KDDIとSoftBank相互接続の「副回線サービス」を利用すべき人とそうではない人の差は

KDDIがSoftBankとともに昨年の大規模障害の対策として発表していた、SoftBank回線の副回線サービスについて(その逆もあり)、その内容がわかってきました。月額429円(税込み)で、au回線の場合はauとUQ mobileの音声プランを利用している人、SoftBank回線の場合はLINEMO・Ymobileは対象外とのことなのでSoftBank回線を利用している人が対象で、別回線をSIMカードやeSIM(SoftBankの場合)で提供するサービスです。新たな電話番号が与えられ、au・SoftBank回線が使えない場合の通話およびデータ通信を代替可能ですが、電話番号は手動で切り替えが必要なので、現在デュアルSIMを活用している人には今さら感があるかも知れません。なお、KDDIとSoftBankの提供するサービスの内容についての報道がこちらで入手したものについては断片的であるため、多少実際にサービスされる内容と違う点があるかも知れませんので、その点は最初にお断りしておきます。

月間のデータ容量はどちらも500MBで通信速度は最大300kbpsで、500MBを使い切った後は最大128kbpsまで制限されます。その際、テザリングでの利用は不可(KDDIの場合)ということです。通話料は大手キャリアと同じ30秒22円、SMS送信料金(国内)は一通あたり3.3円と、普通のau・SoftBank回線と同じです。この月額429円を月々の安心料としたい方は、契約しても良いですが、大規模な障害時だけ使うというのはもったいなくもあるかも知れません。

こうなると基本的にはiPhoneであれば標準でSIMスロットに加えてeSIMも同時利用できるので使えますが、Androidスマホの場合には2回線が使えないものや、eSIMが使えないものもあるので、その点にも注意が必要です。現在問題なく使っているスマホをいきなり機種変更するのもなかなか大変ですし。どうしても予備回線がほしい方については、どうせならeSIMを含んで2回線を使うことのできるSIMフリーのスマホに機種変更可能なら、少し自分で設定をすることによって更に便利な道というものが出てきます。

具体的に言うと、mineoの「マイそくスーパーライト」のdocomo回線を契約すると、月々の料金は250円になり、いざという時にau・SoftBank回線より利用エリアが広いと言われている回線が予備になります。通話料はそのままだと30秒22円ですが、専用アプリを使って発信する「mineoでんわ」に申し込むと(利用料は無料)、ほぼ通話料半額の30秒10円で利用できます。

データ通信については、メールしか使い道がない最大32kbpsですが、先日新たに「24時間データ使い放題オプション」が一回につき198円で利用できるようになりました。au・SoftBankのメイン回線が全く使えなくなっても、復旧までの時間が24時間を超えるようなことは大きな災害でもなければ考えにくいので、データ通信に使える回線を維持するための料金も安く、通話料も安く、回線も安心のdocomo回線(選んだ場合)で、さらにはデータ通信も制限されずに使えるmineoのマイそくスーパーライトを副回線にした方が、メリットは大きいでしょう。

ポイントは、全てキャリアに任せる方が手間はかかりませんが料金の負担は増え、逆に自分で設定などをこまめにできるなら、キャリア任せの方法よりも安くて便利な方法があるという事ですね。キャリア任せの方法は、自分で手続きができない人のためには必要で、今回の内容もauとSoftBankの協議の中で生まれた、ユーザーに利益になる仕組みであることに変わりありません。ただ、こうして私のようなブログにアクセスし、より安く便利な方法について考えているような人であれば、自分で手続きをした方が良いということですね。

なお、一旦mineoに契約をして不満があれば解約金などはかからずにすぐ解約可能ですし、同じような安いプランのある日本通信へ番号そのままで移行することも可能です。ただし、mineoにはネットで拾ってくれば3,300円の初期登録手数料が無料になる特典を使えるので、同じdocomo回線を使いたいなら、まずはmineoを試してみて、不満があるようなら(日本通信の月290円プランは1GBの高速データ付き、1GB追加料金は220円、通話は専用アプリを使わなくても30秒11円)、日本通信に移っても良いのではないでしょうか。どちらにしても、大きな通信障害がなければ使わなくて済む事には間違いないので、基本的な使い方さえ把握していれば、いざという時に慌てずに済みます。

なお、2015年以降に発売されたiPhoneを使っているユーザーの場合(2回線同時利用可のもの)、SIMロックを解除できればdocomo回線のSIMカードを入れても利用可能になるので、今回のKDDI・SoftBankの発表に興味を持ったiPhoneユーザーの方は、これまでの契約はそのままにMVNOと追加契約することで非常用のdocomo回線を持つ道を模索するのも有りでしょう。大手キャリアのAndroid端末の中には対応周波数の関係で、docomo回線を十分に活用できない端末もありますので、その点はご注意下さい。


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