竜巻に対処する方法はあるか

 関東近郊で大きな被害を出した竜巻のニュースは、今までそれほど考えなくても良かった危険というものを私たちに改めて気付かせてくれました。被害に遭われた方々には本当にお気の毒だとしか言うことができませんが、同じような被害を避けるためにどうすればいいのかというのは、まさに地震と同じような難しさがあります。

 竜巻の被害が頻発するアメリカでは自宅の地下にシェルターを用意しているところもあるようですが、日本ではいつ来るかわからないのにそうしたものを作って意味があるのかという点であまり現実的ではないような気がします。台風のように準備する時間があれば逃げようもあると思いますが、竜巻は発生するところから予想するのが難しく、今後の天候の不安定さとともに心配されている方も少なからずいらっしゃることでしょう。

 予報が難しいと言われている竜巻ですが、一応地方自治体の防災無線によって注意情報が出ているところがあります。ちなみに私の住んでいる市町村でも県内全般での予報というかなりざっくりしたものですが、何時何分まで有効という形での防災メールが携帯電話向けに配信されています。何度メールが来ても竜巻が来ないという状況に今はありますが、大震災の津波だって予報通りに津波がやってこないというのは同じです。ご自宅周辺の対策としては、お住まいの市町村で同様のサービスが行なわれているか確認し、竜巻注意情報が出た時点で速やかに自宅や近くの建物の中に入り、家族への連絡をしっかりするなど一応の対策は打てます。特に回りに高い建物がない場所に住まわれている場合は、いざという時のために自宅の中にガラスの破片が飛び散らないなどの安全な部屋を作り、そこでじっとしているのが一番でしょう。つくぱの場合のように、自宅が基礎部分から飛ばされてしまうような強い竜巻に襲われたらどうしようもありませんが、こればかりは人間が太刀打ちできないので、今できる選択肢の中で最良の選択をするしかないでしょう。

 そして、車で旅をしていて不安定な天候に遭遇した場合はさらにやっかいです。緊急地震速報のように、日本中どこにしても現地周辺で速報が出たらメールで知らせてくれるようなサービスは存在せず、周辺に竜巻注意情報が出ていたとしても移動中ではなかなか把握することは困難です。雷の場合は車の中にいれば車を直撃されたとしても生命は安全という事らしいですが、竜巻の場合は車ごと飛ばされてしまいますからとにかく逃げなくてはなりません。まだ昼なら目で確認することはできますが、空の様子を確認しにくい夜には実際にどこへ逃げるかということもわからないという状況になってしまうことが予想されます。

 移動中に竜巻に関する情報を入手するには、インターネットを使って気象レーダーの画像を入手するのが直感的に判断できるのでいいですが、視覚や聴覚をフルに使って今自分のいるところがどうなのかということをまずは確認しましょう。その上でネットを使ってレーダーを見ることができれば、当日車中泊をする場所の選定の目安になります。できればいざという時に車中泊場所に隣接する大きな建物があれば、そこに逃げ込めるような事ができればありがたいですが、身の危険を感じたら車中泊そのものを中止し、晴れている地域まで移動するという選択肢も考えておきましょう。

 またこれは日中から夕方までに限られる対策かも知れませんが、その地方で放送されている民放のAMラジオ局を聞きながら移動することも意外と大事だったりします。東京の放送をそのままねっとするような編成ではしょうがありませんが、地方局制作の生ワイド番組が放送されていたらそこで何か天候の急変があればいち早く情報として流れる可能性が大きいからです。その際、地域名がどこだかわからないということがないように、簡単なものでいいですからその地方のどこがどの地域かわかる程度の地図を持っていると便利でしょう。下手をすると、危険な地域に向かって突き進んでしまう危険性もありますので、前日の天気予報で大気が不安定だというような予報があった場合は、当日の情報収集は綿密に行なうことがトラブルを未然に防ぎます。旅の思い出を楽しいものにするためにも、できることはしっかりやりながらご自身の安全を確保するようにしたいものですね。


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