日本国内の固定電話や公衆電話のネットワークが通信会社の重荷になりつつあるようです。景気のよい携帯電話の新プランの話で持ち切りな時期に、ひっそりと流れてきたのが、2021年6月に全国の新幹線に設置されている公衆電話サービスが終了するというニュースでした。
少し前には、トンネル内では携帯電話が使えないので、運行のトラブルでトンネル内で新幹線が長時間停まってしまった場合、公衆電話が携帯が使えない場合の唯一の外への通信手段であったようなケースも聞いていますが、最近ではトンネル内でも携帯電話での通信が可能になったこともあり、利用者が少なくなったことで採算ラインに届かない車内公衆電話を止めるのも当然のなりゆきではないかと思われます。
しかしながら、実際に新幹線車設備内での唯一の外への通信手段が無くなるということは、いったん新幹線に乗車した場合には、他の乗客の方が絡むような重要な事でない限りは自分で外への通信手段を確保しておく必要があります。
私の場合はメインの通話にはガラホ(フィーチャーフォン)、通話と通信にスマホというように分けていて、旅先での情報収集は主にスマホで行なっていて、スマホの使い過ぎで電池切れ寸前になってしまったとしても、ガラホを使っての簡単なネット接続と通話については十分できるようになっており、通話とデータ通信を一つのスマホにまとめない事の一つの理由となっています。
さらに、現在は普通に出掛ける時にも10000mAクラスのモバイルバッテリーを持って出掛けているので、ガラホを使いながらスマホを充電することで災害時や新幹線が立ち往生したような状況でも何とか必要な時に外との連絡をしばらくは取ることはできるような準備はしています。そこまでは、新幹線を利用する際のスマホ関連の半ば常識ではないかと思っているのですが、今回のニュースを受けて個人的に考えてみたい事があります。
というのも、新幹線の乗客の方はほとんど携帯電話を持っているとは思うのですが、中には持っていない人が急に外との連絡が必要になったり、列車が立ち往生するような中でモバイルバッテリーやACアダプターとケーブル類(コンセント付き車両の場合)の用意がなく電池切れで連絡ができなくなるような事も起こり得ます。今まではそのような状況に備える意味で公衆電話が設置されていたと思うのですが、それが無くなってしまうということになると、やはり何とかするような方法を考えてみたいと思います。
コンセントが使える車両なら、コンセントから複数のUSB出力を利用できるタップと充電用ケーブルを使わせてあげるという方法もあるのですが、まだ全ての車両で自由に充電ができるわけではありません。私はメインのガラケーも、サブのスマホでも電話については時間無制限の話し放題(前者は日本通信の「合理的かけほプラン」、後者は楽天モバイルの「楽天LINK」による)を使えるようにしているので、外と連絡できずに困っている人がいた場合、通話時間を気にせずにと気楽に自分の電話を使ってもらうこともできます。
さすがにメインの電話番号からだとその番号が全く知らない相手に知られたら怖いのでそちらは貸さないと思いますが、楽天LINKからのかけ放題なら、もし電話を掛けさせることでその後何らかのトラブルに巻き込まれたとしても、こちらの番号の方は変えて困るようなものではないので、いったん楽天モバイルの回線を解約して契約し直すこともできるので、そこまでのリスクはないと考えています。現在、スマホにはUQモバイルのSIMをデータ通信用として入れているので、トンネルの中で新幹線が止まったとしてもデータ通信はちゃんとできると思うので(auエリアなら通常使用OK)、通話品質についてもそこまで心配はしていません。
さすがに新幹線が普通に動いている時には、周りの乗客が外と連絡できずに困っていても、いよいよという場合は次の駅でホームに降りてそこから公衆電話を使えばいいと思うので、そこまでして自分のスマホを貸そうとは思いませんが、新幹線が止まっていつ復旧するかわからない状況であれば話は別です。本当に緊急状態の場合にはさすがに車掌さんを通してJRの方の無線で連絡するでしょうが、そこまでではないものの外に連絡できずに困っている人がいたら、こちらから電話を貸す話をしてみようと思っています。
最近は、列車で隣り合わせた人との交流というのは、旅行に出ていても萎縮してしまう部分があり、過去に旅先で意気投合した人と一緒に観光したという話はもはやかなり遠い昔の話になりつつあります。しかし、時代が変わったとはいえ、旅先で困った人を見掛けたら、相手がその申し出を受けてくれるのであれば、こちらの方ではその時の自分にできる事の一つとして、無制限に通話できる電話を貸してあげるという事は、新幹線の公衆電話サービスが無くなってしまう事を受けて自分なりのできることとして考えておこうと思いました。