ネットに精通していないと景気の恩恵も受けられない時代なのか

QRコードでスマホから決済する新手の電子マネーサービス「PayPay」についてのニュースを昨日になって聞き、まるで大量発生したイナゴが通った後のように感じました。2018年12月4日から始まったばかりのサービスで、2019年3月末までに利用した人に20%のバックを行なうことを大きなアピール材料にしていたものの、その資金100億円がわずか10日間で底をつき、ポイントバックキャンペーンが終了してしまったというのです。

私など、スマホを代えたタイミングで、とにかく専用アプリをインストールして、さてどこでこの電子マネーは使えるのかなと思っていたところで終了です(^^;)。それ以上に、スマホを持っていない人にとっては何があったのか理解をしてもらうことも難しいのではないかと思われます。

それにしても100億円というものを、情報強者でお金をそれなりに持っている人に偏った形で分配されたという事実を見ていくと、特に今回の恩恵に預かれなかった人や、電子マネーそのものを使ったことのない人にとっては、「好景気と言われる今の景気の恩恵も回ってこないのか」と思われても仕方ありません。こうした傾向は実は今までにいろんなところで起こっていました。高配当のポイントサイトやクレジットカードのポイントバックを比較し、標準よりかなり高く利用者にサービスしている所が見付かると、すぐにネットで報告・拡散され、今までのユーザーがささやかにポイントを貯めて楽しんでいた特典を、根こそぎ持って行くばかりかポイント還元の比率を提供元も改悪せざるを得ない状況になり、まさにその跡にはぺんぺん草も生えない状況になった事例も、列挙に暇がありません。

ですから、個人的にはそこまでしてポイントを集める生活をすることはしないようにしているのですが、来年にかけてやってくる政府主導の消費税引き上げに伴うクレジットカードや電子マネー利用の際のポイント還元についても、同じように目ざとい情報強者の標的にされ、今回のPayPayと同じように、もし国の予算でポイントを付ける額に限りがある場合は、電子マネーもクレジットカードも持たない人達がどうしようか考えているうちに一部のサービスが予算がないからと終了してしまう可能性も考えられます。

ちなみに、ポイント還元に対して国が用意している必要予算は3000億円程度になる見通しだということです。今回のPayPayの場合は20%というかなりの大盤振る舞いでしたが、それでも消費税引き上げ分に対するポイント還元は、中小店舗で買い物をすれば5%のポイントが付くので、これだけ予算を出しても終了予定の日まで予算が持つのか? という気がしないでもありません。お得に買い物をしたい方にとっては来年の10月になったらすぐに買いだめをするような形でクレジット決済を中小店舗で行ない、さらにお得に使える商品券を並んで買いまくり、その分を還元してもらう用意されていると思います。その反面、そうした情報に疎い人や、カードそのものを作ってない人にとっては事前に情報がないばかりに本来国から受けられるはずの生活費補助を受けられない人が続出することになりはしないかと心配になります。

クレジットで大量買いをするにも、商品券を一人当たりの限度まで買いあさるにも、元となる資金が必要です。そうした資金を用意し、事前に色んな情報をキャッチし、きめ細やかに動くことのできる一部の人だけが得をする社会というものは、もう少し何とかならないものでしょうか。全ての消費者に現在の景気を実感してもらえるようなやり方にしないと、スマホを使いこなせない世代や、携帯電話を持っていない人の不満は高まってしまいます。

本来、情報強者というのはいつの時代にもいるもので、様々な生活を便利に送ったり、お得になることを実践すること自体は非難を受けるものではありません。しかし、情報強者がほとんどの国家予算であてがわれたポイントを「総取り」し、そうでない人が全く受けられないという事は、全ての人が平等にという理念とはかなり変わってきてしまうので、できれば避けていただきたいものです。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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