総務省がLINEの使用を禁止することの意味 代替サービスでも心配される個人情報流出問題

採用活動や意見募集など、公の機関でも使われていて、直接電話で話すことが苦手な人に対してトークへの誘導もされていたコミュニケーションアプリのLINEに逆風が吹いています。以前からそのレキュリティに疑問を持ちながら使っていたような所のあったアプリなのですが、国外への情報漏えいの可能性が指摘され、今後は総務省が利用を中止することになり、この流れが全国の地方自治体にも波及する可能性が考えられます。

特に今回はLINEの個人情報が、中国の関連会社で閲覧可能な状態になっていたということから、国の政策が他国に筒抜けになることを恐れた対応であるので、問い合わせ先としての利用だけでなく、国家公務員が私的に利用することを良しとしない風潮が広がることが考えられます。ただ、東京オリンピックの開・閉会式の演出上の打ち合わせの中で人権上問題のあるプランを出した人がいたことが問題になったのが週刊文春が入手したLINEの書き込みであったことを考えると、韓国や中国がというよりも、あまりにも多くの人が当り前に私的な事から公的な事まで使えるアプリになっているLINEという存在について、良く思っていない人がいることも確かでしょう。

この流れというのは、今までメールや電話の代わりに利用できていた公的機関の連絡手段を切ってしまうという結果になるわけですが、そうなった場合に代替のサービスはどうするのかというのが気になります。LINEの問い合わせ窓口があれば、少なくとも格安SIMの一番安いプランしか契約していない人でも(究極的にはデータ通信限定の安いプランでも)、連絡手段として利用できていたのですが、今後行政への問い合わせ口として残るのが、世代によってはあまり使われていない電子メールや、NTTコミュニケーションズの0570から始まるナビダイヤルが主になってしまうということになると、積極的に行政への問い合わせが利用されなくなり、そうした問い合わせが出来る人と出来ない人との格差が広がってしまう可能性も出てきます。

そうは言っても国が主導するスマホアプリということを考えてみるに、満足に機能を発揮できていない厚生労働省が普及を呼び掛けた新型コロナウイルス対策のために作った「cocoa」アプリのようなものになっても困ります。LINEのようなサービスが国内で開発され運用されたとしても、そこでの情報が海外に流出する危険性は常にあるわけで、要はあくまで使い分けの問題ではないかと思われます。LINEはあくまで友人らとのコミュニケーションツールであって、海外に流出するとまずいような内容をそこで扱わずに、相談側がLINEで連絡をしたら折返しメールや電話で行政側が連絡するような形を取るのが現状ではベターな気がするのです。

こうしたニュースを聞いてさらに思うのは、大手キャリアが普及させようとしているものの全く普及していない状況の「+メッセージ」はいまだに全てのスマホユーザーに利用が開放されていないということです。auのpovoやドコモのahamoでは使えるようですが、楽天やMVNOのユーザーは最初から蚊帳の外です。さらにアプリ利用者同士の無料通話についても実装されないなど、LINEの使い勝手と比べるとかなり劣ります。逆にLINEについてはiijmioやmineo、そしてRakuten UN-LIMITでもLINEの年齢認証が可能になるなど、ますます多くの人が使えるような変更ができているというのに、その点では大変不満です。個人的には+メッセージは使えるなら一度使ってみたいですが、今後LINEの代替アプリにする気があるのなら、もう少し間口を広げるとともに、便利な機能の実装が必要でしょう。

もちろん、LINEの情報漏えいを起こす体制というのは批判されるべきものなのですが、大手の新プランから言うとSoftbankのLINEMOは、スタート時点からその売りであるLINEの利用について政府から釘を差されるような格好になり、ここのところNTTと総務省との関係がずぶずぶなのではないか? という疑念がある中で、国内での通信サービスを総務省はどう変えたいのか? という点がちょっとわかりかねる部分があります。

この問題を総務省が本当に真剣に考えているのなら、少なくともすぐに「+メッセージ」アプリをどの通信業者でも使えるようにし、ゆくゆくはLINEの代替アプリとして利用されるくらいに機能を強化することが必要だと思います。そもそもインターネットの世界では国境は簡単に超えられるので、本当に知られたくない話はスマホを使わずに行なうことを個人としては徹底したいと思っています。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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2 thoughts on “総務省がLINEの使用を禁止することの意味 代替サービスでも心配される個人情報流出問題

  1. ケータイオタク

    SNSに対する法整備の不備が明確になりましたね。むしろLineにとってはコミュニケーションアプリとしての地位を確固たるものにする千載一遇のチャンスにもなりえると思います。
    官民挙げての欠陥の追及になるでしょうが、それを是正していけば良い事です。法整備も進み、法令に準拠してシステムの欠陥を是正する。
    ほかにも顕在化していない欠陥があるかもしれないがこの際一挙に是正すれば追随を許さないアプリを提供出来る様になる可能性がある。
    ピンチをチャージ出来る様にLineには頑張ってもらいたいものです。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございます。

    多くの人に使用されるアプリは必然的にハッカーの標的になりますし、現在の日本の企業オンリーではユーザーの希望を満たすだけのアプリを作れないのではないかというのがLINEの現状ではないかと思っています。楽天LINKについても同じような問題がありますので、非ドコモのチームには個人的にはきちんと結果を出し続けていただきたいと思っています。今後もし現政権の庇護のもとで純国産のメッセージアプリが作られたとしても、厚生労働省のcocoaのように、そもそも評価すらできないものになってしまうなら、今あるものをより良くするために考えた方がいいと思います。もちろん、本文で書いたように+メッセージの進化を目指してもいいと思うのですが、単なる批判ではなく、きちんとした代替アプリを文句を言う方々はまずは出して欲しいものです。

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