ワイモバイルの新プラン登場でサブブランドのお得感は失なわれ気味になっていることに注意しましょう

政治がどうこうとはあえて言いたくないですが、いっときの携帯料金を引き下げることが国策のようになっていた時と比べると、またそれ以前の大手キャリア横並び護送船団方式のビジネスモデルに戻っていってしまっているような気がします。

まずドコモがOCNモバイルONEの新規契約を止め、irumo(イルモ)を立ち上げ、それに呼応するように、それまでは普通の人はauとの関係についてあまり知らなかった時もあったUQモバイルが、複雑で各種サービスと合わせないと月々の利用料金が安くならないように新プランを出してきました。

そんな中でそれまでの料金プランを維持してきたソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルでも、2023年10月から新プランに変わる(現在の契約者はそのまま旧プランを使えます)ことが発表されました。詳しい内容については、他のサイトや動画で詳しく解説してくれるサイトの方で見れば良いと思いますのであえてここではそこまで詳しくは触れませんが、3キャリア共通の仕様として、まず自社のクレジットカードで決済した場合のみの割引が設定されているのはまさに横並びといった感じです。いくら割引があるといっても、新たにクレジットカードの申し込みをしたくない私としては、そうした割引がある時点で契約する気が無くなってしまいます。

あと、ワイモバイルについてはSMLプランで少々の高速クーポンの増量を行なうことで基本料金を上げているのですが、今後動画視聴を常に行なうことが当り前になる中で、今回のワイモバイルの新プランの内容についてちょっと気を付けなくてはいけない部分があるので、その点についてはその内容をここで紹介します。

・Sプラン(3GB→4GB) データ量超過時最大300kbpsに制限
・Mプラン(15GB→20GB)同最大1Mbpsに制限
・Lプラン(25GB→30GB)同最大1Mbpsに制限

とここまではいいのですが、今回のワイモバイルの新プランには速度制限がもう一段階あります。上記の内容はこれまでのプランと同じで、速度制限はこのまま月末まで続く代わりにそれ以上スピードが下がることはなかったのですが、新プランの場合は当月にデータを使い切ってからさらに基本データ量の半分(S→2GB、M→10GB、L→15GB)を追加使用してそれぞれ合計がs→6GB、M→30GB、L→45GBを超えた場合、どのプランを使っていても最大128kbpsに2段階制限されるというのです。

これまで、私は加入するならMプランにして、高速通信を使い切っても月末まで最大1Mbpsで使えれば、普通にスマホで使うならまず問題はないと思ってきたのですが、こういった数値を見せられてしまうと、月にこうしたデータ量を使うことは珍しいことではないと思うので、知らないで加入して2段階制限の超低速になってクレームを言ってみても、覆されることもなく、実際ほぼ使えないスピードでスマホを使わざるを得ない状況も見えてきます。

ワイモバイルは、回線またぎでの契約をする場合には、格安でスマホが買えたりするケースもあったので、ソフトバンク回線で問題がなければ、悪くない選択だと今までは思っていたのですが、この仕様変更によって、後から2段階速度制限を食らって泣く人が出ないように祈るしかありません。

同じソフトバンク回線であれば、LINEMOはまだそうした制限はありませんし、LINE電話は無料で使えますので、個人的にはサブブランド的にソフトバンク回線を使いたい場合には、ワイモバイルでなくLINEMOをおすすめします。

実は私の通話用スマホでは楽天モバイルを通話用に、LINEMOをデータ通信用として分けて使っているのですが、2回線合わせて2,000円(LINEMOは月3GBで超過時の速度制限300kbsのミニプラン)くらいで運用しているのですが、これだとLINEMOの速度制限が起こった時にデータ通信も楽天モバイルに変えれば、合計6GB未満までは同じ月2,000円くらいで使えますし、20GBまで行っても千円増しのだいたい3,000円で収まります。当然楽天モバイルは速度制限なし無制限なので、Lプランで足りなくなって2段階速度制限が怖い場合にも、さらに千円増しで通信制限はなく料金もそれ以上はかかりません。

そんなわけで試算してみましたが、LINEMOミニプランと楽天モバイルの2回線運用の方がエリアにもよりますが安く済むことがご理解いただけると思います。それに、楽天モバイルが提供するRakuten Linkを使えば電話番号を使った通話も無料でできますので、その音質に問題がないと思えば、電話とLINE電話が使い放題のこの2回線の合わせ技はさらに実力を発揮するでしょう。

さらに楽天モバイルの場合は楽天のエリア外ではauの一部エリアが使い放題にもなりますので、楽天・au・ソフトバンクという3キャリアを常にカバーできるという点も、災害時や通信障害時を考えると悪くない選択肢だったと自分で使っていて思います。

もはやかつておすすめされた「大手キャリアのサブブランドとしてのうまみ」というのは、今回のワイモバイルの発表によってほとんど無くなってしまったと言っても良いのではないでしょうか。個人的にはかつてMVNOから契約者を奪っていったサブブランドがいる中でもしぶとく生き残っているMVNOの中で、明らかに他サービス・決済の抱き合わせでなくそれなりに安いところを選んでおく方が無難かと思います。

今や回線縛りは無くなったという建前ではあるものの、今回のワイモバイルしかり、大手キャリアのサブブランドでは自社の他サービス(光回線・クレジットカード・電力会社)との抱き合わせでないと最安価格にならなくなっているので、同じ金額でサービスを受けたい場合には他の回線に移れなくなってしまいます。現プランがさらに改悪された場合や、他に新しい画期的な回線契約が今後出てきてもすぐには移れないということは、やはりいい事ではないのではと思うのですが。皆様におかれましても、その辺は冷静に考えて、いつでも改悪してきたら止めて他社に移れるような体勢を取っておくことをこのブログではおすすめしたいです。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

ワイモバイルの新プラン登場でサブブランドのお得感は失なわれ気味になっていることに注意しましょう」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    サブブランドがすっかりメインブランドのミニ化に過ぎなくなってしまいました。しかも自社光回線とカードとの組み合わせで実質かっての2年縛りの復活のようになってしまいました。
    思うに店頭対応のコストがユーザーが考えるより負担の大きいものなのではないか
    考えています。
    従来のサブブランドの位置づけはメインブランドとの違いと言う点ではあいまいだと思います。
    キャリアの方向性としては店頭対応の可能なメインブランドとオンライン専用のサブブランドとしたいのでは考えています。
    オンライン専用ですがドコモのahamo,auのPOVO,ソフトバンクのLINEMOは存在価値があります。
    ただキャリアごとで違いがあり自分の利用法に合わせてキャリアを選択する必要があります。店頭対応可能なプランは手取り足取りだがオンライン専用のプランは自己対応が必要、考える能力が必要と言う事です。
    特徴としては100GBと言う大容量に対応しているahamo、3GB以下の小容量ユーザーに対応しているLIENMO、中小容量以下のユーザーに対応しているPOVOと言うところでしょうか。
    ただOCNと言うMVNOをつぶしてしまったドコモにはせめてahamoで10GBや5GBに対応したプランを提供してもらいたいですね。LINEモバイルを止めたソフトバンクのLIENMOも同様です。
    POVOの使い方も対応の仕方によっては利用価値は高いです。4GBから5GB利用するユーザーは3GB30日を利用度に応じて追加購入するなどが考えられます。
    デュアルSIM対応であればLIENMO3GBと併用して不足する時にトッピングを購入して不足分を補うなど考えても良いと思います。
    ahamo,楽天モバイルのメリットは海外でもそのまま利用できることですね。楽天モバイルに関して言えば海外では国内と違って通信状況が安定している事です。
    カンボジア、キプロスで利用しましたが、ahamoと比較しても安定していました。国内への通話も無料で可能なのは便利でした。
    デュアルSIM対応のスマホの場合楽天モバイルSIMで通話を行うと設定しておくと非通知にはならないようです。
    安く便利になるには頭を使えと言う事です、

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    ドコモについては現在、5Gで一部地域でのつながりにくさが話題になっていますが、それが解消されればahamoの使いやすさが際立ちますが、それなりに月額がかかってしまうのがネックと感じる方もいるでしょう。楽天モバイルでも無制限に使うとなると月額は3千円かかってしまいますし、個人的にはもう少し安く、多少は速度規制があっても(超低速はかんべんして欲しいですが)安いプランがサブブランドから出てこないかなと思っていたところの3社横ならびの新プランには参りました。

    大手キャリアに限らず、MVNOでも低額で売上が伸びないプランよりも、色々な特典を付けて契約単価を上げることが流れのようになりつつあるようにも感じています。ただ、今後の社会の流れを考えると、毎月かかる固定費を削減する方向にならざるを得ないと思うので、果たして今回のワイモバイルを含むサブブランドの目論見がうまく行くのか、今後も見守っていきたいと思います。

コメントを残す