ホームセンター・ナフコから出た「ヒートエクスチェンジャー付きアルミケトル」

キャンプブームはまだ衰える気配はなく、多くの業種を巻き込んでさらに面白いグッズが出てきています。今回のコロナ騒動が去り、人々が普通にレジャーを行なうようになってくれば、こうした傾向は変わってくると思いますが、今はビジネスチャンスとばかりに100円ショップをはじめとして多くのチェーン店がキャンプ用グッズを販売していますが、中には今回のブームがなければ決して出てこなかっただろうと思われるものもあります。

今回紹介するのは、ホームセンター・ナフコが出したキャンプグッズの一つ「ヒートエクスチェンジャー付きアルミケトル」です。丸形で注ぎ口が出っ張っていないので、これより一回り大きな丸型のクッカーに収納することができるキャンプ用としては普通のアルミケトルに、熱を外に逃さない構造を持ち、短時間・少ない燃料でも効率的にお湯をわかすことができる「ヒートエクスチェンジャー」が底面に付いているというのが最大のポイントです。

こうした構造を持つキャンプ用具としては、短時間でお湯を沸かすことに特化したモンベルで主に売っている「JETBOIL(ジェットボイル)」に使われていますが、単品のクッカーを店頭で見てはいるものの、ケトルの底に付いているというのは私が知る限り、ネットでは見るものの店舗で実際に見て買えるものとしては画期的のような感じです。

製品の内容を説明する前に、この製品についての注意を先に書いておくと、「ヒートエクスチェンジャー」構造は、熱を効率よく発生させる代わりに、一酸化炭素を発生させやすい事が大きなディメリットです。室内での使用だけでなく、家のガスコンロで使うことは絶対に止めて下さい。そうしないと気分が悪くなるだけでなく、最悪の場合死に至る可能性もあります。使い方の注意を守って野外専用として使えば、これから紹介するような素晴らしい面がありますので、そこだけはご注意下さい。

ナフコではこのケトルだけにとどまらず、ウッドストーブ各種やオイルランタン、メスティンなど豊富なラインナップが展開されていて、キャンプ用品を扱っている売場は、アウトドア専門店と思えるくらい充実していました。近くにナフコの店舗がある方は、ぜひ一度行って見てくると面白いです。ケトルの容量は1.1Lで価格は税込2,980円と、私の持っている真空断熱ボトルの中では一番の保温能力があるニトリの山用ボトル900mlの中味を満たすには、ベストな容量であることがまずは気に入りました。ただ、買ってから改めてネットで調べていたところ、以下リンクの安いケトルとほとんど同じではないか? と思ってちょっとへこんでしまいました(T_T)。

まあ、それはともかくとして実際に使ってみてその性能を見てみることにしました。最近はアウトドア用のストーブはアルコールストーブを使っているのですが、効率的に燃料を使うことにもこだわっています。実際に、ヒートエクスチェンジャーの部分について拡大してみました。

写真のように段になっていて、この内側のところに火を当てると、外側のヒートエクスチェンジャーの部分が熱せられて、底全体を温めて外に漏れ出る熱や火が少なくできるようなこうぞうになっているのがわかります。今回アルコールストーブを使うにあたって使った五徳は、ステンレスの板を組み立てて使うClikstandという、トランギアのアルコールストーブをそのまま差し込んで使え、ストームクッカーと同じ構造を持った五徳です。

三角形で底に穴が開いていることにより、効率的に空気を循環させることができ、それだけでも使えるのですが、この五徳の回りには専用の風防もセットでき、その中にまんまこのケトルが以下の写真のように入るのです。

ちなみに、五徳本体をケトルにセットする際、ちょうどヒートエクスチェンジャーの内側にハマるようになっているので、これだけでも良い組み合わせではないかと思います。今回湯沸かしをするにあたって、風はそれほど強くなく、外の気温も20℃くらいと、かなり状況的には良い中で、900mlの水をどれくらいの時間で沸かせるかを計ってみました。

ケトルを火に掛けている時、同じサイズのヒートエクスチェンジャー無しのケトルの場合、火が広がってケトルと風防の間から出てくる場合があり、エネルギーの無駄ということだけでなく、誤って手を近づけると火傷をしてしまう恐れもあったのですが、このケトルではそんな事はなく、火は底だけを熱するために使われている感じでした。静かに燃え、昼間は火も見えにくいアルコールであるので、本当に火が付いているのか? と疑ってしまったところもありました。しかしずっと火は燃えており、結果、14分26秒とそれなりに時間はかかったものの、今回使った小型のアルコールストーブは最大30mlしかアルコールが入らない中、燃料が尽きる前によく沸騰してくれたと正直思います。

ちなみに、今回使用したアルコールストーブは外気温が25℃くらいの室内で、20mlで15分(一合炊飯が自動でできる量)、25mlで17分、30mlで22分(二合炊飯にちょうど良い)くらいの性能のものなので、夏であれば900mlの水でも20mlで湧いてしまうかも知れないくらいの、かなり良い結果になりました。もっとも、実際の用途であれば、アルコールストーブの性質上、ストーブが冷めないうちに再点火すると爆発してしまう危険性があるので、このストーブに入る最大量の30mlを入れて湯沸かしした後は、別の調理や少なめの水を追加で沸かし、残った燃料を使い切るような事をするようになると思います。個人的には、一回沸騰させた後には、少し冷めつつある真空断熱ボトルの中味のお湯を沸かし直すようにして使えば、少ない燃料でかなりのお湯を得るために使えるようになると思うので、野外での湯沸かしの道具としてはこれで決まりかなという風に考えています。

通販で同じものと思われる製品が安く買えるということで、今となってはそこまではおすすめしにくいという事はあるものの、実際にお店でどんなものかを見て買えるという意味では、こうした製品はブームの恩恵を受けた品として、チェックしておくのも良いかと思います。ナフコのキャンプグッズには、アマゾンで売られている中華メーカーが安く売っているものと同じような雰囲気のものも結構あったので、実際にお店でその品に触れてみて、改めて通販に走るのも十分にありではないかと思います(^^)。

2022年4月18日追記

今回、30mlで900mlの水を沸騰させることができることがわかったので、日を改めて、アルコール燃料を半分の15mlにして、500mlの水は沸騰するかどうかというのを上記と同じ組み合わせで確かめてみました。

結論から言うと何とか沸騰させることができましたが、沸騰までには11分程度もかかってしまい、沸騰してしばらくしたらそのままアルコールストーブ内の燃料がなくなって自動消火という感じでした。確かに時間はかかったものの、工夫をすれば15mlのアルコールで500mlのお湯ができるというのは、かなり効率が良く、一人でカップ麺とコーヒーをいただくのには十分ではないかと思います。


カテゴリー: 車中泊のための道具考 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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