小銭の口座預け入れ手数料について考えることでスムーズな電子マネーへの移行へ繋がるのでは

昨日、ゴールデンウィーク終わりに地元のレストランのお弁当をテイクアウトしたのですが、全国チェーンのお店でなくても全てスマホからの予約で完結するようになっていました。今回私が試したのは、LINEのトーク機能を使っての予約方法で、これはこれで専用アプリをお店の種類ごとに増やさなくても良いということで、街の食堂でこうした予約方法が利用可能になるなら、かなり便利になるのではないかと思いました。

ただ、お弁当を受け取りに行った際、すでにお弁当を取りに来ている他のお客さんがいて、その人のためにお弁当受け取りの列が伸びてしまっていたことは残念でした。というのも、レジ前で細かいお金を時間を掛けて払っていた人たちは、代表して買いに来たのだろうと思うのですが、事前に一人一人から細かいお金をもらい、支払いをほぼそうして受け取った硬貨でしようとしているらしく、注文金額を確認した上でわずかな紙幣とともに大量の硬貨を数えるのに時間がかかり、さらにお店の人も受け取った硬貨を確認するのに時間がかかっていたのでした。

お店側では、厳密に言うと硬貨の総数20枚までしか受取義務はないと法律で決まっています。今回のケースも、お店側で断ればお客側もそこまで多くの硬貨を出せないのですが、お店側があえて拒否しない場合は問題ありません。この件について、国民生活センターのホームページには、対策として以下のような事が書いてありました。

「硬貨がたくさんたまってしまったら、銀行や郵便局に持って行き、いったん自分の口座に預貯金する形でまとめておくのも一つの方法です。」

未だにこんな対策をそのままの形で載せていることにはびっくりですが、もしその内容を受けて大量の硬貨を銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)に持って行き、自分の口座に預け入れた場合、現状ではかなりの手数料を銀行にもっていかれてしまいます。もはや銀行は、両替商のような事を善意でやるだけの経営的な体力は無くなっているということなのですが、今後、さらに硬貨の大量預入に手数料を取る事が知られるようになっていくとどうなるか、それはむしろ電子マネーの普及にも良い影響を与えないのではないでしょうか。

というのも、私の自宅でもそうですが、昔から使わずにためておいた小銭を今までそのままにしてしまっていわゆる「タンス預金」している人が少なからずいるのではないかと思います。特に1円とか5円とかの低額硬貨については、銀行口座にまとめて預け入れると逆に持ち出しになってしまうことになります。

今のところこうした硬貨の入金についての例外はないと思うので、現状では銀行によって異なる手数料を調べ、一日の入金枚数で多くの硬貨を無料で入金できるところへ行って、それを何回も繰り返すことでしか手数料を逃れる方法は考えられません。ただそれだと、個人のお宅は良いものの、募金や賽銭はどうなのか、今後は募金や賽銭も硬貨での受付は否定されるような世知辛い世の中になっていくのではないかということも考えられます。

今回、弁当のテイクアウトの支払いは電子マネーを使って一切紙幣も硬貨も出さないで支払いましたが、今後電子マネーが今のままの状況で主流な取り引きに使われるようになったら、お店の方でもお釣りとして大量の硬貨を用意する必要もなく、法律を持ち出して20枚を限度として硬貨を使えなくなるような事になると、多くの場所に硬貨の形で眠っているタンス預金は今後もずっと世に出ることなく世間に出回ることもなくなってしまうことが予想されます。

現金から電子マネーに今後の利用の流れを作りたいなら、どこかの銀行でもいいし、ショッピングセンターなどの場所を使ってもいいのですが、どこかが窓口になって大量の死蔵硬貨を手数料無料で電子マネーに交換するくらいのことをやった方が一気に状況は変わると思うのですが。大量のクーポンを撒くよりも、効果は絶大なような私には思えます。現在は携帯電話の大手キャリアが電子マネーの主導権を取ろうと様々な競争をしていますが、もしそうした中の一つが他社に先んじてそうした取組みを実行してくれれば、電子マネーの主導権争いにも変化が出るのではないでしょうか。少なくとも私は、そのようなサービスをしてくれるところがあれば、一気に家にある硬貨を電子マネーに変え、その後もその電子マネーをメインに使いたいと思います。


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小銭の口座預け入れ手数料について考えることでスムーズな電子マネーへの移行へ繋がるのでは」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    キャッシュレス派としては現金しか使えない店は使う機会が少ないのですが、どうしてここまで日本人は現金に固執する人が多いのか?
    金銭と言うものは抽象的概念ですが、日本人は抽象的概念認識能力が低い。頭の中で考える事が苦手な人が多い。だから現金と言う可視化したものに固執する。見えるものしか信じないと言うのは抽象的概念認識力が低いからです。
    現金特に硬貨を使いにくい社会にするしかない。金融機関のATMも今後更新されるつれて硬貨非対応のものになっていくと思います。お釣りが用意できない様にならない限り現金のみの店は無くならない。
    1,5円については硬貨としての強制通用力をなくすくらいの荒療治が必要でしょう。そうしないと分からないのが日本人と言う民族です。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございます。

    今回はからずも3Gの停波によるガラケーからスマホへの移行に合わせるように、硬貨入金の有料化が行なわれ、今まで全く無頓着だった人も今後どうしようか考えている時に、なぜ携帯キャリアが動き、多くの家の中で眠っている硬貨を電子マネーに移行することを進めることができないのか不思議に思います。

    シニア向けプランのコマーシャルを見ていると、最初の一年は千円そこそこでも、割引期間が終わると倍になるような割引プランをするなら、スマホへの移行とともに電子マネーの設定をやり、家にある硬貨を電子マネーに手数料無料で交換するようなキャンペーンの方が、キャリアもユーザーも両方メリットが有るような気がするのですが。ケータイオタクさんのおっしゃるように、日本人が現金しか信じないと言っても、普通に使えなくなるなら電子マネーに移行した方がよっぽど良いという風に考えを誘導しやすいと思うのですが、このままでは千載一遇の好機を逃し、後になればなるほど電子マネーを使わないことに固執する人への対応に時間がかかる気がしてなりません。それは、現金しか信じないユーザーが悪いところももちろんありますが、もう少しうまく誘導することができるのではないかと思うのですが。

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