駅弁の温度管理がずさんだったことで食中毒が起こったのかも知れない中で冷蔵庫の必要性を考える

八戸の老舗の駅弁店が全国で食中毒を出したことが大きなニュースになっていますが、私の住む静岡でも毎週どこかのスーパーで客寄せのための「駅弁大会」が行なわれています。食中毒が起きた時は3連休ということで、全国の催事で名物弁当を揃えるために多くの発注が問題の駅弁店にも入っていたそうで、新たな業者に一部ご飯の炊飯を依頼していたという話も入ってきています。

いつも利用していない(?)業者にお願いしたことで、お店で守ってきた炊きあがりから一定の温度まで冷ますことや、運搬に冷蔵庫やクーラーボックスを使って一定の温度を守り、もし設定した温度より高くなってしまった場合は提供を止めるといった食品についての安全性を考えたマニュアルがないがしろになっていた可能性があります。ニュースでは、炊いたお米を納入する際、冷蔵庫ではなくエアコンを効かせた車にそのまま入れて運んでいた? というようなちょっと信じられないような話が出てきてしまっています。そうなると、納入されたお米を使って弁当を作っている時にはお米が痛んでいた可能性についても今後出てくるかも知れません。

ただ、当然ながらお弁当を作って出した責任というものは弁当業者の方にあります。ニュースでは業者からお米を納入した際に、その温度をきちんと調べたような事はなかったようなので、その点についてはきちんとしていかなったわけで、今後は外部に委託した場合は、お願いした温度管理や運搬方法がきちんと守られているかどうかをいちいち調べる必要があります。

それにしても、冷蔵庫やクーラーボックスを使わずに車のエアコンだけで納品するような事はちょっと考えられないので、その点は請負業者の方にも考えるべきところはあるでしょう。これは私が車中泊旅行をした際の話ですが、地元の名産を持ち帰る場合、常温で運べるものは良いのですが、生もので冷蔵が必要なものを持って帰りたい事があります。

その中で覚えているのは、和歌山・高野山のごま豆腐は日持ちがしないので賞味期限が当日中と言われたのですが、その時にはスーパーで購入した板氷を切らさないようにして自宅まで運び、その日の夕食でいただきました。また、石川・金沢を訪れた時にはいわゆる「金沢カレー」の有名店である「チャンピオンカレー」で持ち帰りのカレールーを買いましたが、これも冷蔵が必要なパッケージになっていたので、とにかくクーラーボックスに入れた氷が溶けないように気を付けながら冷蔵の状態で何とか自宅までたどり着き、いわゆる「チルド」状態にして友人におすそわけした記憶があります。当然ながら、車のエアコンに当てていれば大丈夫だとはその時には思わず、もしクーラーボックスを持って行っていなかったら購入して持ち帰ることを断念していたと思います。本来は、クーラーボックスの中に温度計を入れて確認すべきでしょう。今後は、車載できシガーソケットに繋げば使えるミニ冷蔵庫を利用することも考えないと、特に夏の時期の生ものの運搬は難しいと考えるべきだと思わざるを得ません。

今回の騒動は、その場へ行かなくても近所のデパートやスーパーに行けば、全国名物駅弁が買えるという意味では便利だと思っていた状況が根こそぎ変わってしまう危険性をはらんでいます。ただ、今回食中毒を起こした駅弁店においても、きちんと温度管理をしていれば、今までは食中毒を起こしてはいないわけで、信頼を取り戻す手だてはあります。

今後は、自社の責任において委託業者に決めたマニュアルを遵守させるようにし、もし基準から外れた時には出荷しないなど、まずは食中毒という最悪の結果を出さないような営業努力が全国の駅弁業者には必要になっていくのではないでしょうか。今年はいつもの年よりも暑い印象で、その暑さも9月の下旬まで気温が上がったことも食中毒の発生した要因になったとは思いますが、一定の安全基準が今回守られていないのではという疑問が出てきたので、まずはその問題をきちんと解決して、私たちが安心して全国駅弁を買って食べられるように努力をして欲しいものです。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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駅弁の温度管理がずさんだったことで食中毒が起こったのかも知れない中で冷蔵庫の必要性を考える」への2件のフィードバック

  1. ahiru

    てらさん、こんにちは。

    駅弁は大体常温で販売されているのですが、こういう海鮮系は、今年の様に気温が高い時は、特に注意が必要になりそうですね。
    八戸で作った海鮮系の弁当が、全国で販売されるのも、良く考えると驚きですが・・
    今回、納入されたご飯の温度が高かった事が原因の1つと考えられる様ですが、弁当のご飯には防腐剤は使っていなかったのか、という指摘もありますね。

    自分の場合、帰省時に帰省先で買った冷凍や冷蔵が必要な食品は、なるべく実家の冷蔵庫で冷凍して、移動時にクーラーボックスに入れてロックアイスや、保冷剤を使用しています。今の所、これで問題は出ていません・・(^^;
    では!

  2. てら 投稿作成者

    ahiruさん コメントありがとうございました。

    全国的に有名なお店でも、全国展開しないローカルの雄のような企業があります。豚まんで有名な551の蓬莱や、げんこつハンバーグで有名な炭焼きレストランさわやかは、頑なに自地域での営業にこだわっています。511は全国のデパートで売ることはありますが、その場合は現地で作りたてを提供しています。つまり、材料を傷まないくらいの距離でないと美味しいものが提供できないだけではなく、食材が傷んでしまう危険性があるというこをわかっているからではないかと思います。

    同じように駅弁では崎陽軒も販路については静岡駅での販売はあるものの、東京千葉埼玉に店舗があるだけで、手堅く商売をしています。今回の問題は、食中毒の直接の原因はご飯でしたが、海産物をふんだんに使うお弁当が売りなのですから、製造過程および流通の方法、そして製造を委託する場合の問題をきちっと解決してほしいものです。

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