サッカーの「ロングスロー」についての議論について

テレビで全国高校サッカー選手権を楽しんで見ています。高校生世代では必ずしも高校の部活は最強ではありませんが、代表になるためには多くの方法があり、さらに全国の高校が競うということで、家に引きこもっている状況ではそれなりに楽しめます。

そんな中、ボールがサイドラインを割った時にフィールドにボールを入れるためにリスタートする「スローイン」について、ネット上で様々な意見が出ているようです。今回ベスト4に残ったチームはそれなりに戦術として使っているのですが、味方にパスするように軽く投げ入れるのではなく、助走をたっぷりとって、コーナーキックばりに長いボールを入れるいわゆる「ロングスロー」を繰り返す戦術に「見ていて面白くない」というような批判があるのですが、それは今年だけではないものの、かなり長い間そうした批判はされてきました。

まず、「ロングスロー」は肩が強い選手がいなければ無理ですが、単に一芸に秀でているだけでは高校選手権で試合に出してもらえるだけのレベルには達せず、ロングスローのできる選手が穴になってしまっては困りますので、足元のプレーとロングスローを強豪校は鍛えていると思われます。この辺は考え方の違いもあるので、ロングスローをしないチームの方が良いということでは決してありません。もし、ロングスローができて、プレーの質も高い選手が代表に入ったとしたら、ワールドカップのどうしても負けられない一戦で、味方のチャンスを増やすために重宝されるでしょう。常に出場しなくても、負けていて追い付きたい場合には、背の高い選手とセットで使えば、得点する可能性は高まると思います。

こうした場合と同様に、今の高校選手権は同点で終了ならすぐにPK戦になるという、いくら攻撃に自信があるチームでもガチガチに守られた場合、0対0のままPK戦になってトーナメント敗戦になる可能性があります。私の地元から出場した藤枝明成高校もPK戦で涙をのみ、どうやって相手の固い守備をこじ開けるのかという点は考えていたと思います。

ただ、全国大会優勝のみを目標に高校サッカーを行なっていない高校もあります。昨年大会優勝を果たした静岡学園高校は個人技の練習を徹底的にやることに定評があり、前回はたまたま優勝したものの、他の高校がロングスローを多用して敗れる可能性もありました。高校でサッカーを終えないで、プロに行ったりアマチュアの強豪チームでステップアップを目指すために、個人技を鍛えるのが一つの方法として昨年は注目されたわけですが、やはり大会に出るためには優勝したいものです。ロングスローを多用する戦術はそうした「チャンスの創出」を作り出せる戦術なので、批判されるものではないでしょう。

高校世代でも今回のトーナメントの他に、全国のクラブチームと高校チームが参加するリーグ戦があり、負けたら全てが終わってしまうというところではない中で、同世代で一番強いチームが選ばれています。

青森山田高校はリーグ戦でもトーナメントでも同世前トップの位置をキープしており、その中で得点機会を増やすための「ロングスロー」があります。個人的には、ぜひロングスローができてフィールドでのプレーも素晴らしい選手が代表に入れるくらいのレベルに行ってほしいですし、そうなれば実力だけではなかなか勝ち抜けないサッカーワールドカップでも「隠し玉の飛び道具」として大物食いの起爆剤になってくれるのではないかという感じもあります。

ただし、国内でも代表に選ばれるには単にロングスローができるだけではだめなので、今回の大会で目立った活躍をしたロングスローを投げる選手が今後どのような活躍をしていくのかを楽しみに見ていくのがいいのではないでしょうか。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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