望遠鏡の倍率もLEDライトの明るさもあえて低いものを用意するには意味がある

夜に出掛けて望遠鏡で星を見ることがなかなかできずにいますが、実際に暗い場所で望遠鏡を操作するのはなかなか大変です。そうなると、何らかの明かりが必要になるのですが、夜間の明かりという観点で製品を見ていくと、できるだけ明るくという感じのものが目立ちます。

確かに、日々照明のある中で普通に生活をしている私たちは、周辺が真っ暗だと不安になると思いますので、そうした高照度のライトやランタンを求めるというのは間違ってはいないと思いますが、光害をできるだけ抑え、星明かりに目を慣らすことが必要になる天体観測の世界では、高出力のランタンやライトを点灯させてしまうと、一気に目がその光に照らされた部分に慣れてしまって、肝心の星空が見にくくなるだけでなく、周辺に同じように天体観測をしている人がいたら思いっきり迷惑になってしまいます。

そうした事の対策として、昔から懐中電灯に赤いフィルムやフィルターを付けて明かりの色を赤色にして観測時の明かりとして使うという事がありました。昨今ではLEDライトの世界になり、赤色LEDが付いたライトというのが望遠鏡メーカーから販売されていたりするのですが、色々調べていったところ、オレンジの電球色であってもそこそこ目には優しいようで、その場合問題になるのは、高出力でなくどれだけ低出力の光量を出せるかということも大事だろうということがあるということで、そのページで紹介されていたのが、私も持っているモンベルの「コンパクトヘッドランプ」だったのです。

私が持っているのは現行品ではなく前のバージョンですが、電球色と白色の二つのLEDが付いていて、スイッチで点灯を切り替えられるようになっています。特に目に優しい電球色のLEDはカタログ値では5ルーメンとかなり優しい明かりになっています。低出力ということは長時間の点灯を単三電池一本で継続できるメリットは有るのですが、あえて明かりの出力を抑えることで、天体観測に使う場合、それこそ漆黒の闇のような状況であれば、できるだけ最少限の明るさがあれば望遠鏡回りの作業もできると思いますので、新しいライトはあえて買わず、モンベルのヘッドライトを基本的に使いながら、赤色の光が必要な場合は赤いフィルムを調達してきて(恐らく100円ショップで入手は可能だと思います)、利用するのが良いだろうと思いました。

モンベルのコンパクトヘッドランプは、両手を塞がずに使えるだけでなく、懐中電灯のようにも使え、さらには白いビニール袋を全体に被せると光が広がるので、ランタンのようにも使える万能ライトだと思います。高出力を追求するのとは考え方を変えて、こうしたライトを一つ持っているだけでも、災害時には活躍すると思います。

こうした、「高出力より低出力の方が良い場合がある」という考え方は、それこそ天体望遠鏡で星を見る場合にも言えるケースがあります。望遠鏡というと、いかに高倍率にできるかということで評価をしている方もいるかも知れませんが、倍率をどこまで上げられるかというのは、望遠鏡の口径によって決まってきます。入門用の口径6センチくらいの望遠鏡の場合、口径をミリに換算すると60mmですが、この望遠鏡でしっかり見える最高倍率というのは口径の倍の120倍くらいまで(惑星を見る場合)と言われています。

ただ、目で見てもきれいな星団や星雲を探してその様子を観察する場合には、あまり倍率を上げすぎると星団全体が見られなくなってしまいます。目ではきれいに見えている風景が、フィールドスコープを使って覗くと、広大な風景は見られず、そのわずか一部になってしまうのと似ています。広範囲を低倍率で見る場合、視野も広くなるので目標の星を探しやすくなるため、必ずしも高倍率は必要ないと言っている方もいます。

もちろん、色々な倍率で星を見られるようにすることは、それだけ多くの星の様子を見られるようになるとは思いますが、あえて15倍くらいからの低倍率で星を見ることも楽しいのです。
私はそのために低倍率で色々な星が見える双眼鏡を手に入れました。ただ、どこにどんな星があるのかを知るためには星座早見盤や本などを外でも使うことがありますので、暗闇で最低限の確認をしたり道具を使うために、低照度のライトを使うというわけです。早く梅雨明けになって使えるようなって欲しいと思っています。


カテゴリー: 車中泊のための道具考 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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