ドコモ「らくらくスマートフォン」はどこまで使えるか

 以前のエントリーで書かせていただいたように、現在普通の携帯電話を使っている方が全てスマートフォンに変わることというのはあり得ない事だと思います。しかしながら、そもそもデータ通信を含めた毎月の利用料が増えてしまうスマートフォンへ従来契約者を移行させたいという携帯電話会社側の思惑は働いています。そんな中、NTTdocomoから出てきたのが、それまでは単に電話とメールだけで済ませていた高齢者層へスマートフォンを普及させるための「らくらくスマートフォン」(E-12D)の存在です。

 これを書いている段階でまだ発売されていないということもあり、具体的には言及できないものの、通常のスマートフォンは使いづらいと思われている人にとっては考えられた工夫が随所に見られます。従来のスマートフォンのようにちょっと触っただけでボタンが押されてしまうことのないよう、押した感じを持たせるようなセッティングになっているのは、むしろ普通のスマートフォンでも採用していただきたいくらいです。

 ただ、注意しなければならない点は、このスマートフォンはandroid4.0であるものの、他のスマートフォンのようにgoogleのアカウントを登録してメールサービスのGmailやスケジュール管理、google playを使ったアプリのインストールなどができない仕様になっています。これは、現在深刻な問題になっているスマートフォンを狙うウィルスを最初から入れないための苦肉の策といえるでしょう。それだけでなく、あくまでドコモが提供するdメニューからダウンロードできるアプリのみでデータ通信料をコントロールできるため、従来のドコモのスマートフォン用のデータ通信料金より安い月額2,980円という独自のデータ通信用料金を実現しているというわけですが、さまざまな媒体でスマートフォンの便利アプリが紹介されても利用できないので注意して下さい。また、このスマートフォンを契約しようと思っている方の中には、中に入っている通信用SIMカードを従来のスマートフォンに差し替えて安いデータ通信料金を利用しようと考えている方もいるかも知れません。しかしながらその辺の対策はすでにされていて、らくらくスマートフォンに入っているSIMカードを別のスマートフォンに入れ替えてデータ通信をしたら、その時点でデータ通信料金は月額5,460円に変更されてしまいます。あくまで安い通信料金はこの端末に限っての話ですのでその点もご注意のほどを。

 それから、一般的なアプリの導入に関しては、パソコンを使ってアプリをダウンロードし、microSDカード経由でらくらくスマートフォンにインストールすることもできるという話もあります。しかし、そういったことをするためにはそれなりにパソコンを使い込んでいる方でないと難しいので、このスマートフォンを購入される方のほとんどは、ドコモから提供されるサービスをそのまま利用するという使い方が中心になっていくことになるでしょう。

 個人的には、これが白ロムとして売られた場合、ドコモ以外のデータ通信ができるように通信設定を変更できるかどうかということですね。IIJmioやb-mobileのSIMが使えるなら、例えばデータ通信のやりたい人にとりあえず持たせても月額千円以内で納まるわけですし。ただし、この点についてもspモード以外での通信設定は使えないような説明がネットに上がっているので、今のところ期待は薄いようです。基本的には従来の携帯電話の「らくらくホン」でメールやネットを積極的に楽しんでいる人が、スマートフォンでさらにさまざまな情報にアクセスしたいという場合には便利に使える端末だと思います。


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