高齢者対象に良いことだけを宣伝するのはいかがなものか

最近のテレビコマーシャルで目につくのは、60才以上の人がガラケーから特定のスマホ(iPhoneは対象外)に機種変したり他社からを含む新規購入をすると、通話が24時間無料になるスマホを通話料0円で利用できるというauのプラン(カケホ60割)を紹介するものです。

ちなみに、私はガラケー扱いのガラホで24時間通話定額を利用していますが、その料金は税抜2,200円です。ちなみに、auの高齢者プランの方は24時間通話定額に「auピタッとプラン」が付いた契約で、利用するデータ通信の量で毎月の金額が変わってきます。

基本的には60才未満の方が5分以内定額通話と通信のセットである「auピタッとプラン(スーパーカケホ)」に入る金額で24時間定額の「auピタッとプラン(カケホ)」に加入できるもので、このプラン自体がデータ通信と通話がセットになっているため「通話0円」という表現はあながち間違いではないのですが、データ使用料は青天井ではないものの最大月20GBまで段階的に料金が増えていきます。

スマホを使ったネットの利用が面白いからと低速制限を食らうまでデータを使い切ってしまった場合、通話は0円ではあるのですが通信料は1GBまでなら初年は1,980円ですが、2年目以降は2,980円で済むものの、5GB超20GBまで(それ以上は低速に制限されます)使ってしまうと、初年は5,480円、2年目以降には6,480円かかります(各種割引などの適用によってここで紹介している金額と変わってくる可能性があります)。ガラケーで毎月5千円くらいかかっていた人にとっては良いプランですが、2千円くらいで済んでいた人にとってはスマホになって便利になったとは言え、料金がガラケーの時の2倍から3倍にもなって毎月の支払いが大変になってしまうかも知れない金額です。

今後の日本社会を考えると、様々な食料品の値上げが発表されたり、10月から消費税が引き上げになるなど、今よりも毎月の支出を抑えたいという方が少なくないと思いますが、ここで紹介し60才以上の方の通話料0円のプランについても無理なく払い続けて行けるのかという事を十分考えた上での加入が必要なように思います。

個人的には高速クーポンが1GB固定の通話料0円の60才以上限定プランが月額2,980円で出るなら、それはそれで意義のあることなのではないかと思います。MVNOには10分までの定額プランはあっても、24時間通話定額のプランはなく、先に紹介した私のガラケー専用通話定額プランが2,200円だと考えるとデータ通信(1GB)が780円とそれこそMVNO並に提供することは可能なのではないかと思うのですが。

残念ながら今の携帯大手3キャリア+ワイモバイルでは、そこまでの値下げをすることで客単価が下がり、売り上げが落ちることに危機感を持っているかのようです。しかし、上記のような料金プランがもし出たとしても、低速に我慢できないユーザーが追加料金を出せば高速クーポンを増やせるようにすれば、ユーザーはその懐加減に応じてあくまで低速で我慢するか、高速クーポンを使うかを自らの意志で選べるようになり、むしろ毎月の支払い金額が高くなる可能性もあります。

これはあくまで個人的な考えではありますが、料金を決めるのにできる限りユーザーの意志で決めさせたくないという意図がここまで紹介したピタッとプランには感じられてなりません。なかなか月間の高速データ量を速度切替なしに1GB未満に抑えるというのはスマホを使い慣れた人でも難しいと思いますし、初めてスマホに触るような人に使わせたとしたら、ほぼ5GB以上使ってしまうだろうと思います。

それならそれで、「通話料0円」ということをことさらに強調するのではなく「通話無制限+データ通信20GB」まで各種割引を利用すれば5,480円(1年間の価格)という風に紹介するのが筋のような気がします。この金額は安いと思える人には十分安い価格設定になっていますし、後からクレームが入る可能性もかなり減る分、大手キャリアにとってもメリットは有るのではないでしょうか。自分の意志でMVNOを選べる人はいいですが、大手キャリアを利用せざるを得ない方もいます。それは大手キャリアにとっては決して他社に浮気しない上客であるわけですから、そうした人向け(具体的には長期契約継続者限定にするなど)でもある程度使い勝手のよく安いスマホプランを提供してもバチは当たらない気がするのですが。


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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