10月に入り、放送の世界ではBSチャンネルの増加、移行などはでにやっているような印象ですが、それよりもいよいよ私の住む静岡でも10月3日からradikoが地元放送をカバーし、パソコンやスマートフォンから利用できるようになるようです。
3月11日の大震災以降、他の地方のラジオ放送はたとえインターネット放送であっても聴けなかったものが、一時的に関東関西地方の全てのラジオ放送が全国で聴けるようになり、スマートフォンでも安定したインターネット回線があればかなりの高音質でラジオ放送が聴けることがわかり、こうした技術が全国どこでも利用できることを期待していました。ただ、radikoの方は地元の放送をラジオがない人やノイズなどできちんとラジオが受信できない人のためという感じの提供となってしまっているため、全国の放送局の放送をネット経由で聴くためにもその場所まで行かなければならないというのが残念なところでした。
そんな中、NHKのラジオが全国どこでもパソコンで聴けるようになるということでサービスを開始しました。それが「らじる★らじる」です(サービスの内容や利用の仕方についてはキーワード検索で調べてみて下さい)。複数のラジオを常備し、災害時には安定したインターネットが使えないだろうと考えると、こうしたサービスをわざわざ使う状況はあるのかという気もしますが、10月1日からスマートフォン用のアプリが出たことで、車中泊の旅の中の状況によっては使えるのではないかと思う場合もあります。
というのも、特にAMラジオの電波というのは夜になると遠くまで届く性質があります。そうなってくると、日本の放送局よりも大出力で電波を発信している日本海を挟んだ国々からやってくる電波に地元放送局の電波がかき消されてしまってうまく聞き取ることができなくなる状況もあり得ます。さらに、知らない町で地元の放送局を聴こうと周波数を合わせようとした場合、夜の場合は遠方の放送局が多く入感することによって、お目当てのラジオ局になかなか合わせることができない(オートチューニングでうまく選局できない場合もあります)ことも起こり得ます。
今回、全国のどこでもインターネットがつながっていれば聴くことができるNHKのネットラジオによるスマートフォンを使ったラジオ放送受信は、単に第一、第二、FMの中から選べばいいだけなので簡単にNHKラジオの内容を聴くことができます。放送を長時間聴き続けるとデータ受信量がどんどん増えてしまうのでスマートフォン自体のネット接続を使う場合は注意が必要ですが、携帯電話が使えるところなら通常のパケット定額プランなら何とか放送を聴くことは可能です。ちなみに、最初からスピードを落として契約しているb-mobile U300の場合は、混雑する時間帯にはラジオ放送受信はできない可能性が高いです(午後11時頃、300kbps限度のb-mobile SIMで試しましたが無理でした)。イオンの980円のAプランでは恐らくほとんど無理だと思いますのでこうしたサービスを使っている方は残念ですが諦めた方がいいでしょう(^^;)。
何とかスマートフォン単体で放送を聴ける方についても、普通のラジオと同じように長い時間聴き続けていると、データダウンロード量の関係で、速度に制限を加えられる場合があるかも知れませんので、うまく使いこなすことが肝心です。NHKは定時5分前に天気予報などを流し、定時にはニュースが入ります。インターネットがスマートフォンでつながれば緊急情報もそれなりに入ってくるとは思いますが、情報の即時性としてはラジオの方が早いので、定時のニュースを必要であればチェックするような使い方を通常のネット接続と組み合わせることで情報の入手が更に確実になります。あくまでネットがつながる事を前提にしたサービスではありますが、常にラジオは持たなくてもスマートフォンは持ち歩くという方は入れておいていいアプリではないかと思います。