現在の日本国内のマスク使用の状況は海外から見てどう思われるのか

イギリスのエリザベス女王の葬儀が終わりましたが、大変多くの人が沿道に押しかけ、国全体で故人を偲んでいることをしみじみと認識させてもらったような気がします。元々今回の葬儀は長い時間を掛けて計画されたものであることもあり、見ている側がより印象的に思えるような仕組みになっていたのかも知れませんが、今回、イギリスから送られてくる映像を見ると、沿道に集まった多くの人々は、ぱっと見てもほとんどマスクをしていないことがわかりました。

翻って日本では、野外ではマスクを外すことが推奨されているとは言え、室内では皆がマスク着用を励行しています。そして、昨日のニュースでは国内の宿泊施設を利用する際、あえてマスクを着用しないで宿泊しようとした人の宿泊を宿側が断ることができる法律(旅館法の改正)を作る動きが具体化していて、こうした方向で宿を運営しようとする人たちの考えについてわかる部分はあるものの、海外からの旅行客にはこうした宿側の苦悩は理解されないだろうなと思います。

そもそも、新型コロナ以前の日本国内でのマスクの状況というのは、秋から冬にかけてインフルエンザが流行しないように、室内で接する場合にはマスクを付けるような事は自分の職場ではしていました。その頃は、自分でマスクを用意しなくても職場に置いてあるマスク(不織布マスク)を一枚取って、仕事の間に付けるようなことは普通にしていました。

さらに、年明けになって春先までは、日本国内では花粉症の患者が多いため、花粉を取り込まないために外出時には常にマスクを付けてガードすることがもはや普通になっていたと思います。花粉の種類によって発症する時期も違うため、けっこう長い間、外出していると常にマスクを付けている人はコロナ前でもよく見ましたし、半ばマスクを強要するようになった現在においても、そこまで大きな騒動になっていないのは、このようにコロナ以前から外出時にマスクを付けるという風習が日本に根付きつつあったからなのではないかと思います。

ただ、その当時のマスクをする理由の違いは、以前はあくまで自分の身を守るために自分の意志で付けていたのに対し、コロナ以降には自分のためもありますが、他人にうつすことがないようにという積極的な理由が入ってきました。宿泊施設におけるマスク非着用者の排除というのも、そこまで徹底しないともし自分の宿から多数の患者が出た場合の責任問題に発展することを恐れているからではないかと思います。マスクをしていれば感染症まん延が防げるのか? という海外から来た旅行客の疑問に対して有無を言わさず、マスクをしていなければ宿泊させないという事例が今後起きれば、その場での状況はどうあれ(マスクを着用していない以外にもクレーマー的な言動があったなど)、問題か大きくなると最終的には国際問題にまで発展しかねません。

一方で、政府は海外からの観光旅行客を呼び込むような政策を推進していますが、そうしたところの矛盾は海外からの旅行客には理解することはできず、結果観光客と対峙しなければならない現場の方々に責任を委ねることになりはしないかと心配になります。

個人的には、もし今の予定のまま日本でも国葬が行なわれ、その様子が全世界に発信された場合、恐らく国内の参加者のほとんどはマスクを付け、献花をしに来る一般の方々もマスクを付けたまま来るようになると思うので、その光景を海外ではどう受け取られてしまうのか、もしかしたら「異様で行きたくない国」に今の日本がなってしまうのではという心配が拭えません。私の心配が取り越し苦労に終わることを祈りたいですが、日本国内でのマスクの普及については、積極的に海外に向けて発信し、理解を得ることも必要になるのではと思わずにはいられません。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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