同じような「悪ふざけ」でも個人のネットとテレビ番組内でのものとの決定的な違いとは?

ある意味、どこにでも居そうな人たちが外食先で悪ふざけをし、それがネットにアップされることでの騒動がなくなりません。こうしたことは以前からありました。Twitterに動画をアップしたことで、今までは仲間同士の悪ふざけだけで済んでいたものが、広く社会的に認知されることによってニュースとして広まり、単なる悪ふざけでは済まなくなってしまうような窮地に追い込まれてしまう人たちを私は何回も見てきました。

テレビの衰退ということが言われていますが、ネットの動画というのは、国内だけではなく全世界で共有されてしまうこともありますので、面白半分にネットにアップする場合、その後どんな反応が起き、結果自分の立場がどうなってしまうのか考えて行動を起こさないと、特に若年層の方々はその後の人生における可能性まで潰してしまいかねません。

今回は、そうしたネット動画と、地上波・BS・CSを含むテレビ番組内での悪ふざけをする番組と、何がどう違うのかということについて考えてみたいと思います。

実は、少し前に「これはテレビ番組のロケではないか?」というような状況を遠目から見たことがあります。私の住む静岡市の中心部、静岡駅近くの国道沿いから入った場所に、ワゴンタイプの車が2台停まっていて、そこに多くの人がいるような状況を深夜から早朝にかけて目撃したので、最初は何か事件でも起きて、テレビの報道関係者が集まっているのか? と思っていました。以前静岡駅近くの繁華街で大がかりな盗難事件が起こったことを聞いていたからです。ただ、その日および翌日の報道を気を付けて見ていたものの、そのような報道はなく、もしかしたら、駅ということで地元のテレビ局の人たちが集まってロケに出発したのか? ぐらいの事は思っていたものの、結局本当に遠目で騒いでいるのを見ただけだったので詳しいことはわからず、そのままにしておりました。しかし、数日前に放送されたTBS系「水曜日のダウンタウン」(2023年3月8日放送)を見て、もしかして私が目撃したのはこの時の状況だったのではないか? と思ったのでした。

放送された内容は2つあり、ネットでかなり否定的な感想を述べた方が多かった「砂かけババア、部屋に出たら最悪説」の方ではなく、名古屋から東京赤坂のTBSまでヒッチハイクをするのですが、その際、停まってくれた車の査定額により移動できる距離が変わってくる「買取査定ヒッチハイクレース」の方のロケでした。お笑い芸人の3組がレースを行ない、誰かがゴールしたらレース終了ということだったのですが、そのうちの一組、お笑い芸人のトム・ブラウンがあえなく静岡駅まで来たところで他チームがゴールをして終了になったのですが、トム・ブラウンの布川さん(相方のみちおさんは翌日の仕事のために帰宅)はだいたい深夜一時頃からレース終了の午前4時半くらいまで、それこそ私が目撃した静岡駅すぐの国道一号線沿いでヒッチハイクをしていたようなので、まさに状況と番組の内容が合います。テレビだとそれほどスタッフはいなくても撮れそうな映像ではありましたが、査定をする人も一緒に移動していたので、かなりの人がいたのだろうと思います。

この内容も単なる悪ふざけ的なものかと思うのですが、実は巧妙なPR戦略が隠されていました。放送翌日、「水曜日のダウンタウン」を放送したTBS系では、野球好きの方なら大いに関心を寄せるであろうWBCの初戦で大谷翔平選手が先発するとあって、恐らく夕方の6時から試合終了の夜11時近くまでずっと見ていたろうと思うのですが、この大会スポンサーが「買取査定ヒッチハイクレース」で車を査定した会社だったのです。VTRを見たスタジオでは、恐らくこれもかなり前の収録だと思うのですが、ダウンタウンの松本人志さんが、「査定した会社だけが得をしたのでは?」と言うような事をコメントしたのは正にその通りでした。

普通の広告だとなかなか多くの人に見てもらえないわけですが、番組の企画にしたことで、「思った金額よりも高額の査定である」「査定は現地だけでなく本部に問い合わせてその場で決定するので安心」「買取額は年式・走行距離の他に傷などの有無も関係する」というような説明調ではなかなか浸透しないような事を面白VTRを流すだけで知らず知らずのうちにその内容が理解できるような作りになっています。まさにそれこそが今回の企画の狙いだったのではないでしょうか。

単なる悪ふざけと思わせておいて、大きなスポンサーを巻き込むことによってその意向を盛り込み、その後行なわれる大イベントにおけるスポンサーの営業に効果を生ませるかなり考え込まれた企画だと思ったら、単に「悪ふざけ」ということではない、ネット動画との違いを見せ付けた感じになりました。同番組で散々ひどい目に合うお笑い芸人たちもテレビ出演ということで知名度を広げ、それがまた企業の広告にとって「使える」人間へと変わっていくわけで、表面上の事だけを取り上げるのではなく、番組も単なるおふざけだけという事ではないという事を理解すべきでしょう。

話は最初に戻りますが、いわゆる迷惑系のユーチューバーが行ないニュースになる行為というのは動画を収益化することにおけるスポンサーの顔をつぶすような行為なので、お金を産むどころか反対の結果をもたらします。お金など関係なくあらゆるところに攻撃を仕掛けることができるというのは、確かにネットでしかできないと思いますが、それを続けていくにはかなりのエネルギーが必要でしょう。そんな事も考えながら、ネット動画やテレビ番組を見るのも面白いかも知れません。

カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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