梅雨前線が停滞する場合、長時間にわたって同じところに大雨が降ることによって大きな被害が出ることが多くありますが、台風の場合はとにかく通り過ぎるまでじっとしていれば何とかなるくらいの認識で今まではいました。しかし、今回の台風12号の動きの遅さと、台風によって活発になった雨雲による連続した大雨によって多くの被害が出た事に関しては、今までの認識を改めざるを得ませんでした。もちろん、過去に大きな被害を出した台風というものは存在していましたが、ここまでの被害を出した台風というのは記憶にありません。台風の直撃を受け、被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
私のいる静岡の中部南では一部で道路が冠水したところがありましたが、直接の被害はありませんでした。しかし、一定の時間を置いてこれを書いている日曜日の深夜に至ってもいまだに猛烈な雨が降り、すぐに降り止むというような状況が昨日の土曜日から続いています。このような天気の中、車で知らない場所へ出掛けるというのはちょっと躊躇してしまいます。というのも、猛烈な勢いで雨が降るというのがポイントです。
テレビの映像を見ていると実にさまざまな場所で冠水していましたが、車が水に漬かるということは、車自体を駄目にしてしまうことに等しく、自分は濡れても車を冠水させたくないというのが正直なところです。それでも、乗りなれた道ならば、どこに大雨が降ると水が溜まるかというのは過去の大雨の状況から少なからず判断できますが、そうした経験のない場所へ行ったらもうお手上げです。知らないうちに低くて水の溜まりやすい場所へ迷い込み、そこへ猛烈な雨に降られたら、あっという間に車が水に浸かってしまうという可能性があります。
今週末にはこの天気の中、富士山に軽装で登ろうとして途中で無理とわかり、携帯電話で助けを求めた大学生を含む人たちの事がニュースになっていました。その方々はわざわざ広島からやってきたので断念したくなかったとのことですが、それなりの準備もなく進んでしまうというのはまさに自殺行為です。車の旅というのもそれに近いものがあり、道自体は海のそばでも山あいの道でも通行止になってさえいなければ自分の判断で行けてしまうのですが、行けてしまうことと安全かということは別の話で、知らないうちに自力では帰れないところまで進んでしまってからでは遅いのです。
車中泊のためのグッズをしっかりと積んでいたとしても、通行中の道路で土石流の直撃を受ける可能性もありますし、何よりもまず自分の車と命を大切にし、出発前なら出掛けることを諦める勇気を持ち、もし出先で台風に遭遇してしまったら無理をして帰ろうとはしない方が私はいいと思います。台風は抜けましたがまだ日本列島では台風によって刺激された雨雲は影響を及ぼすかも知れません。くれぐれも無理はしないで安全運転を心掛けましょう。