個別宅配が前提の紙の新聞の今後について

昨日、読売新聞を開いたら、一面に来年(2019年)1月1日から毎月の朝夕刊の料金を値上げする旨の記載がありました。およそ400円アップの4,400円/月になるそうです。その値上げ分は主に販売店で働く方々の人件費にあてられるということですが、確かに最低賃金の上昇とともに、全国どこでも早朝というより冬の時期は真っ暗な中での配達をし、大雨でも大雪でも関係なく戸別に配達してくれるわけですから、そうしたサービスを受ける対価としてはまっとうだと思える方も多いかと思いますが(一部の地域では例外もあります)、最近はインターネットで新聞記事を読んでいる方もいるでしょうから、高いと思う方もいるでしょう。

ニュースというと、新聞以外にはスマホで読むことのできるウェブサイトや専用アプリでピックアップされたものを読んでいる方もいるでしょう。ただ、ニュースを配信する会社は、自前でニュースを得ているのではなく、通信社や新聞社からニュースを提供してもらっているというところもあります。今回の読売新聞の値上げは他の全国紙にも波及することが予想されるので、そうした値上げを機に購読を止める人が出て、そうした人達がインターネットニュースに依存することになったら、現状のようなネットによるニュース配信は無料で続けられるのかという問題も出てくるのではないかと言われています。

読売新聞では今回の値上げにあたり、インターネットを利用しパソコンやスマホでアクセスできるニュースサイト「読売新聞オンライン」を2月にオープンさせるということもアナウンスしています。その利用料は毎月の新聞代を払っている人には無料で提供するということなのですが、サービスの内容がどうなるかにもよりますが、他の全国紙ではデジタル配信の場合にさらに別料金を取るところもあるので、無料のサービスでどこまで内容がデジタルデバイスで読めるのかは、今後のサービスの展開から判断するようになるでしょう。

そうした「新聞とは毎日自宅へ紙の形で届けてくれるもの」という前提に沿った今回の値上げ発表であるわけですが、この前提はいつまで続けられるのかという事も大きな懸案事項になっていることも確かでしょう。今回の値上げの理由というのは慢性的な新聞配達を行なう人の人手が不足していることは先に紹介しましたが、職場環境がどのくらい今回の値上げで改善されるのかということもありますが、全国紙がかたくなに新聞のペーパーレス化を行なわないのは、やはりそこで働く多くの人を抱えているからと言えるわけで、単に効率だけで進められない事情があるということも確かでしょう。

この状況というのは必ずしも健全なものではないと思うのですが、恐らく読売新聞だけでなく他の全国紙でも今後値上げの案内があった時、このまま新聞を取り続けるのか、それともやめてネットやテレビからの情報で良しとするようになるのか、購読する側の意識も問われることになってくるだろうと思います。

ネットでニュースは読めるという意見も当然ありますが、ネットの情報というのはきちんと検索すれば多くの情報が手に入るものの、検索するだけのスキルがないと、きめ細やかなニュースまでたどり着けないということはあるかと思います。それ以外にも、地方の話題やエンタメ情報など、新聞をとっているとパズルから人生相談、お悔やみのページまで、様々な情報に触れることができます。それも自分の好みのものしか見ないネットと比べての新聞の一つのメリットだと思います。しかし新聞はとったもののスポーツとテレビ欄しか見ないのなら、ネットからのニュースだけでも十分で、番組表はテレビのリモコンからでもちゃんと一覧できるわけで、読まないのにお金を払って古新聞の山にうずもれてしまうなら、新聞を止めて画面の大きなパソコンやタブレットでも買ってネットからのニュースをきちんと読むようにするというのも一つの手ではあります。

私自身ブログを書く時のネタ元を新聞から得ることも結構ありますが、さすがにネットとは違って故意のフェイクニュースは流さないだろうという信頼感は持っています。時には自分の足で見たままを書くこともありますが、新聞をきっかけにして出掛けることもありますし、毎日新聞を活字で読む習慣がなくなると、旅行に出掛ける意欲すら減退してしまいそうな気もするので(^^;)、今後もしばらくは宅配される新聞とともに自分の知識を蓄えていき、その確認にネットを使いながら相互利用する形で行きたいとは思っています。

ただ、新聞社の方にはもう少しデジタル版の新聞紙面を宅配の場合と比べて低価格で提供していただけると有難いです。さすがに全国主要紙を個人で全てとるわけにもいかないので、気になる記事をじっくり読みたい時には今は図書館に出向くことになっています。スクラップしたい記事がある場合にはスマホのカメラで撮影してPDFファイルにしてくれるアプリもありますし、そこまでしなくても写真撮影するだけでもGoogleフォトにアップすれば後からどの端末からでも日付で検索して過去の記事も読むことができるようになります。

ただ、あくまで図書館は公共の場所なので、見たい記事の載っている新聞を誰かが見ていると見終わるまで待たざるを得ないわけで、もう少し安くその日の紙面がデジタル配信で読めれば、新聞社の違いで伝え方にどんな違いがあるのかということまで深く読み込めるとも思うので、今後の新聞というものを考える際に、紙の新聞を購読していない人へのデジタルデータ提供料金にも配慮していただければ嬉しいですね。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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