先日、リチウムの代わりにナトリウムを使った充電池の研究について紹介したばかりですが、今度は大阪大学の研究チームが別の方法でレアメタルを使わずに大容量の充電池を実用化するための開発に成功したという話が入ってきました。
有機分子「トリオキソトリアンギュレン(TOT)」を使用しての電池だという事ですが、携帯電話やスマートフォン用に使えるだけの安全性が保てるのかなどまだ実用化に向けてのハードルは越えなければならない所は多いと思いますが、これら新技術で家庭用の電気が賄えるだけの大容量の充電池が安価に提供されるようになれば、日本だけでなく世界のためにもなるでしょう。
ナトリウムやTOTを使った電池は、まさにリチウムイオン電池に代わるものとしてという事で期待されていますが、これらは従来の電池のように満充電に時間がかかります。家庭用としては夜間電力を蓄電し、昼間に使うのに最適な電池となるでしょう。当然、電気自動車やハイブリッドカーの電源としても期待の技術であると言えます。
そして蓄電池の技術としてもう一つのキャパシタを以前紹介した事がありましたが、もしこれの大容量化が可能になれば、太陽光や風力で作った電気を効率よく貯めるのに適していると言えそうです。車中泊カーにはサブバッテリーの代わりに大容量のキャパシタを積んだ方が少し走っただけでも早く満充電にすることができるでしょうし、車の屋根に太陽電池を仕込んでもそれなりに車内で使う電力分くらいを貯められるかも知れません。ただ現状では電気自動車にキャパシタを使った場合は、長距離の走行をカバーするには足りないとのことなので、将来の電気自動車には普通の電池とキャパシタの双方を載せるようになるでしょう。
そう考えると、今電気自動車やハイブリッドカーを購入するのは、あくまでそうした究極の電池を搭載するまでのつなぎに過ぎないという事も言えそうです。でも新しい大容量電池が実現されたら、今の車にも載せ替えることのできる互換性だけは確保してほしいと思います。ハイブリッドカーの発売当初から今まで電池を利用した車を購入し、乗ってくれた人がいるからこそ電池の技術が進歩するわけですし、メーカーにはその点だけはきっちりとお願いしたいものです。