NOTTV迷走の戦犯は?

 2016年6月末をもってNTTdocomoは同社がアナログテレビ放送終了後の電波を使って端末用にのみ放送していたNOTTVのサービスを終了すると発表しました。慢性的な赤字から脱却できず、今年あたりから本格化した月額千円以下で使える動画配信サービスの登場の中、太刀打ちできなかったようです。

 というか、こういう結果はサービス開始以前から予想できたことで、ドコモユーザーとしてはこんな事業に手を出すよりも料金(特にデータ通信料金)を下げろという思いが強かったでしょう。しかも、限られた資源とも言うべき電波を使っているのですから、このサービスがなかったら他に電波の活用方法もあったはずです。

 そもそも、何でこんなサービスが認可されてドコモ社内でも実現にゴーサインが出たのか、これはきちんとした検証をして誰が悪かったのか明らかにする必要があるように思います。そうしないと、今後のドコモのサービス展開についてまた本業による利益を食いつぶすような事を平気でやる体質が残ってしまいます。

 現在でも、昔までのドコモの勢いは削がれ、他社に相当食い込まれている部分は出てきています。その上でこうしたいかにも昔の国営会社のような自社の損益を顧みないような事業を立ち上げることが続くのでは、ドコモを離れた顧客は戻ってくるかどうか怪しいものです。また、契約時に新しいサービスの加入を条件に端末の値引きを行なうような手法ももっと批判されてしかるべきです。ほとんど契約についての知識がない人がNOTTVに半ば強制的に加入させられ、今だに何も使っていないのに毎月の定額料を払い続けているケースは結構あるのではないかと思われます。最近のニュースでは通信料を下げるという言葉だけが独り歩きしていますが、今回のNOTTVのように、ユーザーだけでなく会社としても赤字になるような事業は最初からやらず、その分は通信インフラへの投資として活用するような方向性での料金引き下げをすることが望まれます。


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NOTTV迷走の戦犯は?」への2件のフィードバック

  1. てら 投稿作成者

    けいたいまにあ さん コメントありがとうございました。
    池田信夫氏は通信関連のコラムでは抜群の安定感を誇りますね(^^)。政治の世界で起こることはどうにもならないということはありますが、同じようなことを考える人が増えていくことによってどうにか変わっていってほしいですね。

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