トラックドライバーの皆様の過酷な状況について改めて考えてみる

私が車中泊旅行をまだ車中泊をする人が少ない時に始めた時、車中泊場所に決めた大きな駐車場や高速道路のパーキングエリアで競合するのが大型トラックでした。トラックは仕事で長距離を乗られていますし、冷凍のものを運んでいるような場合には休憩中(今はもっと環境は良くなったものの、当時から運転席の後ろに足を伸ばして寝られるスペースはあったと思います)にもアイドリングを当時していたので、その音がうるさくて寝られない時には、その存在が疎ましく思えた時もありました。

ただ、あくまで車中泊での旅行は自分のために出掛けているもので、日本の物流を回しているトラックドライバーの必要性と比べれば、やはりこちらの方が譲らなければと思い、当時から問題になっていた大型車専用の駐車スペースに入って車中泊というような事は行ないませんでした。というのも、大型車と違って大きなサービスエリアが満車で停車すらできないような場合も、下道に降りたり小規模なパーキングエリアを回れば、一台くらい何とか入れるくらいのスペースを探すことは可能でしたし、逆に深夜に走って他の車が出るような時に仮眠を取りながら自分のペースを作り出すようなことをしていました。ただこれも、あくまで誰からも強制させられることがなく、自由に日程を組むことができたレジャー使用だったからこそという点はあります。

先日、トラックドライバーの過酷な労働環境についてのレポートを読む機会があり、サービスエリアの入口付近に多くのトラックが停まっていたり、ETCの割引を待つようにして待機する多くのトラックがあったり、荷物の送り先の近くで長時間路上駐車をしているようなことがネガティブに捉えられていると思うのですが、これらのことの根本的な原因というのは、荷主からの要求を断りきれず(特に中小業者で大きな契約先を失うことは会社の存在そのものを危うくすることになります)、荷主の言うがままに行動をするために、限られた経費の中で利益を上げるためには現場のドライバーにかなりの負担がかかっているがための事がほとんどであることを知りました。

せめて、到着先に早く来て車を停めて休めるような仕組みがあればと思うのですが、そうしたニーズのために全国に多く作られた「トラックステーション」はその数を減らしていて、警察の取締りを恐れながらもマナー違反の行動を取らざるを得ない状況を何とかしないと、今後日本の物流は成り立たなくなるのではないかという不安が出てきてしまいました。

また、働き方改革関連法が長距離ドライバーに本格的に適用されるのが2024年からということもあり、これを「2024年問題」と呼び、働き方をきちんと管理することによって日本の物流はまともに機能しなくなる(大きな歪みをかかえたまま現状の物流が回っているから)のではないかと言われています。荷主は働き方改革を実現するために運賃を上げた業者に対して、別の安く請け負う業者に乗りかえるでしょう。ただ、荷主の方にも経費をいきなり増やせない原因があり、その一つが度重なる原材料や製品の高価化にあるとなると、社会全体で賃金が増える仕組みでも作らないと、トラックドライバーが所属する中小の運送会社はとても生き残ることができなくなりそうです。

車の運転というのは、少し間違うと自分の命だけでなく、他人の財物や命まで奪う可能性のある行動です。名古屋でたて続けに起こった観光バスの事故のような事がトラックで頻発したら、トラックと同じ道を同じように走っている私たちにとってもその巻き添えになる危険があります。極度の疲労や睡眠不足で長く走るような事を無くすために働き方改革をするのですが、現状を見ていると、に大型車が安全に駐車できる待機場所が増えたという話は聞かないので、無理をして運転を続けるか、駐車のできない場所に長く駐車してそこで休憩するのかというようなことになってしまいそうです。

そんな中で私たち普通車や軽自動車を運転してレジャーに使っている人は、普通車の駐車スペースに停められないからと言って、大型トラックやバス専用の駐車スペース、さらに言うと車いす利用者が使える駐車スペースに停めることは避け、通常で考えればマナー違反でしかない状況に遭遇したとしても、その時には改めてトラックドライバーの大変さについて考えていくことが大事ではないかと思います。公的な扶助は行政に期待するしかありませんが、今後通販の送料無料がなくなったとしても、冷静に受け取められるようにと個人的には思っています。


カテゴリー: 旅コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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