家から出ずに連絡を取るために有難い「通話定額」 社会や企業もその流れに乗る必要性はないのか

首都圏における緊急事態宣言は延長され、日本国内でも不要不急の外出はしないようにということが広く行政やマスコミを通じて伝えられています。さらに、仕事においてもテレワークが推奨されているのですが、テレワーク自体が無理な業種については仕方ないにしても、社会全体で、今までは外出することでしかできない事も自宅内でできるなら、自宅でできるようにする取り組みが、感染症対策として大事なのではないかと思います。

これは仕事ということだけには限定することでもなく、日常生活においても、例えば日々の買い物をネットスーパーからの注文に置き換えるなどの取り組みがありますが、通信手段というのは何もインターネットだけでは有りません。それなりにインターネットを使いこなしている人でも、安定した品質で長時間のコミュニケーションに耐えうるインフラとしては歴史のある電話(固定・携帯とも)があります。会議に自宅から参加するためには安定したインターネット環境が必要ではありますが、個別の打ち合わせや取り引き先との商談といった公開を前提としないコミュニケーションについては、現状であれば電話での話し合いや問い合わせでも良いだろうと思います。

そんな中で、データ通信量の需要が大きくなったからという側面があったにせよ、音声通信のかけ放題が携帯電話において安く提供されていることは利用者にとっては有難い傾向だと思います。過去には掛け手と受け手が同じサービスに入っていないと無料通話ができないということもありましたが、今では通信会社の垣根を超えて無料通話を無制限でできるかけ放題オプションも携帯電話では安く提供されているので、仕事で利用するだけでなく、家族や友人との連絡を密に取りたいとか、企業や役所、そして病院へ行けないが電話で話をしたいという一般ユーザーにとっては実に有難い環境が整っています。

そう考えると、自宅中心の生活をサポートするためにはできれば5分・10分という限定されたかけ放題ではなく、無制限のかけ放題を活用することが今まで外出することでしか実現できなかった事を自宅内で済まし、感染症を広げないための鍵だと思っているのですが、問題となるのが前回も紹介したかけ放題にならないナビダイヤルの存在や、具体的な相談内容についてどこに掛ければ良いのかわかりずらい事ではないかと思います。

昨日のブログの続きになってしまいますが、あれだけ政府が「携帯電話の料金が高すぎる」と国民にアピールし、さらに「不要不急の外出はしないで自宅で過ごしましょう」と訴えているのに、感染症関連の相談や、荷物集荷の問い合わせがかけ放題オプションを付けていても有料だったということになると、ナビダイヤルが無料ではないとわかっている人は、どうしてもナビダイヤル以外の連絡先を見付けられなかった場合、直接相談やサービス利用のため外出せざるを得ない事になってしまいます。

このような状況というのはもう、個人では変えることはできない事なので、社会としてできるだけ多くの人が外出をしないでもインターネットおよび電話で済ませ、さらには余分な費用負担をしなくても済むようになるように、関係各所に働き掛けをしていただくとともに、その連絡先をわかりやすく告知するような工夫をしていただき、家にいても外へ用意をしに行くのと同じような事が電話でできるように、誘導していくことが大切なのではないかと思うわけです。

こうした取り組みというのは、そこまで莫大なお金がかかるわけではなく、多くの通信事業者との話し合いの中で、まずは今より安くかけ放題を契約する人が増えるよう、インターネットの高速クーポンは20GBでなくて1GB程度の少ないものでも、代わりに音声通話(IP電話・プレフィックスタイプの通話アプリによる発信も含む)を無制限で現在よりも安い料金で提供するように働きかける事ができればと思います。同時に今まで0570でしか問い合わせ先を出していない企業に対しては、固定電話でも050から始まるIP電話でも、とにかくかけ放題オプションの範囲内で利用できる番号を案内してくれるように、役所や病院、企業にお願いし、電話対応の職員が足りなければその点にはきっちりと公的な予算を付けて、安心して多くの人が電話やメールによる問い合わせができるように支援するような事です。

そうすれば、本当に不要不急での外出は必要なく、多くの事がネットおよび電話で済んでしまうような環境に近づくことになります。ワクチンの急な輸入は難しいとしても、国内の調整だけで外出する理由のいくつかを抑えられるような事は今すぐにでもできるのではないかと思うのですが、できないとなると本当は本気で感染症を撲滅する気がないのではないか? とすら思えてしまう事にもなりかねません。

さらに言うと、通話の品質という点では、携帯電話の音声通話よりも劣ると言われているLINE電話のようなものでも、格安SIMのデータ通信利用でも無料で利用できるという点では有効であり、さらに高速通信を使い切った低速制限時でもそこまで劣化するようなものではないという点もあります。LINE電話の場合にはLINEアプリを導入している人は相当多いので、多少音質は悪くても連絡手段の一つとしては考えてもいいのかなと思います。

そこで、企業や役所が一連の連絡先・問い合わせ先の中にそうしたネットのデータ通信を利用したLINE電話用の連絡先を電話番号やメールアドレスに加えて用意するというのも、最安値でスマホを持たざるを得ない生活困窮者の立場に立てば十分に有りだと思うのですが。何しろ、今の状況というのは相談先の窓口は開かれてはいるものの、その窓口の向こうにいる種々な人たちがどんな大変な思いをしているのかという想像力が足りていないような気がしてならないのです。感染症の脅威から多くの人たちの命を守るためにも、できることから行なっていってもらいたいものです。


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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