停電を前提にしたいざという時のための準備

秋の行楽シーズンとしてはこの上ない週末の三連休が、このままでは日本を縦断する台風によって多くの地域で台無しになる可能性が出てきました。かなり前から宿や交通機関を予約していた方には気が気ではないところでしょうが、最悪の場合は出掛けないという英断も必要ではないかと思います。

交通機関についてはキャンセルする日によって払戻手数料が変わってきますので、早めに結論を出した上でキャンセルして予約金を払戻すのか、交通機関が動くなら出掛けることを強行するのか、安全を第一に考えて判断しましょう。

宿については、このような状況ですので、悪天候の中出発したとしても、道路事情で宿までたどり着けない可能性もあるかも知れませんので、今のうちに宿泊先に予定しているところには連絡を入れて、すぐにキャンセルするのか、直前にはなりますが出発前に天候を見てキャンセルするかの判断をするのか、天候に関係なく出掛けるものの、たどり着けなくなった際に改めて連絡を入れるのかというように、細かく打合せをしておくことをおすすめします。

全く連絡を入れないまま結果的にキャンセルになってしまうというのは、宿に対して迷惑になりますし、場合によっては宿泊料金の100%をキャンセル料として請求されることもあるかも知れません。特に今回のような台風の場合、刻一刻と状況が変わります。もしかしたら大雨の影響で宿泊先自体が被害を受けて宿泊自体が無理になる事もあるかも知れませんので、これから週末にかけて連絡を密にすることを重ねておすすめしておきます。

旅行の予定がない場合でも、台風の進路になってしまった地域では、大きな被害が出ることが予想されます。特に今回の台風は風が強いということで、水害だけでなく風災による電線の切断で、広い地域に停電が起きる可能性もあります。ここからは、停電の対策について考えてみることにします。

まず問題はいつ停電が起こるかということですが、昼間の停電ならまだいいのですが、夜になって停電した場合には何も見えなくなってしまいます。まずは、火事の心配のない明かりである電池式の懐中電灯・ランタンの用意と、必要であればアルカリ電池のストックの確認か、ニッケル水素電池の充電など、いざという時に安定して明かりを供給できるように電池の準備しておくことがまずは大事です。

さらに、パーソナルな明かりとしては頭に付けるヘッドライトを家族の人数分用意しておけば、移動する時に両手を開けた状態で動けるのでおすすめです。また、小さなお子さんを暗闇の中で見失なわないために、よく縁日で売っている発光する腕輪が100円ショップで売っていますので、周辺が真っ暗になったらお子さんの腕に装着しておけば、もし外に皆で逃げるような状況になっても暗闇で発光するので、その光を目当てにすればはぐれることもなく安心して避難できます。

そうして明かりを確保したら、次に大事なことは停電の際に家の中で一番中味が変化すると思われる、冷蔵庫の中味をどうするかという事を考えましょう。冷蔵しなくても保存が効くものは残して後で食べればいいですが、もし冷凍食品が大量に冷蔵庫内にある場合、台風がやってくる前に冷凍食品を早めに食べ切ってしまうことも大事です。それでも残ってしまう冷蔵が必要な食材については、クーラーボックスに押し込むようにします。台風の前にはそういう場合に備え、冷凍庫に入っていなかった保冷剤をできるだけ冷蔵庫の冷凍室に入れ、いざという時にはクーラーボックスに入れてしばらくの間は保冷ができるような準備をしておきましょう。

もし、冷蔵庫の大きさに比べて容量の少ないクーラーボックスしかないような場合は、比較的安価な発泡スチロールの容器をホームセンターなどで調達してくるか、今回の準備を機会として、大き目のクーラーボックスを購入していざという時の用意にするくらいはやってもいいのではないかと思います。普通のお宅であっても大きなクーラーボックスはないかも知れませんが、ちょっとした物を保冷するために小さめの保冷バックぐらいは複数あるのではないかと思います。長く保冷しておきたいものについては、保冷バックに入れた状態でクーラーボックスに入れるという手段も取れますし、安くて大き目のクーラーボックスがなければこの機会に買っておくのもいいでしょう。必ずしも高性能なクーラーボックスをあわてて購入する事はないと思います。

安いタイプのクーラーボックスでも家にあれば何かと日常生活で重宝しますし、車で出掛ける際には夏の車内の温度はかなり上昇しますので、買い出しに行った際の強い味方になります。そうして用意した保冷バックやクーラーボックスに入らない食材については、先に食べるしかありませんが、もしそんなことになった場合は、改めて日々の買い物であったり買い方について考え直す必要が出てくるのではないかと思います。

オール電化の家では停電時の用意として、全てのコンロが使えない可能性も考えて事前にカセットコンロの用意が必要になりますが、その際にもし停電によって水道も止まってしまうような集合住宅にお住みの場合には、水の汲み置きも必要になるかも知れません。普通のお宅でも雨の影響で蛇口から濁った水が出てくる場合があったら困りますし、停電時でも調理できる環境とともに水の確保を事前にしておくことも忘れないで下さい。

個人的には日常的にできるいざという時の準備として、冷凍食品よりは常温で保存できる缶詰やレトルト食品のようなものを意識的に備蓄し、すぐ食べられるものとして家族での一食ないし二食分を冷凍食品にしておいた方が、停電が長く続いた場合に食品をだめにすることなく順番に消費できるようになると思います。

そうして明かりと食料の不安が解消できたところで、必要になってくるのが台風や停電についての「情報」になってくるでしょう。つまり、ラジオやテレビを停電の中でどう見たり聞いたりするかということですが、ラジオについては明かりのところで用意した電池の用意があれば、比較的停電の時間が少ないと思われる台風の通過中の情報については普通のラジオでも十分利用可能です。手回し発電タイプの防災ラジオでももちろん大丈夫ですが、もし普段からラジオを使っているのなら日頃電池の消耗を感じたら新しい電池に換えるか充電し直すということに気を付けていればまず問題ないでしょう。

ネット関連については、光回線およびADSLについては停電時には使えません。スマホなどのLTE・3G回線については基地局の予備電源が使えるうちはスマホによる情報集収は問題なくできます。地震と違って台風の場合は台風さえ通りぬけてしまえばすぐに復旧作業ができますので、スマホはずっと使える可能性はありますが、その際用意したいのが外付けのモバイルバッテリーです。

旅行に頻繁に行く方は用意があるかと思いますが、そうでない方もいざという時に使えるように、一つもしものために用意しておくといいのではないでしょうか。さらに、インターネットが使えなくても、今のスマホやタブレットにはワンセグやフルセグのTVチューナーが搭載されているものがあります。モバイルバッテリーから給電しながらテレビの台風情報を見るということも可能になります。

もし、お使いのスマホやタブレットにTVチューナーが付いていない場合は、ブラウザからYouTubeにアクセスし「SoLive24」で検索すれば最新の台風情報が見られますし、AbemaTVやYahoo!の映像ニュースでライブ配信をやっていたりするので、停電から回復するまではそうしたネットのストリーミング中継を利用するという手もあります。

このように、「明かり」「食料」「情報」を停電の場合でも確保できれば、それほど不安にならずに済みます。そして、9月という季節の事を考えて、室内の冷房が効かない事も考えられるので、家族の分だけ「うちわ」を用意しておくことも、暑さでダウンしないために必要な物ではないかと思います。

また、大雨や風の影響の出る前に避難所で過ごすことを選択される方は、多くの人が集まるということもあるので、情報集収のためにテレビ・ラジオ・動画を見たり聞いたりしている時に周辺に生活音を出さない工夫としてイヤホンの利用や、逆に就寝時に耳せんやアイマスクの利用によって多少は周辺の音と光をシャットアウトできるように思います。あと、もしあれば、床の硬い面にそのまま寝ないようにキャンプ用のマットがあれば持って行った方がいいですし、一人用のものでも着替えなどプライベート空間の確保のために組み立て式のテントが持ち出せれば、快適さは上がると思います。

台風の進路によってどこが危ないのか、地域にもよりますが、まだ何とか事前準備ができるところにお住まいの場合は、ここまで書いたことを参考にしていただければ幸いです。


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す