消毒用に売られているエチルアルコールはアルコールストーブの燃料としてどうか?

昨日新型コロナについて書いたばかりですが、普段は接しないものの同じ職場で働いている方が感染して10日間は出て来られないという話を聞き、改めて日常的な感染症対策について考えなければと思いつつ、消毒に使えるアルコールをゲットしてきました。

写真のものは、全国にお店を持つ「業務スーパー」と提携している酒造会社が66度の醸造用アルコールをそのまま消毒用として出していまして、1000mlで税込437円という破格で売っているのです。

このアルコール(あくまで消毒用なので飲用不可)を霧吹きに入れたり、最近は個人で持ち運ぶためのストラップ付き容器も売っているので、コストを気にしないで必要になったらどんどん使っていこうと思っているのですが、ネットではこうした消毒用のエタノールをアルコールストーブの燃料として使おうとしている方がいるようです。実はこのブログでもその昔、「手ピカジェル」をトランギアに入れて燃焼実験を行なった恥ずかしい過去があるのですが、今後もし燃料用アルコール(メタノール)を使い切ってしまった時でも、何とか使えるものならその可能性を残しておきたいということで、手持ちのアルコールストーブの中でも壊しても惜しくない自作のグルーブストーブに醸造用アルコールを入れて燃やしてみました(^^;)。

まず、火力は明らかに勢いが無くなり、燃料用アルコールではカップの直乗せによる運用が可能だったのに(グルーブストーブは周辺からも炎が出るので直乗せでの運用も可能)、消毒用の66度のものでは、本燃焼後にカップを直乗せしても、周辺に火が回って安定して燃えるはずが、中の火をカップを乗せて消してしまうと、周辺もことごとく火が消えてしまって通常用としては使えませんでした。

仕方がないので手持ちのゴトクにカップを乗せて再度チャレンジしましたが、火の色が明らかに燃料用アルコールを使っている時とは違って赤い火が出ることが多く、結果火の温度が上がらなかったので、燃料用アルコールの利用で水を沸騰させるだけの量ではかなり力不足が目立つという結果になりました。ですから、最初から安さ(500mlで約218円と燃料用アルコールの同量の330円と比べて安いことは安い)をメリットと感じて燃料として使おうと買うのはおすすめではないということです。

さらに、このエタノールは水で薄めてあると思うので、全てアルコールが燃え尽きた後に水分が少々残ります。アルコールストーブによっては、そうして残った水分を排出できないような構造になっているものもあるので、そうしたアルコールストーブでは使わない方がいいと思います。

ただ、こうした実験をして何とか自作アルコールストーブで燃やすことができることはわかったので、消毒用として持って行ったエタノールを、非常時の湯わかし用の燃料の代用として使うことは不可能ではありません。ただ、ここまで書いてきたように、アルコール燃料でないものを流用すると、本来の性能でアルコールストーブを使えませんので、あくまで緊急避難的に代用可能であるものだと覚えておくのは良いと思います。


カテゴリー: 車中泊のための道具考 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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