新幹線が止まることを想定した事前対策

先日新幹線を使って往復東京まで行ってきたばかりだったのですが、その東京駅では10月19日に姫路で起こった人身事故の影響で山陽新幹線だけでなく東海道新幹線も止まってしまったということになり、一部では終電が終わってしまった後に大きな駅に着いた人のために翌朝までホームに止めてある新幹線の座席を開放する「列車ホテル」も提供される事態になったようです。

報道では新幹線と人が接触というような軽い表現になっていますが、単なる「接触」レベルならこれだけ長い時間新幹線が動かなくなるということになはりません。今回は特急料金の払い戻しや、運休による運賃払い戻しも発生するわけですから、JRの損害もかなりのものになるでしょうし、何より正確なダイヤを信じてギリギリまで列車の運行状況について調べていなかった人は最初は何が起こったかわからず、さらに運行情報についてもすぐには入手することができずにどうすればいいのかわからなくなってしまった方が多くいたようでした。今後同様な形での新幹線ストップが簡単に行なわれないように、きちんと何が起こったか人々に伝え、厳しく列車に対する妨害行為を紹介していくことも必要だと思うのですが。

実際、こんな事が起きてしまうと、地震や台風、集中豪雨のように一切の前兆が感じられない中で起こるので、事前に旅行を中止するなどの手の施しようがありません。ただしそれはそれとして、この種のトラブルが起こった場合の基本的な手続きの内容を知っていないと、当然の権利として払い戻される料金の払い戻しが受けられない場合も出てきます。というのも、料金の払い戻しについては、駅員さんの方からやってくれるのではなく、乗客の方が自ら遅延の証明をした上で窓口で払戻し手続きを行なう必要があるからです。

新幹線が目的地に2時間以上遅れて到着すると、特急料金の払戻し対象になります(その際の運賃やグリーン料金は払戻しの対象にはなりません)。そうなった場合、自分の乗った新幹線が遅れたという証明を受けなければなりません。目的地に着いたらその駅の精算所か有人改札で(自動改札でも可能な場合もあり)、特急券があればその特急券に遅延を証明する印を打ってもらえば、後日その特急券を出して料金の払い戻しを受けることができます。

なお、普通の特急券が出ない「ぷらっとこだま」のような旅行クーポンの場合でも、列車の経路が記されたクーポンに遅延証明の手続きをしてもらえば、後日窓口やJR東海ツアーズに連絡を取れば一部料金が払い戻されるそうです。ただし、ぷらっとこだまは切符ではなくあくまでクーポン券としての扱いですので、払戻金額は普通の切符より少なくなる可能性はありますし、目的の列車が運休した場合は旅行中止の扱いになり、払い戻しはできるものの他の列車への振替はできなくなりますので、そうしたリスクについて改めて考えた上でぷらっとこだまは使われるべきだと思います。大雨の中出掛けるなど頻繁に状況が変わりそうな中で旅行を中止することなく出掛けることを強行する場合は、自由席の回数券を購入した方が席が埋まっていたとしても、目的の列車の前後の新幹線には乗れますので、乗りたい列車が運休になっても時間を置いて新幹線の運転が再開されるような場合は有利に働きます。

乗り込んだ後に新幹線が止まってしまった場合、やはり自由席に余裕があればいいですが、デッキで立ったまま長時間過ごすというのは大変です。この点では発車時間ぎりぎりまで用事があるような場合は、ちゃんと指定席をキープしておく方がいいでしょう。その際の新幹線の車両と座席の選び方として、N700系の新幹線の窓側にはコンセントが設置されているので、その席を狙うのがセオリーです。もし運悪く長時間新幹線が動かなくなってしまった場合でも、安定した電源があるかないかではネットやスマホのワンセグを使っての情報収集の仕方も変わってきます。もし余裕があれば、コンセントを増やすソケットや複数口のUSB出力のあるアダプターを持っていれば隣の席の人にも安定した電源を提供することができるので有難がられると思います。ただそのためには、自分でコンセントを自由に使える窓側の席を確保することが大事になります。

また、新幹線の中でのWi-Fiにも注目しておきましょう。東海道新幹線のサービスは一回30分以内という制限はあるものの、一日に何回でも利用できる無料サービスが新幹線で使える場合があるので、あえてモバイル通信を使うのではなくWi-Fiの方でネット接続をして自分の高速クーポンを使うことなくネットを車内で利用できるようになります。あとは細かいことになりますが、水分補給のためのボトル飲料は買った上で乗り込む方がいいでしょうし、もし当日の夕食や翌日の朝食を買いたいと思っている場合は、新幹線を降りた後ではなく乗る前に買っておけば、いざという時の食事にもなりますので荷物にはなりますが、乗る前の買い物がおすすめです。

そうして、何とか目的地なり自宅まで帰り着ければいいですが、状況によっては新幹線を乗り換えてそれ以降に進めなくなってしまう場合も考えられます。そんな時にJRが用意することになる「列車ホテル」についての対策もあります。列車ホテルと言っても単に普通の新幹線を座席を開放しているだけですが、人より早く車内に入ることができればシートも良く毛布の用意もあるグリーン席を利用することもできるようですので、その日に「列車ホテル」が用意されるというアナウンスを聞き、あえて新幹線の中での車中泊を決断された場合は、できれば走ってでもグリーン席を目指すことをおすすめします。ですから、車内アナウンスや駅の構内放送などを積極的に取りに行き、始発までの時間をできるだけ快適に過ごせるように新幹線の目的地に着いた後にはどうすればいいのかということも想定しておくのがいいでしょう。

もちろん、グリーン車とは言っても飛行機のビジネスやファーストのように寝るために作られたものではないので、正直体への負担はあります。列車ホテルは無料ということはあるものの、できれば手足を伸ばして寝たいと思ったら新幹線が止まる最寄り駅から行けるビジネスホテルをネットから直接予約するという方法もあります。

こうしてみると、新幹線は早くて快適な乗り物ではあるものの、何かトラブルに巻き込まれた場合には、自分の意志とは関係ないところでその対策を考えなければならない所があり、そこが自動車を使った旅とは違うところです。個人的には、これだけの多くの事を考えなければならないなら、行きがかり上どうしても車中泊になってしまう場合を除き、できるだけ「列車ホテル」を使わなくても済むように情報収集を行うことを考えるようになると思います。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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