サッカーのペナルティキック合戦は実際は紙一重の差ではない?

2022FIFAワールドカップの日本チームの戦いが終了しました。決勝トーナメントはその決勝までどちらかに勝利を与えるため、延長戦でも決着が付かない場合にはペナルティキック合戦(PK合戦)で決めます。代表5名がペナルティキックを蹴り、そこで勝負が付かない場合には出場している選手の中で代表にならなかった選手が引き継ぎ、決着が付くまで続けられます。

今回の日本チームは当初の目標を、決勝トーナメント一回戦突破でベスト8という事に置いているようで、マスコミもそうした決戦感を煽っていました。当然、選手たちは相当なプレッシャーの中でペナルティキックを蹴ったのでしょうし、合計120分の試合を戦い抜いた後で、あのひと蹴りで全ての良いプレーが台無しになってしまうこともないでしょう。事実、試合はもう少しでPK戦に入る前に勝利していた可能性もありました。

それでも、引き分けのない決勝トーナメントで勝ち進むためには、何とかしてPK合戦を勝ち上がるための対策が必要になってきます。ワールドカップに出場するような選手であれば、誰に順番が回ってきても普通なら決めて当たり前くらいの技術を持っていると思いますが、それでも失敗をする選手があるというのは、仕方のないことです。決勝がPK戦だった、1994年のアメリカで行なわれた(つまり、日本がドーハの悲劇で出場できなかった)ブラジル対イタリアの試合でPKをまさか外すとは思わなかったスーパースター、ロベルト・バッジオのシーンを思い出す方もいるのではないかと思います。ただ、以前の日本チームが同じドーハでロスタイムに失点して敗退した苦い経験を今回の予選リーグで克服したように、今回の試合結果についても蹴った人だけの反省ではなく、チームとしていかにPK戦を勝ち抜くのかという事を本気で考えるきっかけになっていくのではないかと思います。

ちなみに、今回対戦したクロアチアは前回大会決勝まで進出しましたが、そこに行き着くまでには、一回戦はデンマークに、次の準々決勝はロシアにと2試合をPK戦の末に勝利しています。前回大会の経験者が揃っている中で、やはりクロアチアチームは経験をうまく利用して日本との試合に勝ったと言えるのではないでしょうか。

また、日本の試合の後に行なわれたブラジル対韓国の試合は、ブラジルの強さが際立った試合となりました。今大会はアジアチームの躍進もあり、優勝候補国の予選敗退が続出しましたが、それまでのワールドカップではいわゆる強豪国は予選リーグから徐々に調子を上げ、できるだけ力を使わず(選手の使い方などを工夫して)上位進出を目指す戦いをしていました。まさに今大会のブラジルがそんな戦い方をしていましたが、本当にそのレベルまでに行かないとなかなかトーナメントを決勝まで勝ち上がることは難しいと思います。しかし、今大会でそのための経験を積んだのではないかという風に考えることもできるのではないでしょうか。

今後は実力伯仲の世界の戦いを楽しみながら、世界最高峰の力を十分に堪能させていただきたいと思っています。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す