日本の消費者の動向から格安SIMの将来を展望する

2018年という年も今月で終わることになり、改めて総括ということでもないのですが、あくまで自分自身の実感に伴った消費行動について紹介させていただきたいと思うのですが、良く言うとあまり見栄をはらずに必要でないところに無理にお金を掛けなくなったという状況の変化があるような気がしています。これは来年の10月に消費税引き上げを控える中で、「安いものでも十分」「ある程度高くても必要なら」というような判断基準でお金の使い方にメリハリを付けるようなことをする人が来年は多くなるだろうと想像します。

というのも、昨日散髪のためにいわゆる1,000円カットの全国チェーン(実際は消費税があるので1,080円で、翌年からは1,200円に値上げされます)「QBハウス」に買い物のついでに立ち寄ったら平日にも関わらず待ち時間15分以上の赤ランプが点滅するほどの盛況だったのですが、その日の客層はちょっと私が目にしたことのないような人達が集まっていました。

というのも、私が過去に「QBハウス」を訪れた時にはそのほとんどが男性で、学生・中高年・シニア層が集まって来るような感じだと思っていたのですが、その日は私を入れてもう一人、シニアの男性がいるだけで残りの5~6人は全て女性でした。そのうち、小さい女の子を連れたお母さんが来ていたのですが、子供の付き添いなのかと思ったら、ご自身もお子さんと並んで前髪だけと言ってカットをしていました。以前にもシニア世代の女性をちらほら見掛けることはありましたが、ここまで男女比率が違ったのにはさすがにびっくりしました。

もちろん、女性の場合は気合いを入れて美容院に行くような際はお金は惜しまないと思いますが、日常生活の中でちょっと髪を整えるくらいの用途なら1,000円カットでも十分だと合理的に考える人が以前よりも増えた結果なのかなと思います。ただそうなると、車で旅をしている途中で、ちょっとした休憩を兼ねて1,000円カットに飛び込んだ場合、全体的な利用者の増大に伴って待ち時間が長くなってくる傾向が今後増えるかなという気もするので、来年の「QBハウス」の値上げがどのように利用者に影響してくるのかということも気になります。

そしてもう一つ、今年そのあまりの人気にびっくりしたのが、今まではいわゆる「ガテン系」労働者のためのお店だった「ワークマン」が、最近のアウトドア趣味の人にも合いそうな安くて機能的な品物の数々を置いた「ワークマンプラス」という新形態のお店をオープンさせたところ、釣りや山登りをしている層を中心とした若い女性が押しかけたため、それが話題になっているのだそうです。

確かに、アウトドアに着て行ったり急な雨の場合などに着たいと思う服について、専門のアウトドアブランドは海外・国内ブランドともに結構高いですし(ただし、レインウェアはある程度高いものを持って行かないと行く場所によっては命の危険があります)、ユニクロなどのファストファッションのお店でも、専門的なアウトドア用のものというと、まだまだ少ないという印象があります。そうした隙間を突いて出てきたのが「ワークマンプラス」とも言えるわけで、実用的で安いので、だめになってもすぐに諦めて新しいものに買い替えやすいという点では、日々の普段着・作業着として買い求めるには理想的であると言えるかも知れません。

本来、携帯電話でも「格安SIM」という考え方はそのような層に受け入れられるべきものだと思うのですが、大手三社の縛りやスマホ代の問題などでいまいち携帯料金を安くしたいと思っている人達の中でもそこまで普及していないのは残念です。ただ、来年になると中古スマホの中でも人気を誇るiPhoneの中でも、「防水機能」「Apple Pay」という二つの機能の使えるiPhoneの価格がこなれていくことが見込まれます。上記の二例を見ていけば、日本の消費者はスマホの利用についても案外賢く立ち回っていくようになるのではないでしょうか。すでに大手3キャリアの回線を使ったMVNOが出揃い、大手キャリアがすぐには動かなかったとしてもSIMロックを外さずに格安SIMが使えるようになっているので、2年使ったiPhoneでもそこそこの価格で売れるようになるでしょう。

私自身はそこまでiPhoneに思い入れはないのですが、iPhoneの中古の価格が下がっていけば、それなりの高機能と言われるAndroid機の価格もこなれていくことも考えられますし、そんな風にして今後日本の中古スマホの市場がもっと広がっていって、そのショップから自分に合った格安SIMを選んで入れられるようなシステムが出来上がった時には、かなり多くの人が「中古スマホ+格安SIM」という形になってもそれが当り前と思われるような時代になっていくのではないかと思っています。

逆に、今まで何故出ないのかと思われるものに、常にLTEの最高速を保証するような高額な回線プランがあります。大手三社の中でどこかの会社が月額10万円くらいでも専用回線による最高の速度保証とアフターサービスの優遇を約束するようなプランを出せば、外出先でも安定してネット接続をしたいと思っているお金持ちは結構多いと思いますので、毎月の料金に関係なく相当の契約が見込まれ、一般利用者や格安SIMとの差別化が図れるのではないかと思うのですが。昨今の日本国内旅行市場において、たった一週間でも数十万円という豪華列車の旅のチケットがすぐに売り切れてしまうのも今の日本の現状なのですから、大手キャリアの方もそうした形で利益を確保した上で一般庶民に残った帯域を使わせてくれれば個人的にはそれでも十分だと実は思っています。


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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