Amazonの衛星通信サービス「Project Kuiper」は2024年にサービススタートか

たまたま前日、BS放送について色々書いてみましたが、もし今広い地域を大きな災害が襲い、正確な情報かテレビやラジオからも無音のような状態になったら、私たちはどこから情報を得ればいいのかということも考えておくべきなのかなと思います。

一つの答えとして、かなり広範囲で全てのインフラが使えなくなってしまった場合、現在の日本で国内を広くカバーする通信というと、ラジオの短波放送(ラジオNIKKEIとNHKが海外向けに発信しているRadio Japan)か、AM波を使ってNHKが送信設備が使えるところから大出力の放送を行なうことが考えられます。さすがに、短波放送が聞けるラジオを常に持って使っている人は余程競馬や株が好きな人か(こういう考え方はもはや古いかも知れません)と思うのですが、これからあえて短波放送が聞けるラジオを買わなくても、AM放送であれば普通のラジオでも聞ける可能性はあります。

ちなみに、日本のAM局で500kw以上の出力を持つところは全てNHKの第二ラジオで、東京(693kHz)、札幌(747kHz)、秋田(774kHz)、熊本(873kHz)がそれぞれ500kw、大阪(828kHz)が300kwとなっています。ちなみに第一ラジオでは東京(594kHz)が300kwですが、大都市が災害に巻き込まれてしまうと、その地域では放送を出せない可能性もあります。地域にもよりますが、こうして出力と周波数を列挙していくと、アナログのダイヤルのあるAMの聴けるラジオであれば「6」から「7」で全く反応が無い場合には、さらに範囲を広げて「7」から「9」あたりを探ってみましょう。感度の良いラジオで、さらに周辺のラジオ局が全滅しているような状況であれば、むしろ高出力局は昼間でも聞きやすくなります。

さらに、AM放送の特性として、夜間は長距離受信が可能になる事があります。実際の距離とは関係なく、広範囲に受信できるので、例えば関東地方からでも秋田より札幌の方が聞きやすいというような場合もあり得ます。

ここまでの話は、かなりひどく通信インフラが破壊された場合について考えているのですが(当然携帯電話もつながらない前提)、実はもっと簡単な方法もあります。地上が災害に見舞われていても、放送のために打ち上げられているBS放送はもしかしたら生きているかも知れません。その場合、停電にもなっているだろうと思いますが、少ない電力でも動くBSチューナーとモバイルモニターの組み合わせを使うと、ポータブルバッテリーを利用してBSアンテナを正しい方向に向け直せば、テレビのニュースという形で情報が入ってくる可能性があります。ちなみにこれは、大きな災害で地上波放送が視聴不能になった場合の対策としての話です。

基本的にお金がかからず、少ない準備でも何とか情報を入手するには、今の世の中でもラジオということになるのですが、時代の流れとともにインターネットも通信衛星を経由して利用できるサービスが始まりつつあります。最新のニュースではAmazonが2024年にサービス開始予定という「Project Kuiper」の概要を公開しました。

興味深いのは、そのスピードが超小型モデルは最大100Mbps、標準モデルは最大400Mbps、法人や政府向けの最大モデルは最大1Gbpsの速度という風にアナウンスしています。個人利用であれば「超小型モデル」でも十分そうで、その際の装備(アンテナ)も写真公開されていますが、平面アンテナっぽい18センチ角の大きさのものを三脚のような足で固定し、その重さは500g弱ということです。

もし、こうした装備が一般化すれば、それこそ全国どこにいても衛星をとらえてのインターネットが可能になるだけでなく、BSやAMの電波を出すためには設備の維持や点検が大変ですが、ネットでの中継というのは極端に言うと放送局でも何でもない一般の人間がスマホ一台だけでも行なうことができます。いざという事になれば、災害被災地にあっても、そうした装備を放送局が持っていれば、送信設備が潰れてしまったとしてもその場から中継や連絡が可能になるということです。

こうした機材を個人で持つかどうか? というのは提供される利用金額次第ではあるものの、今後最少のパッケージでこうした衛星通信利用の可能なインターネットシステムを含めた中継システムが普及すれば、情報を受けるこちらとしては、地デジ(ワンセグ放送含む)かBSチューナーを利用したテレビ放送もそれなりに利用が可能になるのではないかと思います。

本来は、日本が打ち上げをした衛星によって国内サービスの発展を期待したいところですが、先日種子島宇宙センターでの打ち上げが失敗に終わったこともあり、海外のサービスを使わざるを得ないのでしょうね。日本の産業を元気にし、新たな通信衛星インターネットサービスを広げて欲しいと思いますが、とりあえずはラジオを確保することと、ポータブルバッテリーに簡易アンテナでも使えるテレビをラジオとは別に持っておいたり、できればBSをポータブルバッテリーを使って停電時でも見られるような事も考えておいていいかも知れません。そして、今回のAmazonを含む地上の設備を使わないネットサービスについても、一般的に使えるようになるのか、この点については今後もその動向については注目していこうと思っています。


カテゴリー: モバイル関連コラム防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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