極端な報道に冷静に対応しながらメタノールは使い方を守って便利に使おう

直接火を付ける燃料というのは便利である反面、その使い方を誤ると、火事を引き起こす危険があったり、誤飲などによる健康被害などの問題もあります。そんな中で、単に使い方を誤るのではなく、意図的に危険な使い方をするような人のために、ルールを守って正しく使っている人が使えなくなってしまうというような事が過去にも起こっていました。

自宅のお風呂に入れる入浴剤にも色々ありますが、かつて私がその効果と浸かることによる温泉気分の感じ方で最も愛用していたのが「ムトウハップ」や「草津温泉ハップ」という硫黄の香りがし、乳白色になるものでした。「草津温泉ハップ」は群馬県の草津温泉のお土産の定番で、「ムトウハップ」はテレビコマーシャルも流していて、全国の薬局で購入することがかつてはできていました。

しかし、これら入浴剤を酸性の洗浄液と混ぜることで、有害な硫化水素を発生させ、自殺の手段として使う例が多発したため、その製造ラインの老朽化があったことを合わせて、ムトウハップは生産を終了し、商品として世に出回ることはなくなってしまいました。今でもあんな使い方をされることがなかったらと思うところです。

先日、まだ詳しい事はわかっていないのですが、ごく普通のご家庭で燃料のアルコールとして使われることの多い「メタノール」中毒で亡くなった方がいるという報道がありました。ニュースでは、亡くなった方の配偶者が、御本人に晩酌の習慣があることを知っていて、意図的に焼酎の中にメタノールを混ぜた殺人ではないか? というニュアンスでニュースになっているのです。ニュースではメタノールを飲料用アルコールに混ぜても匂いや味の変化がなく、わからないで飲んでしまう恐れがあるという風に解説されていまして、個人的にはこうしたやり方で命にかかわる事件が起こるようなことを心配しています。

なぜなら、燃料用のアルコールはその用法を守って使う分においては、格安で火器として使え、ガスのように使い終わった後に処理が大変な高圧のガス缶をゴミにしなくても良く(燃料用アルコールはプラボトルに入っていのがほとんどなので通常のゴミとして処理できます)、口に入ってもそこまで危険ではない「エタノール」と比べると、煤が出ないので火器として使い終わった後も鍋の手入れが楽というメリットもあります。

もし今後、アルコール燃料のメタノールの販売について規制がかかったり、今までのように手軽に買うことができなくなるような事が起これば、実に困ってしまいます。そのような流れの中で販売を止めるところが出てくれば、価格自体も上がってしまう可能性もありますし、気軽に使えてこその良さというのもアルコールを使ったキャンプ用具にはあるので、今後メタノールについてセンセーショナルな報道が出てきたとしても、問題はメタノールにあるのではなく、あくまでそれを悪用しようとする人間の方に問題があるということは、ここではっきりと確かめておきたいと思います。

燃料用のアルコールについては、使い方を誤ると爆発的に燃えるという注意点もあるのですが、それも使う側できちんとすれば、まず問題は出ませんし、もし燃やしている中で地震によりアルコールストーブが倒れてしまったとしても、周りに引火するものを置かず、すっぽりとアルコールストーブを覆う鍋やバケツなどを被せることで、安全に消火することができます。今回のような事件報道であったり、誤った使い方による事故報道が出るようなことになると、また同じような心配をしなければならないかと思いますが、これは火を使う燃料全般について言えることでもあります。キャンプブームでアルコール燃料を使って調理や湯沸かしをする方も少なからずいるかと思いますが、くれぐれも安全には十分注意して使っていただきたいと思います。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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