地元のプロサッカーチーム、清水エスパルスはJ1昇格プレーオフで敗れて来年もJ2で戦うことになりました。今年のリーグ戦はJ2最強の戦力と言われながらも最終順位は4位ということで、3位でシーズンを終えて東京ベルディにあったアドバンテージがそのまま生きた形で決着しました。
地元民としては、試合のスターティングメンバーを見て、選手個々のポテンシャルは高いものの、全体の平均年齢が低く、さらには下部組織から順調にトップチームに上がってきたメンバーが多い東京ベルディの方に将来性を感じていました。今回僅差で引き分けとなりましたが、もしそのまま勝ったとしてもその後数年でまたかつてのような優勝争いのできるチームを作ることができるのか? そんな事も思いながら見ていました。
積極的な補強を行ないチームの総合力を上げようとすることは、当然の事だとは思います。しかし、改めてJリーグ創設時の事を考えた時、かつて優勝を争った当時のベルディ川崎は、まさに今の清水のようにお金を使って有名選手を集めていたという批判も一部にはありました。静岡のサッカーファンからすると、静岡市出身の三浦知良選手の争奪戦に敗れたから余計にそうした批判をしたくなる点もありますが、少なくとも清水エスパルスは母体となる社会人チームが無かったため、いわゆる「オール静岡・オール清水」といった感じでチームを組んでおり、それが地元のファンがチームを応援する根拠になっていたのではないかと思います。
高校生世代のリーグ戦・プレミアリーグではかつては清水エスパルスはその強さが光っていましたが、現在は下部のプリンスリーグ参戦となっていました。ただリーグでは成績を残し、何とか上位プレミアリーグへの昇格プレーオフに参加できることになりましたが、まずはユース世代に頑張ってもらって、ユース世代から底上げをはかるというのがやはり大切であることを、今回のJ1昇格プレーオフを見終って、強く感じました。
シーズン中の試合は結構見ていましたが、今年のエスパルスは勝たなければならないところで星を落とすような事が数多くありました。そのうちの一試合でも勝っていれば自動昇格ラインに届いていたのですが、やはり負けるべくして負けたと思わざるを得ません。サポーターの方の落胆は相当でしょうが、どのチームのサポーターでもJ1の当落線上をさまよって毎年ぎりぎり残留するようなチームを目指しているのではなく、チーム力を付けてJ1の中でも上位にいて優勝を狙えるチームを作ってもらいたいと思っていると思います。
そうは言っても、なかなか難しい話です。お金を掛ければ良いチームができるなら、今年の清水エスパルスは圧倒的な強さでJ2で優勝できるはずだったと思います。来年にかけて現在のチーム構成がどう変わるかはわかりませんが、基本的には地元密着でわかりやすいコンセプトの元、来年のJ2で他チームと切磋琢磨していってもらい、結果的にJ1復帰がなって欲しいと個人的には思っています。