東日本大震災の後に起こった計画停電は、普通の生活をしている中では全くその足音も聞こえなかったものの、ロシアとウクライナとの間での戦争でエネルギー需要の状況が一気に変化した上に、東北で大きな地震が起きたことにより被災地近くでの火力発電所が運転を停止し、さらに天候が一気に変わり、太陽光発電からの電力供給が期待できず、その上で真冬並みの気温になったことで現実味を帯びてきました。
なかなかこれだけの悪い状況が重なるとは思えない中で、現実の事として電気は使えないものの家の中で温まるためには電気(エアコン)を使いたいと思う方は少なくないと思います。しかし、皆がそういう風に思って普段どおりの温度設定でエアコンを使い続けたとしたら、さらに最悪の状況をもたらしてしまうでしょう。思わぬ事がきっかけで広範囲での停電が起き、なかなか復旧できないような状況に陥ってしまう可能性も0ではありません。私の自宅は静岡県でも東京電力の管轄でなく、富士川より西にあるので中部電力の管轄ということで、今回の電力ひっ迫警報とは直接の関係はないものの、真剣に「暖房・冷房をどうするか?」ということについて考えることは大事だと思います。
たまたま昨日は祝日に出勤した代休のため自宅にいたのですが、家では昼間外から太陽光が入る部屋で過ごすことで照明にかかる電気は使わずに済むものの、問題は雨の影響もあり芯から冷えてくる冷気をどうやり過ごすかということでしょう。
これは、住んでいる地域によっても差は出てくると思います。私の住む静岡ではそれでも室内の温度は暖房を入れなくても窓を閉め切ることでだいたい20℃くらいをキープしていますので、厚着をすれば過ごせなくはないのですが、全身を厚着にはできないので、普段から使っている電気こたつの電気を入れずに一工夫しました。
といっても話はそれほど難しいものではありません。最近はあまり使っていなかった湯たんぽを引っぱり出してきて、それをこたつの中に入れて足を突っ込むと、時間が経っても湯たんぽは肌触りが良く、長く暖かさを保ち、上着を重ね着するだけで何とか過ごすことができました。ただこれは、氷点下の気温が続くような所では無理だと思うので、そうした地域にお住みの方は、電気を使わない灯油ストーブや、薪ストーブなどの燃料を燃やす系のストーブを使って電気を使わないようにすることで対処するしかありません。
また、体の中から温めるために湯たんぽに入れるお湯を作る時には、ふだんより多目のお湯を沸かし、それを真空断熱ボトルにストックしておくと、お茶やコーヒーを作って飲めますし、湯たんぽのお湯をつぎ足したりすることで、保温力の落ちた湯たんぽを復活させることも電力やガスの追加使用なしにできます。手がかじかむくらい冷たいような場合には手ぶくろにカイロを併用し、一昔前の冬の過ごし方を実践するというのも、十分にあるのではないかと考えます。さすがに普通の手袋だとキーボードが打てませんので、指が出るタイプの手袋を用意するなど、家の中で何をするかによって用意するものが増える場合もありますが、こうしたものをまとめておけば、計画停電の時だけでなく冬に大きな災害が起きた時にも使えますので、今回の状況になったことを機に、電気に依存しない暖房器具を入手してみるのも手でしょう。ちなみに、今回こたつの中に入れている湯たんぽは以下のリンクの商品になります。
これは、ウェットスーツの生地を使ったもので、タオルなどを巻かなくてもそのまま使えるようになっています。使わない時には小さくなるので、車中泊用にもかなり便利で、今回のようないざという時に活躍してくれます。他にも様々な種類がありますので、今後の購入も正直検討しているところです。
そして、今現在にはちょっとイメージしにくい夏の暑さを省エネで乗り切るというのは、エアコンを使った涼しさに慣れ切ってしまった私たちにはちょっと自信がありません。エアコンを使うことを前提にしつつも、暑さのピーク時のみに使うとか、設定温度を上げてサーキュレーター(DCモーター)と併用することで涼しい空気を循環させて使うぐらいで、エアコンを使わないことを前提にすると、水風呂に入って団扇で扇ぐといった、とたんに前時代的な貧乏くさいやり方になってしまうでしょう。
ただ、アイテムとしてDCモーターを使った扇風機やサーキュレーターはぜひ入手しておいて、日常的にエアコンの補助という感じで使っておくことをおすすめします。もし全面停電になっても、ACコンセントの付いたポータブルバッテリーを充電しておけば、しばらくは風を起こすことができますし、ポータブルバッテリーを太陽光パネルで充電することができれば、比較的長い時間停電になっても使うことができますので、家の中に風の通り道を使ってその中で使えば、外からの涼しい風を呼び込むことも可能かも知れません。どちらにしても、普通に電気が使えるという当り前の事ができない場合、相当大変なことにはなる事を考えながら生活をしていかないと、今後暖かくというより暑くなる気候の中で、絶望的にしかなりません。前述のウェットスーツ素材の湯たんぽは、冷水を入れると水枕としても使えたりしますので、スポーツ用に体を冷やす氷嚢なども用意しながら、電気のない場合での涼み方についても知恵を出していければと思っています。