小型二次電池の安全性は大丈夫なのか?

 このブログでは以前から電気自動車を安くしたり、家での電力をまかなうものとして、高容量の蓄電池の開発状況について継続的に追いかけてきました。電池メーカーと電力会社は高容量の二次電池を利用している状況もあるということで、あえて発電所を増やさなくても蓄電した電気を使うことで電力不足を解消する取り組みもされているということでした。

 しかしながら、2011年9月21日に三菱マテリアル筑波で発生した二次電池のナトリウム硫黄電池(以下NAS電池と書きます)から発火した火災事故がこうした蓄電池を設置するという動きにブレーキをかけようとしています。事故を起こしたのは日本碍子が納入したもので、鎮火には15日もかかっています。WikipediaによるとこのNAS電池というものはは常温では動作せず、300℃ぐらいまで温度を上げないと動作しないため、電池管理が大変で、にわかには消火できないということになると今後むやみに設置しまくるためにはさらなる安全対策が必要になる可能性があります。こうした流れを受けて日本碍子は安全対策のため、稼動しているNAS電池の使用停止を要請したというのがニュースになっていました。

 NSA電池は、今まで紹介している電気自動車を動かしたり、ハイブリッドカーに使われる電池とは種類は違うものの、車の中に入れておくということもあり電池自体の安全性はどうなのかというのは大変気にかかります。携帯電話のリチウムイオン電池が膨れて爆発した事故というものも頻繁とは言えないまでもニュースでしばしば出てくることがあります。こうしたリチウムイオン電池の代替として開発が進められているものは、NAS電池ほど高温でしか反応しないということはないと思いますが、それでもある程度の高温の中で使うことが想定されているならば、どのように安全性を確保するかというのも、メーカーの方からきちんとした情報を出してほしいものです。

 先日紹介したナトリウムイオン二次電池を開発している東京理科大学の資料によると、「安全性は現状で疑問あり ただし改善の余地あり」とあります。今後、有無を言わさず大容量の電池が搭載された車が多く走る中、電池自体の安全性およびもし電池が原因で火災が起きた場合どうすればいいのかということも教えていただきたいですね。ガソリン車に乗っている人たちにも、電気自動車が火災を起こしているのを発見したらどうすればいいのか、周知徹底されることが必要になってくるのではないでしょうか。

 車の売り文句にもいろいろありますが、これからは性能や燃費ばかりではなく、事故をおこさない機能とか、火事が起きそうになっても自動的に消化するシステムがあるとかの絶対的な安全性をアピールすることも大事ではないかと思います。新しい電池が開発されることは実に喜ばしいことですが、消費者の立場としてはいい事だけを聞いてすぐに飛び付かず、その安全性も考慮の上導入を決めた方がいいでしょう。車中泊の車の中にサブバッテリーとして使う場合も考えられますので、今後の蓄電池の情報には気を付けておいた方がいいかも知れません。


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