私はこのブログを始める前から「家で作業している状況を外にも持っていきたい」と思い、試行錯誤を続けてきました。車にあれこれ乗っけて持っていくならば、大型のノートパソコンでも良く、特に昔は外でインターネットを利用するといっても、メールチェックの時だけ接続するとか、長く通信したり大きなファイルをダウンロードすればするほどコストがかかるようになっていたので、いかに短く通信を行なうかということで、小さくてもフル装備(CD-ROMなども付いたもの)のノートパソコンを持っていくことによって、主にはオフラインで作業をし、帰ったら自宅でそのデータをアップロードするというような使い方をしていました。
それが少し変わったのが、今はなきPHSで月定額のインターネット使い放題のプランが出た時からでしたが、最初は最大32kbpsと、今のmineoの平日昼間制限くらいのクオリティしかありませんでした。小さなガラケー型の端末でメールなど文字中心のデータを見るには何とかできましたが、ノートパソコンにつないで通信をした場合、写真などを読み込むスピードは当然ながら遅く、ストレスがたまりました。そんな時期に作成されたのが俳優の阿部寛さんのような文字を中心にした自分のホームページだったのではないかと思います。阿部さんは今もその当時に作ったと思われる形式をそのまま続けていますが、みんなが遅い中で利用する状況がかつてあったので、そうしたホームページの形になったという側面もあったと思います。参考までに、阿部さんのホームページにリンクを張っておきますので、高速通信を使い切ってしまったり、mineoの平日昼間のスピード制限の時にでもそれなりにページが読み込めるかどうか、試してみるのも良いと思います。
http://abehiroshi.la.coocan.jp/
その後、MVNOが出てくる中で自称「通信無制限」なるプランも出てきたのですが、ユーザーが少ない場合にはそこそこ使えたものの、無制限ということでヘビーに使いまくるユーザーが出たり、多くのユーザーが契約したりしたおかげで、元々MVNOは大手キャリアから帯域を借りているわけですから、当然渋滞が起こり、まともに使えなくなります。当時は自宅ではすでにADSLや光通信が使えていたので、制限なく利用することはできていたのですが、外出時に安い価格で誰もがそれなりのスピードでネットを利用できるようになったのは、楽天モバイルが無制限を打ち出し、それに対抗する形でドコモがahamoを出し、他のキャリアでも速度制限が従来の最大128kbpsから最大1Mbpsというプランが出てきてからではないかと思います。
実際、100Mbps以上の通信が普通だと思っている人にとっては、最大1Mbpsは遅いと思われるのではないかと思いますが、スマホやタブレットでウェブを見たり、動画をある程度制限した中で見ることはでき、大きなポイントは低速であればそれなりに使い続けてもさらなる速度制限がされないということです。これにより、少なくともデータをクラウドに置いて外ではその都度クラウドにアクセスしてネットに接続しながら作業をすることができるようになりました。また、自宅にサーバーを設置して、外から自宅サーバーにアクセスし、データを取ったり直接見たりすることも現在はできます。そうなると、持ち出すデータというものはそれほど必要なく、どうしてもネットがつながらない場所で作業しなければならない場合に、データをSDカードやUSBメモリに入れて持ち運べば、もうスマホ単体やタブレットだけでも作業ができてしまうという状況になっています。
というわけで、今後のモバイル機器はどうするのかという事を改めて考えてみると、もはや普通のパソコンを持ち出すのではなく、それ自身でネット接続が可能なタブレットにキーボードやマウスをセットにして持ち出せば、座っての作業もできますし、片手に持ち移動しながらの利用もできます。最少のセットとしてスマホがあるわけですが、スマホの場合は携帯性に優れている反面、画面が小さく、車中泊の夜に動画をゆっくり見るならもう少し大きなディスプレイのあるハードがあると便利だと思います。以前はタブレットの中にダウンロードした映画やテレビ番組を入れて見るような使い方もありましたが、今は最大1Mbpsで通信が可能であれば、事前に用意しなくても、その場でリアルタイムに動画を見ることもできるので、必要に応じて8インチにするか10インチ以上にするか、大きさを選べば良いでしょう。
それに加えて、タブレットをパソコンのように使いたい場合には方法は2つあります。一つはタブレットとキーボードをセットにして使うというやり方です。この場合はBluetoothで接続するのが便利ですが、別々に分かれると、机があれば良いですが、膝の上に両方置いて使うということは難しいです。そうした使い方も考えている場合は、本体とキーボードが分離する2in1のタイプのものにするか、画面が360度回転し、一体化して片手で持てる構造のものにするというのもありでしょう。まさに私が使っているのが本体とキーボードは分離しないものの、本体を回転させてタブレットのようにして使えるChromebookです。
私の場合は外でもキーボードが使えるモバイル端末が必要で(外でもブログを書けるように)、電車内でも一応空いていれば端末を広げて使えるようなものということで、もう一台、WindowsOS搭載の2in1ノートを持っています。ただ、ノートパソコンは持ち出す分落下や衝撃を受けて壊れることを心配しなくてはならないので、学校で複数年荒い使い方をすることを前提に作られている学校用のChromebookのアウトレットは、まさにモバイル利用にはうってつけです。米軍の資材調達基準であるMIL-STD-810をクリアしていて、耐水性のあるキーボードを搭載しているChromebookは多く、いわゆる学校標準仕様のお下がりが安く買えるチャンスがあれば、キーボードを日常的に使うような端末を利用したい場合、モバイル端末としてその種のChromebookを選ぶことで、かなりモバイル環境が変わることになるでしょう。
もちろん、大きな災害などでネットが使えなくなることもあるので、そこまで考えると、Chromebookよりも小型のWindowsが使えるノートパソコンもあった方が良いと思いますが、Chromebookでオフラインであっても、Andoridアプリを動かしてメモを取ったり、最低限の利用はできると思いますので、持ち出すハードを絞り、基本はネットにつなぎながら使うような考え方をすれば、何もかも持っていく必要はなくなります。
タブレット端末やChromebookの場合、電源として大き目のポータブルバッテリーでなくても、スマホの充電もできるモバイルバッテリーを使っての充電も可能です。Chromebookを使いながら充電する場合には出力の問題は出るものの、スマホと同じType-Cから充電できるなら、ACアダプター・ケーブル類も少なくて済みます。車での移動ならポータブル電源を持っていけますが、電車などで移動する時には難しいと思いますので、常にオンラインで外でもスマホ以外のハードが使えるような通信費の使い方をすることが大事になるだろうと思います。
前の日に紹介した千円前後のプランというのは、スマホだけを持ち出す場合でしたが、さらにタブレットやChromebookなどを持ち出す場合には、あえてスマホの回線を安いものにしてもう一回線データ用にするか、それともスマホをテザリングしてスマホだけで賄えるようなプラン一回線にするかが悩みどころでしょう。私は、二回線でデータ専用のスマホをもう一台持ち歩くことで、使い分けていますが、これはその人の使い方によります。私の場合はメインスマホは通話中心にし、もう一台のスマホはテザリングだけでなく車で走行中にカーナビとしても使いたいと思っていたので、複数台のスマホ持ちにしました。今はそれこそGoogle Driveの利用だけでも、そこそこの事はできるようになると思いますので、興味のある方はオンライン中心のモバイル環境作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。