寸又峡バスの通年通行の行方

静岡県における観光にとって重要な交通機関が2ヶ所も廃止される危機が起こりました。過去にこのブログで書きましたが、一つは清水港と伊豆の土肥港とを結ぶ「駿河湾フェリー」でしたが、こちらは静岡県が入って運行が継続されるように決定されました。

今後は黒字化を目指して様々な改善案を出していますが、その中で一つ挙げられている案として、フェリー乗り場を今のところから清水駅から歩いても行けるような場所に移動するというのがあります。現在、清水駅の東口正面に清水港であがったマグロを中心にした魚を売る「河岸の市」とそこに隣接する食堂街があるので、そのそばにフェリー乗り場を設置することができれば、相乗効果で清水も盛り上がるのではないかという話があります。乗り場の移転というのはすぐにできるというわけではないのですが、フェリーの乗客を増やして黒字化するためにはやはり最寄りの駅からのアクセスの改善が一番だと思うので、今後の情報に期待したいところです。

もう一つの危機は、大井川鉄道の終点千頭から寸又峡温泉をつなぐ大井川鉄道が運営する路線ばすが今年度いっぱいで通年の営業を終了するというニュースが流れたというものです。何せ大井川鉄道という会社自体が経営基盤が弱いもので、今まで使っていたバスを買い替えることが難しく、その赤字を負担してまで路線バスを維持することは難しいということはわかるので、このまま年間を通しての運行でなく季節運行になることもしょうがないのかなと思っていたのですが、この件について新たなニュースが報じられました。

結論から言うと、寸又峡のある川根本町が来年4月から試験的に町営バスとして運行を続けることを発表したのです。乗客の増える観光シーズンには大井川鉄道が出す季節運行バスと合わせて本数が増えることになり、観光客の増加に対応するようになるということです。

新聞発表によると、2019年4月からの町営バスは毎日5往復くらいの運行をする予定だということです。大井川鉄道が夏やゴールデンウィークに運行する季節便は一日3往復くらいで、シーズンは一日8往復くらいになる予定なのだそうです。気になる運賃は現在の運賃に準ずる価格になり、さらに川根本町の町民には運賃の補助を町が行なうことで、町民のメリットも提供していく計画のようです。

というわけで、来年度になっても今年と同じように通年バスが走るということで、安心された方も少なくないと思いますが、ただ駿河湾フェリーと同じように抜本的な黒字化を目指す取り組みをやっていかないと試験運行だけで終わってしまう可能性も0ではないというところもあるでしょう。そうは言っても自動車で直接寸又峡に行くとバスを使わないということにもなってしまうので、その辺もいろいろ考えなければなりません。

千頭から寸又峡への道というのはとにかく道が狭いので、運転に自信が無い場合はバスを使った方が安心というところもある路線です(今回の路線廃止の直接の原因となったのも、寸又峡温泉への狭い道を通ることができる特注のバスの代替問題でもあるわけですので)。必要であれば途中で車をどこかに駐車して鉄道やバスと組み合わせて寸又峡の温泉や夢の吊り橋を十分に楽しむというのも面白いでしょう。また、寸又峡温泉にはホテルだけでなくリーズナブルに利用できる民宿も多くありますので、県内からいらっしゃる方はまずは安心していただきたいですし、大井川鉄道イコールSLやきかんしゃトーマス号だけでなく、鉄道沿いの「川根温泉」や、寸又峡温泉、ミニ列車で接続している接阻峡温泉など山のいで湯もたくさんありますので、ぜひ泊まりでお越しいただきたいです。


カテゴリー: 地域情報・イベント | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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