auの「povo2.0」のお得な利用法を考える 通話専用SIMとして使えば最安で利用可?

2021年9月13日にauからの何らかの発表があるというニュースを聞いていて注目していましたが、それに先行する形でテレビのニュースでも発表されたのが、auと通信衛星の事業を行なうとされるアメリカの「スペースX」との提携についてのニュースでした。通信衛星を基地局にして通話および通信ができれば、地上に基地局を建設することが難しい山間部や海上でもエリア内になり、通信衛星が世界的規模で配置されれば、現地の通信を利用するのでなく、世界のどこにいても通信衛星からスマホが利用できるということにもなるので、その利便性は計り知れません。

こうした試みについては、先に楽天モバイルが構想としてぶち上げていましたが、ニュースで報じられた内容は2022年からサービスを開始するというかなり具体的なものでした。ただ、これが9月13日の発表内容ではなかったことは、多くの方が知っている通り、当初ドコモの「ahamo」対抗で発表したと思われる「povo」のグレードアップ版「povo2.0」(同年9月下旬からサービス開始)の発表でした。

povo2.0は基本料金プラン0円で、他の全てのサービスは自分でトッピングすることによって決まります。トッピングを全く付けないで0円でも180日程度の契約維持が可能ですが(180日以上有料トッピングを付けていない場合には契約解除になる場合があるとの記載あり)、これだと通話料金・SMS送信が別料金でデータ通信は最大128kbps(有料トッピングのデータ容量を使い切った場合の通信制限と同じですが、もしかしたらdonedoneのエントリープランと同じように数kbps~50kbpsになるかも?)待ち受けが主でたまにしか発信しない人、基本的には低速ではアプリを使ったデータ通信でも固まるくらいの速度なので実用的ではないとは思いますが、低速だけのデータ通信で問題ないと思われる方にとっては、楽天モバイルとの比較になるのではないかと思います。

エリアの面ではauの方が楽天より当然広く、先述の通信衛星によるエリア拡大が本格的に行なわれれば、恐らく同じ構想をしている楽天モバイルよりも安心して使えるのではないかと思います。そういう意味では、楽天にとってはサービスの根幹を突かれたようなものになっているので、今後楽天がどう動くかという事についても気になります。

ここでは、できるだけ安く「話し放題」の回線を用意したいという方のためのトッピング方法について考えてみることにします。というか、数多くのトッピングの中に「通話トッピング」も存在するので、ここではそのトッピング料金について紹介します。

・5分以内通話かけ放題 月額500円 (税込550円)
・通話かけ放題 月額1,500円 (税込1,650円)

何せ基本プランが0円なので、以上の月額でほぼ通話専用の電話(スマホ)が作れてしまうというわけです。ちなみに、5分以内通話かけ放題のトッピングを付けた場合、一回の通話が5分を超えた場合には30秒22円の通話料(基本プランの通話料と同じ)が追加でかかります。

スマホのアプリで時間をセットするとそのセットした時間(具体的には5分未満の時間をセットすると良いでしょう)で通話を強制切断するものを入れておくと、安心して月額550円で維持できる通話専用スマホが出来上がります。相変わらず0570から始まるナビダイヤルには通話定額に入りませんが、かけ放題でも月額1,650円というのは、毎月かなりの回数および長電話をする人にとっては、相当安いと思います。ちなみに、日本通信の「合理的かけほプラン」が税込2,728円(高速データ通信3GB付)なので、povo2.0の30日間3GBのデータ量トッピング税込990円と合わせると2,640円となり、それでも日本通信より安くなります。

これを受けて日本通信がどういう対抗策を出すのかというのも興味がありますので、私自身はとりあえずは現行の日本通信のプランは安易に乗り換えずに様子を見たいとは思うものの、かけ放題だけでデータ通信はいらないとか、5分定額でいいならpovo2.0は安くて通話品質も良いと思うので、スマホというよりもガラホに入れて使うというのがいいような気がします。通話トッピングを毎月利用している限り強制解約はありませんので、電話番号の維持を考えている方にとっても良い選択肢になるのではないでしょうか。

ただし気になるところもあります。発表会時の質疑応答で、通話トッピングの自動更新は可能なのか? という質問に、まだ検討中で基本は自分で毎月トッピングを更新する必要があるとの回答があったとの話です。自分で通話時間のコントロールが効かない、遠方の親のために通話専用のSIMとして考えている方は、自動更新の環境が整うまで契約を控えるようにしないと、通話定額のつもりで翌月のトッピングを忘れてしまった場合、30秒22円で長時間通話して膨大な通話料が請求される可能性がありますので、その点には十分注意しましょう。

個人的には先日契約して今持っている同じau系列のdonedoneでこうしたトッピングがあればいいなと思うのですが、今のところは具体的な動きは出ていません。povo2.0で24時間データ使用無制限のトッピングは税込330円ということですが、このくらいのトッピングは早く出して欲しいと思うのですが。ただ、今後donedoneのエントリープラン(基本料0円)が廃止ということになっても、乗り換えに最適な代替プランが出てきたということでもあり、とにかく安く自分に必要な契約を継続させたいという方には良い傾向ではないかと思います。

なお、今回のpovo2.0の発表により、以前のpovoの新規受付は終了となるそうです。毎月の高速データを使い切った後の制限が緩い(最大1Mbps)のが良かった方は、今後は同じauのサブブランドであるUQモバイルの方を契約してくれということになると思います。こうして利用パターンによって複数のブランドでサービスを提供するような形が定着してくると、弱小のMVNOにとってはさらに厳しくなりそうですが、上記で比較したように日本通信の通話セットプランは現状でも結構いい勝負をしており、私が契約している「合理的みんなのプラン」(無料通話70分・高速データ量6GB・通話時間超過時の通話料30秒11円で月額税込1,390円)はまだまだpovo2.0とは勝負できるプランになっています。ちなみに日本通信のキャリアはDocomoなので、その点も今後povo2.0の契約を通話中心用で考える際には比較すべきだとは思います。


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auの「povo2.0」のお得な利用法を考える 通話専用SIMとして使えば最安で利用可?」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    トッピングの自動更新可能は期待したいですね。データ通信に関してもデータ量を使い切ったら自動で更新されるようになれば5G程度の利用者も満足出来ると思います。
    通話専用としても良いですが、ネットで更新できないとこれまた困りますね。
    1か月でなく30日単位と言うのも面倒ですね。細かく言えば更新のタイミングはどうなるか。
    ただこれでも固定電話に固執する人はおろかと言うか馬鹿と言うか、不合理極まりないですね。
    通話料込みで1,650円なら固定電話の存在価値はなくなった。
    通話トッピングでも180日365日と言うパターンがあればいいのですが。
    ドコモがどう対抗するか。低価格帯の無いドコモは苦しくはなると思います。10GB2,000円程度でも面白いとは思うのですが。
    あるいは税込み2,700円に値下げか。対抗策を期待したいですね。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    記事の中でも触れましたが、auが2022年開始予定という通信衛星を使ったエリア拡大の試みが成功すれば、ドコモも今までのように人口カバー率の面での優位性を誇ることはできなくなります。通信専用とは言っても最低限のデータ通信(最大128kbps)はありますので、メール(プラスメッセージやLINE)での利用くらいできれば、金額的にも十分満足してかけ放題のみトッピングで使うのはありだと思います。

    個人的にもとりあえず使ってみようとは考えているので、基本の内容でのネットがどこまで使えるかというような事については調べてみたいと思っています。

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