「上野東京ライン」と青春18きっぷ

 2015年3月14日から変わるJRの新ダイヤでは、北陸新幹線の運行開始に注目が集まっています。北陸新幹線開通の負の側面として、新幹線と平行して走る在来線が第3セクター化されることによって青春18きっぷが使えなくなるのは残念です(富山~高岡間と、金沢~津幡間は、18きっぷでも途中駅で下車しない限り快速・普通列車の普通車自由席を通過利用することができる特例あり)。ただ、関東方面の方でないとなかなか新幹線開通についての恩恵を受けられないので、個人的にはJR東日本の宇都宮線と高崎線、常磐線が今まで上野発着だったものから東京駅(常磐線は品川駅まで)まで乗り入れるという「上野東京ライン」の開業の方に注目しています。

 というのも、在来線を乗り継いで首都圏を抜ける場合、1本の列車で連続して乗り継ぐことができれば、普通席での移動にもメリットがありますが、首都圏を走る普通列車のグリーン車を1枚のチケットで利用することができる仕組みがあるので、長時間グリーン車でゆっくりできるのが嬉しいですね(18きっぷでも普通列車グリーン券との併用ができます)。今までは国府津、小田原、平塚、大船あたりで東海道線から湘南新宿ラインで宇都宮や高崎方面まで乗り継ぐことができましたが、乗り換えを忘れて東京駅まで乗ってしまい、そこから山手線や京浜東北線を間に挟んで上野で乗り換えてしまうとグリーン券がもう一枚必要になってしまうという規定があったのですが、青春18きっぷと普通列車グリーン車を併用して安く快適に列車の旅を楽しみたい場合に、乗り換えなしで1本の列車で行けるようになり、利便性が上がります。グリーン車を使わなくても一度乗車して席を確保してしまえばずっと座って行けるので、この点は18きっぷ使用者には朗報でしょう。

 具体的にはすでに発売になっている紙の時刻表で確認できますが、品川か上野からになってしまう常磐線を除くと、静岡県から長い距離を走るものでは、沼津駅始発の宇都宮着、熱海駅発の宇都宮・黒磯・高崎・前橋着あたりが長い時間乗り換えなしで乗っていられるものでしょうか。最長にこだわらなければ小田原・国府津からも多くの始発が出ますし、伊東からも出ています。18きっぷでこの区間を利用する際、時間を合わせて計画を組めば始発からゆっくり座っていけますし、時間的にも東京~上野間のタイムロスがありませんので、ダイヤ改正前よりも余裕を持った移動が可能になるのではないかと期待しています。特に静岡県より西にお住まいの方が東海道線を使って東北・北関東方面に旅をする場合や、東北、北関東から東海道線を利用して西に行く場合に有利になります。

 このようなダイヤの更新によって18きっぷ利用の旅行者はどうなるかと考えた時、今までは金沢から富山、糸魚川、直江津、妙高、長野へ行けていたのが別料金の第3セクターになるということで、目的地を東海道線、高崎線、宇都宮線、常磐線沿線にシフトするような形で多くの旅のプランが出てきそうですね。18きっぷの利用者は最近ではシニア世代も多いですが、18才以下の人たちにとっても限られた予算の中で遠くまで出掛けられ、特に長期休暇中なら一枚のきっぷを連続して使い切るという18きっぷのメリットを享受できます。少々懐に余裕があれば、普通列車グリーン券を事前購入しての列車の旅が本当におすすめです(^^)。


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