国民に不安感を与えることが「詐欺」の格好の標的をあぶり出す ワクチン接種メールが来たら注意したいこと

前回、SMS(電話番号から電話番号に送れるショートメール)を悪用して、あたかも不在荷物の配達を装ったスマホ乗っ取りのメールについて紹介しましたが、ここ数日の新型コロナウイルス対応のワクチン接種について、ここまであまりにも供給量が少なく、さらには専用サイトの相次ぐシステムトラブルで利用ができない中で、早く打ちたいと思っている対象者の多さによる混乱を見ると、新たな詐欺メールが発生する予感がしてなりません。以下の内容はあくまで私が考えたストーリーであることを最初にお断りした上で、もしこんなメールが来たらどうなるかを考えてみて下さい。

とあるワクチン接種対応の年代の方(接種券はすでに到着している前提で)の元に一通のSMSが届いたとします。内容には以下のような事が書いてあったとしたらどうなるでしょうか。

「新型コロナウイルスのワクチンの予約については、電話が繋がりにくく、ブラウザからもなかなか接続できないいため、予約専用のアプリをご用意しました。以下のリンクをクリックして専用ワクチン予約アプリをダウンロード・インストールした上でアプリを開き、必要事項を入力した上でご希望の日時などをアプリからお手続き下さい」

この方法だと、もしすでに接種券が届いていてまだ接種の予約をしていない人が受け取った場合、SMSにあるリンクをクリックして、アプリの導入に行ってしまいかねません。Androidを狙う場合はアプリをインストールさせればそのアプリがスマホ内の情報を抜けるのでそこで終了ですが、アプリのインストールができないガラケーや、iPhone利用の人からも情報を抜くために、もう一段の仕掛けを打ってある可能性もあります。

リンクしたサイトにダウンロードボタンをクリックしてもアプリがインストールできない場合のさらなるリンクをサイトに作っていて、さらに進むとメールフォームのようなものが用意されており、そこに必要事項を入力して連絡を待つように指示があった場合、多くはないとは思いますが、わざわざ自分から大切なクレジットカードなどの個人情報を悪意ある人たちのところまで送り、その結果自分の口座内の電子マネーやクレジットカードを使わてしまったり、ひどい場合にはアップルのパスワードまでハッキングされてしまうとか、何を入力するかにもよりますが、アプリをインストールしなくても被害を受ける可能性があります。

こうしたあまり良くない想像をなぜするかと言うと、まだウイルスのワクチンを打っていない人にとっては何としても早く打ちたいと考えてなりふり構わない事をする人が少なからずいるからです。どれほど地域に貢献していた人であっても、いやだからこそ、ワクチン打つ順番を優先させることはできないと思った方がいいでしょう。今後、そんな状況の中でなかなかワクチンが打てずに日時だけが過ぎて行くようだと、この不安状況をうまく利用して利益を挙げようとする良くない輩が出してくる詐欺メールにひっかかる人の数も多くなっていくのではないでしょうか。

詐欺被害を避けるためには、想像力を働かせて感情のおもむくままに発信元の良くわからないメールに対応しないことも大切ではありますが、早く社会全体に広まりつつあるワクチンを打てないという状況を変えていくべく関係者の方々に頑張ってもらうことも大切なのではないでしょうか。今後、情報が錯綜して本当でないサイトから予約手続きをしようとして情報を抜かれないためにも、きちんと情報の出所を確認しながら、手続きを行なうとともに、「ここだけのおいしい話」に惑わされないような心の持ちようも大切になってくるのかも知れません。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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