Yahoo! ADSLモデムのACアダプタ交換とネットの未来

先日、無線インターネットによる動画視聴の事について書かせていただきましたが、いわゆる自宅のインターネットにおいても大量のデータをやり取りするユーザーが問題になり、利用できるデータ量に限度を設けてはという話も出ています。

私などは自宅のインターネットはまだ電話のメタル回線を残して利用する「ADSL」を使っています。回線スピードを測ってみたところ、ダウンロードの下りでもだいたい6Mbpsくらいと決して早くはないのですが、今まで不都合を感じたことはありません。普通にインターネットはできますし、自宅では複数のモバイン端末をWi-Fiで接続して使っています。さらにテレビに繋いで、インターネット放送やビデオオンデマンドサービス(せいぜい画質はハイビジョン程度)を利用するくらいなら10Mbpsに届かなくても十分使えるということがわかって、ADSLより月々の利用料が高くなる光インターネットにはとうとう変えずにここまで来てしまいました。

そして、昨日唐突に届いたのが今使っているADSLモデムのACアダプターで、このアダプターは「今後もモデムをお使いいただくためには交換が必要」と書いてありました。説明書とACアダプタ本体の他にクッション入りの封筒が入っていまして、古い方のアダプターを着払いで(送料が相手負担たので、こちらの負担は0円)送ることが求められていました。

これは、長期間インフラを提供する企業としてはきちんと行なわなければならないことのようで、特に私の加入しているYahoo!では街頭でモデムを無料配布していたこともありましたので、このようにしてインターネットを広めた後には、きちんとその後始末をするのが社会の掟なのかとそんなところで社会の厳しさというものを知った思いがします。

話が全然変わりますが、かつて日本では文章を書いて印刷するためだけの「日本語ワードプロセッサー」という今のパソコンより大きなハードが一世を風靡しました。それこそ昔は学校や会社で使う資料を作るにも全て手書きになってしまうことで、読めない字が出てきたり印刷もガリ版刷りでやるのでさらに見にくくなるなど大変だったのですが、ワープロはそれ自体で文章作成と印刷までやってしまうため、使い方に慣れてくる人が増えるにしたがってほとんどの資料が活字になったという、社会の仕組みを変える発明だったように思います。

ただ、単機能しかないワープロは、何かの不具合が出たとしたらその内部の構造やプログラムは企業しか知りえないものであるので、そのワープロを使っている人がいる限りは丁寧なアフターサービスが必要でした。現在ワープロ専用機というものがないのは、その後に起きた急激なパソコン普及により専用機にとって代わったというところは当然あるのですが、メーカー自体もハード的な故障の他にソフト的なバグまで延々とサポートしなければならない専用機よりも、ハードの故障だけのアフターサービスで済むパソコンへと主力商品をシフトしていったところがあるのだと思います。

ただADSLモデムというのはワープロと違って今現在でも使え、さらにモバイルインターネットと比較するとまだそれを凌駕する性能があるということで、Yahoo!がサービスを始めてから17年経った今でもアフターサービスが必要になってくるということがあり、物理的にメタル回線が全滅するまではユーザーは残るような気がします。

もし私がADSLを止めることになるとしたら、スピードは10Mbps程度で十分なので、安定して無制限に使える無線インターネットが現在のADSLより安く提供された時が来た時になると思います。WiMAX2はそういう意味では完全なADSL互換にはなりませんし、同じソフトバンクが必死になって売ろうとしている無線インターネット用のシステムも結構高額なので多くのユーザーは現状維持でもいいやと思っているのではないでしょうか。

今の日本の社会は、ある意味最高の性能を追いかける派と、普通に使えればそこそこの性能でもいいと割り切る派が分かれてきているように感じます。今後、モバイルインターネットの5Gを整備するにあたり、今までのように常に「最高速」という言葉だけで展開するのではなく、帯域を抑えて自宅でも外でも使えるモバイルルーターとして提供してくれる製品が出てくれば、国内で長期旅行をする人にとっては理想のインターネット環境になるでしょう。今まで苦労して動画を見なくても、大きめの画面でみんなで動画やテレビ放送をネットで楽しめるようになってくれれば、車の中での楽しみというのもかなり変わってくるでしょう。果たして私はいつADSLサービスと別れることになっていくのか、今後の展開を期待しつつ今は待つことになりそうです。


カテゴリー: モバイルルーター | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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Yahoo! ADSLモデムのACアダプタ交換とネットの未来」への2件のフィードバック

  1. ひじり

    初めてコメントします。
    最近実家のADSL契約について考えていた所、ADSLの新規契約受付が今月で終了するそうです。
    (既存契約はそのまま使用可能とのこと)
    現在ADSLをサービスしているのはSBグループだけなので、これから新たにADSL加入を考えている人は
    急がないとだめですね。

  2. てら 投稿作成者

    ひじり さん コメントありがとうございました。

    ADSLは上りのスピードが下りと比べるとかなり遅いので、頻繁に大きなファイルを送るような用途には向いていませんが、動画を楽しんだりショッピングをするくらいの使い方なら、今でも十分使えるので、今回のACアダプタ交換により使えるうちは使っておこうと思っています。

    ただ一つ、自宅の電話についてはメタル回線を維持していないとADSLも使えなくなってしまうので、ご実家の方にも「ひかり電話」の勧誘には気を付けて、「今のインターネットが使えなくなるので光インターネットは要りません」というような勧誘電話対策マニュアルを教えておくべきかも知れません。

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