させろという意見は極端だと思います。ただ、どんなにかくしゃくとしているお年寄りであっても若い時と比べると疲れやすくなり、そうした時に事故を起こす可能性が高くなるというのはわかります。

でしたら、今後お年寄りに運転免許を出す際には何らかの安全装置が車に付いていることを条件にして出すという方向も考えられますし、高齢者が免許を継続する際の条件をマニュアル専用にしてしまうという手もあります(アクセルとブレーキを間違えて起こす事故のほとんどがオートマ車の事故です)。

一方、テレビのバラエティ番組では高齢でも元気なお年寄りを取材する際、車やバイクを今でも運転しているという事について好意的に伝えているケースもあったりしていました。ただ、認知症が疑われる高齢ドライバーが重大な事故を起こしてしまった今、これまで通りのやり方を続けるということも難しいでしょう。今後、高齢者が運転すること自体への社会的な批判がマスコミを通して大きくなっていくことが予想されますが、たとえ車を降りて自転車や電動カートに乗り換えたところで交通事故に巻き込まれるお年寄りは減ることはないでしょう。今後地方ではさらなる人口の中に高齢者が占める割合は高くなるでしょうから、その対策を早急に考えなければならないでしょう。

一切自分で車を運転しなくても好きな時に出掛けられるような公共交通機関を充実させる方向へ行くのか、運転が可能なお年寄りには事故の危険を減らす車の買い替え費用を補助するというような方向へ向かうのか、早いところ将来的なビジョンというものを政治の世界にいる人には打ち出して欲しいものです。


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