また出てしまった大きなイベントでのチケット問題にデジタルチケットが当り前に使えるようになる日を望む

イベントのチケットというのは、その売り方やチケットの管理の仕方に昔から色々と言われてきていました。最近は、チケットを入手した人がそれを高額な価格で再販することが問題になっており、規約違反をして高額でチケットを売った人間と、それを購入して買った人を特定し、それらの人の先行チケット購入権(そのチケットはファンクラブ加入で先に入手可になっていたそう)を永久剥奪するとした歌手の福山雅治さんのコンサートのケースは、それだけ高額転売される現状を憂い、買おうとしても買えなかった人との公平性を保とうとする意志を感じます。

しかし、先日の夏の甲子園大会でも入手したチケットの高額転売があったといわれていて、紙のチケットに色々とチップを入れたり顔写真を付けたりでもしないと、実際にコンサートやイベントへ参加する場合に、なりすましを防ぐことはできないように思います。ただ、チケット自体に個人情報を紐付けるということになると、即時発行というわけにはいかなくなるでしょう。

となると、考えられるのはスマホの中にチケット情報を入れた電子チケットの発行ということになるのですが、イベントというのは大きなものから小さなものまで多岐にわたる中で、電子チケットが当たり前になるのか? と考える方もいるでしょう。

しかし、過去にこのブログで書いたことがありましたが、現在飲食店の中には注文するのに各テーブルにタブレット型の端末を置いて注文を取らずに、各々のスマホからお店の注文をするためのサイトに接続してネット上から注文を受ける(スマホを持っていない人には店員の個人持ちのスマホから注文を頼むことができました)ような仕組みを採用しているお店に入ったことがあります。もはやスマホを持たないとQRコード決済など使えないような状況もあるので、なりすましや転売チケットでの入場をさせたくなければ、その人はスマホを持ち、紙ではない電子チケットの方に流れていくのが今後の傾向だと思うのですが、そんな中でまたチケットについての別の問題がクローズアップされてしまいました。

本来、日本で開催されたことは大きなインパクトがあると思うのですが、いまいち盛り上がっていないというような印象をテレビ中継を見た人に与えてしまったのが世界バスケの日本対ドイツの初戦に空席が目立っていたことがニュースになりました。元々日本単独開催でなく、沖縄まで見に行かなければならないという事はあるにしろ、日本には多くのバスケファンがいて、チケットが取れればどんな事をしても沖縄までの航空券と現地でのホテル代を出しても見たいと思っていた人は多くいると思われます。

こうした状況というのは、同じ日本で開催された2002FIFAサッカー・ワールドカップの時の事を思い出しますが、その時も国内でワールドカップの試合を見るためにはかなり前に申し込んでの抽選に当たらないとチケットが手に入らなかったはずが、スタジアムの席は全てうまってなく、かなり空いたスペースがテレビに映ってしまったことが問題となり、当日まで購入可能なチケットがネットで売り出されたのですが、元々空席はなぜ空席になったのか? そのからくりを考えると、いわゆる「関係者」に割り当てられた招待席のような気もしなくありません。

こうして割り当てられた席は、そのイベントに興味がない人の手に渡ってしまったらまた同じように完売のはずの席にかなり空席があるようなことに、今後もなっていくのは間違いありません。その種の席は個人情報と紐付けされてしまうと、ますます使われることがなくなってしまう(Jリーグならスポンサーに割り当てられた席が行く人がいないので、回り回って直接スポンサーとは関係のない人に渡ることも珍しくありません)ので、イベントに協賛するスポンサーがスマホに入るような電子チケットの標準化を容認するのかという所もあります。

古くは日本武道館のビートルズのコンサートにおいても、チケットの価格を決める際に、ビートルズが好きでたまらないティーンエイジャーのためにビートルズ側がチケットの価格を安くした経緯がありましたが、見たくても見ることができなかったファンがいる一方、スポンサーやマスコミ関連で一定の数のチケットが抑えられていて、さほどビートルズに興味がなくても、とりあえず見に行ったというようなただ見の芸能人や評論家などの人たちもいたと言います。今もその昔と同じく、人気のイベント・コンサートのチケットは入手をすることが難しいわけで、コンサートを見るためにファンクラブに入ったり、電話やパソコンの画面からトライを繰り返していた人たちの思いを踏みにじるようなチケットのからくりを目にするにつけ、こうした状況も電子チケット化することで何とかできないかとも思います。

主催者が有名人や評論家を招待したり、スポンサーの取り分としてあらかじめ決まった数のチケットを用意するのではなく、例えばスマホに届いたメールから手続きしないと電子チケットが発行されないようにしたり、急に行けなくなったり、事前に行かないことがわかった段階でチケットの無効化をスマホからして余った席を当日売れるようにするとか、何かできることはあるでしょう。イベントの定員が決まっている中で、当日のぎりぎりまでチケットを求めて彷徨っている人たちを横目に、興味がないからとせっかく主催者が用意した席を無駄に空席のままにしておくというのは、チケットのもう一つの問題だと思います。この点についてもしっかり考えた上で、公平なチケット入手の仕組みを作って欲しいですね。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す