データ通信中心のMVNOの今後をSoftbankとFUJI Wifiの事例から考える 大手キャリアの方針とMVNOの方針が重なったら露骨に消しに行く方向性は有りなのか?

2021年3月に入りNTTがらみの話以外にも大きな流れがありました。このブログでも少し紹介させていただいたことがあるかも知れませんが、主にSoftbank回線を借りてデータ通信専用のSIMおよびモバイルルーターとのセットを安く安定したスピードで提供していたFUJI Wifiが、2021年5月よりそれまで回線を借りていたSoftbankから回線使用料の大幅な値上げを要請されたということで、この条件を受け入れた場合、従来のような料金体系ではサービスを続けることができないので、月100GBプランなど一部ユーザーに利用停止になるかも知れないというアナウンスを出しました。詳しくは以下のLinkの内容をご覧下さい。

2021年5月ソフトバンク回線の一部の利用者におけるサービス停止の可能性について

 

Softbankは同時に、FUJI Wifiが電気通信事業における代理店届出を行なっていないことを理由に、同社との全ての契約を2021年3月31日を以って解除する申出をしたこともアナウンスしていますが、こうした事実はなく単にSoftbankの事実誤認ということですが、かなりなりふり構わない行動をしている感じです。こうした内容を見ただけでも、Softbank本体がいわゆる「データ通信無制限」を今後売りにした営業活動に力を入れていく中で、直接の競争相手を蹴落とすような事をしているように思えてしまいます。そして、そのためにルールを無視して自社回線を借りて同様のサービスを提供しているMVNOを潰すような行動に出ることは、ユーザーのSoftbankに対する心象を悪くするような行動ではないかと思います。

私自身はSoftbank系列の契約は現在していませんが、今までは何となく「ドコモ」「au」「Softbank」「楽天」の回線を持つことでいざという時にはどれかがつながるから安くても一本ずつ持っておこうかなと考えたことがありましたが、今回のようなあからさまなMVNO潰しに出てくるようなところだと、Softbank本家かYmobile、LINEMO以外のSoftbank回線を提供しているMVNOについてもこの先どうなるかわからない不安が出てきます。FUJI WifiはSoftbankとさらなる話し合いを持つなどして急な料金値上げを撤回したいとはアナウンスしているものの、本来こうした時に出てくるべき総務省が出てこれない状況になってしまっているのは、オリンピックと同じでユーザー(オリンピックの場合は出場選手など当事者)はないがしろにされたまま政治のパワーゲームの中で色々な事が決まっていってしまうような気がして、実にいやな気分がします。

もしこのまま、FUJI WifiがSoftbank回線を利用したプランの提供を続けられなくなったり、そもそも経営自体が立ち行かなくなった場合、まさに大手企業の下請けいじめのような状況が放置されたものと受け取らざるを得ません。現在批判の矢面に立っている総務省は、しっかりとこの状況について対応して欲しいものですが。なお、今後もこの件については変化があれば紹介していく予定です。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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