荷物を転送するだけでバイト代? その裏で考えられること

景気がいい時でも悪い時でも、大人でも小供でも、ほぼ全ての人がお金の魔力に逆らうことは難しいだろうと思います。かくいう私でさえも、何もしないでお金をくれる人がいたらその言う事に従ってしまうかも知れません(^^;)。

ただ、苦労しないで入ってくるお金というのは、大金持ちが自分の資金を運用によって増やすような場合を除いて、何らかの裏があると思わないと思わぬ事に巻き込まれてしまう可能性があります。先日たまたまツイッターを見ていたら、IIJmioのアカウントの中の人が、そうした甘い言葉で忍び寄るアルバイトについてつぶやいていて、ちょっと気になったのでそのアルバイトについて調べてみることにしました。

そのアルバイトとは、SNSなどで勧誘があり、以下のような謳い文句でお金のない人をひきつけます。

「荷物を指定の住所に転送するだけで、1回につき3,000円ないし5,000円の報酬をお支払いします」

もし月に10回くらい作業できる案件があれば、単に届いた荷物を転送するだけで3万から5万円の収入になります。喉から手が出るほどにお金がなくて切羽詰っている人が飛び付いてしまうのも無理がないことなのかも知れません。もっとも、そのバイトをするには条件があり、事前に自分の顔写真が付いた身分証明書のコピーを送るように迫られるのだそうです。この身分証明書を出すのは、報酬のある仕事をするのだからとあまり深く考えずに送ってしまう人が多いことから、これから説明する悲劇につながっていくことになるのです。

手続きを済ませて待っていると、ほどなく自宅に荷物が届きます。その多くはIIJmioのようなMVNOの会社からで、中味は恐らくスマートフォンとSIMカードのセットだと思われます。なぜ荷物を転送するだけで報酬を支払えるのかというと、転送した荷物の中に入っているスマホやSIMカードは簡単に現金化できるからです。

実はこうしたアルバイトに報酬を支払えるのは、単にアルバイトだと思って荷物を転送する人が送ってくる個人情報を使い、勝手にMVNOのスマホ付き契約をさせることが目的なのです。MVNOの契約はアルバイトの元締めが一括して行ない、ネット上からそれぞれアルバイトに応募してきた人の身分証明書の画像ファイルを送信し、送付先をその人の自宅にすることで本人確認が済み、すぐに開通できるSIMカード及び新品のスマホが届きます。契約方法を悪用していったん本人の元に届いたスマホとSIMを、その中味の確認もさせずに転送させることでスマホ本体をわずかなバイト代だけで手にし、SIMカードを不正に入手することができてしまうのがおわかりでしょうか。

それからどうなるのかというのは、はっきりとしたことはわかりませんが、もしかしたら中古スマホ市場の中で「新品」として売られているスマホの中の一部はそうして不正に入手されたスマホかも知れません。人気のある製品なら一台売るだけで2万円から3万円くらいの値が付きますので、それだけでも大儲けができます。

その際、料金の引き落としはどうするのかという疑問はあるでしょうが、基本的にはアルバイト元締めの方で用意したクレジットカードを登録すると思いますが、すぐに解約し、クレジットカードも解約してしまえば違約金の請求は身分証明書を提出して荷物を転送した人の元に郵便か何かで届くことになるのでしょう。

MVNOの方としても規約に則った正当な請求ですから、スマホ代金の残債および、回線自体の違約金として5万円から10万円くらいの請求が来るかも知れません。さらに身に覚えがないからと請求を拒否していると延滞利息まで含めた金額を支払わなくてはならなくなります。さらに、料金未納ということでブラックリストに入れば今使っている回線の契約にも影響が出てくるでしょうし、さらにスマホの代金を分割にしているとクレジット契約にも傷が付いて、カードを作れないようになる可能性もあります。この時点で騙されたとわかっても代わりにスマホ代や回線の違約金を払ってもらえることはないでしょう。とにかくそのような請求が来たら払うしかないのです。これは金銭的にも心理的にもかなりのショックになるだろうと思います。

また、SIMカードだけを申し込み、そのカードを生かす形で使われるケースも出てくるのではないかと思われます。つまり、日本人の個人名義の音声通話のできるSIMカードとそれにひも付けされたクレジットカードのセットが売りに出された場合、不特定多数に向けて詐欺の電話を掛けている組織の関係者には大いにニーズがあり、ある程度の高値で購入する価値のあるものに化けるのです。

この場合は直接的には金銭的な被害は出ないかも知れませんが、もしその詐欺グループが摘発されれば、実際に使われていた携帯電話の回線の契約者まで警察はたどり着くでしょうから、最悪の場合、全く身に覚えのない事で家宅捜索を受けたり、状況によっては逮捕される可能性も出てきます。もちろん、詐欺グループが途中で電話の利用を止め、支払いがされないまま放置された場合には先に説明したような金銭的な負担を強いられる可能性が出てきます。

たかが一回3千円から5千円のお金でこうした事に巻き込まれるかも知れないのですから、少なくともここを読んでいる方々はこうしたアルバイトの誘いがあったとしても決して受けないで下さい。もし不幸にして受けてしまった場合も、まずは自宅に届いた荷物の中味をしっかりと確認し、身に覚えのないSIMカードやスマホが入っていたら、まずはそのMVNOの方に連絡を入れ、荷物はMVNOの方に送り返すようにしましょう。最初に書いたように、一部のMVNOではこのような事例があることは認識していると思いますので、送り返すことができれば最悪の状況は避けられるのではないかと思います。

どちらにしても、くれぐれも、そんなに楽して儲かる仕事などなく、もしあるとしたらすでに使えない程持っている人がお金を増やす場合にほぼ限定されることは肝に銘じておいた方がいいでしょう。


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