あえて高額なタブレット・ノートパソコンに加えて通信費を高校生に負担させる仕組みについて

最初にお断りしますが、今回書くことはもはや決定事項ということで、個人がギャーギャー言ってもどうにもならない事はわかっています。しかし、このブログではいかに安くネット環境やモバイル機器を揃えるかということを具体的に紹介してきたこともあります。そこで、私があらゆる情報を駆使してできるだろうという内容に、今の高校生はいくらくらい払っているのかという事について、当事者ではなく知らない人に紹介してみたいと思います。

実は私の周りでも高校入学に際して、タブレット(iPad)の購入が義務付けられ、さらに高校までスマホ持ちを我慢させていたということで、スマホとの二重の費用負担にため息をついている知り合いがいます。ただ、細かな費用の詳細はわからないので、今回はネット検索をしていて出てきた、埼玉県の県立高校の事例から紹介します(以下の記事リンクは、時間の経過によって切れてしまう可能性もありますが、記事の内容のうちかかった費用は本文で紹介していきます)。

https://www.saitama-np.co.jp/articles/25370/postDetail

記事の写真によると、タブレットは約13万円ということでiPadらしくもあります。まず、学習に使う場合、iPadにキーボードを付けるよりも、最初からタッチパネルとキーボードが一体化したChromebookの方が費用は安くなるだろうと思います。もっとも、学校でそうした文教モデルを売っても、結構価格は高くなってしまうということがあります。せめて、文教モデルのスペックを示し、家庭独自で購入できるようにしてくれていれば、恐らく新品値引きなしのものを買っても学校で買う価格よりも安く購入できるのではないでしょうか。

実は私も過去に仕事上でパソコンの導入を勧められたことがあるのですが、そのあまりの「ぼったくり価格」(当時の同じ型番のノートパソコンにシステム管理を付けることで、相当の価格上乗せがあったので、ちょっときつい表現ではありますが、そういう風に感じたことは事実です)、でさすがに導入はしませんでした。その後、インターネットが普及してくる中で、パソコンやスマホは自分で用意し、システム利用料だけ払う仕組みになってやっと使えるようになったことで導入したという経験があるので、そうした仕組みを思い出してしまいます。

さらに記事によると、購入といっても本体代だけではなく、通信費(なぜ学校内で使うのであればWi-Fi対応にしない?)を含めて4年間の分割で、月約4,500円ということでした。

さすがに、学校の方で端末の分割金利を取っているとは思えないので、4年間の支払い総額216,000円からタブレット代の130,000円を引くと、残ったものが通信費になると思います。総払込額からタブレット代を引くと、残金は86,000円です。これが3年間の通信費ということなら、月ごとの通信費は2,388円となりますね。これはタブレット用の通信費になりますが、恐らくスマホは別に持つことになると思うので、さらにスマホ本体代と通信費がかかるということになります。

もし自宅にネット回線があったり、本人がスマホを持っていれば、その回線からテザリングすれば良いわけです。学校はそうした家庭の事情について調査した上で、人によっては通信費を入れた分割契約をしないというのが普通だろうと思います。

もし、学校がiPadでなくChromebookを文具として使い、その購入については一定のスペックを表示した上で個人の裁量でも良いようにし、どうしても個人で購入できない場合には購入の斡旋をしたり、きちんとレンタルできるだけの台数を確保できれば、デジタル文具にかかる費用は劇的に今でも下げられます。通信費についても、このブログで紹介しているMVNOを契約すれば、相当抑えられます。授業にしか使わないのなら、mineoのマイそく(平日昼間以外は最大1.5Mbpsで月990円)で大丈夫でしょう。高校生は外で友人と買い食いをすると思うので、スマホにもう一枚povo2.0の回線を入れ、友だちが持ち回りで「ギガ活」できるお店で食べたり買ったりを繰り返せば、追加費用なしで平日昼間用の通信を確保できる道もあります。

また、Chromebookは発売時から約10年は使い続けられるようにセキュリティは担保されているので、購入して卒業後には使わない子がいたら、自分と入れ替わりに入ってくる新入生用にリサイクルして安く購入ないしレンタルできるような仕組み(業者にお願いしてリフレッシュして再販)を作っていけば、少なくともデジタル文具が買えないという家庭も激減するのではないでしょうか。もっと色々な家庭環境の人に寄り添ったやり方を探して欲しいと切に思います。


カテゴリー: モバイル関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

あえて高額なタブレット・ノートパソコンに加えて通信費を高校生に負担させる仕組みについて」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    てらさん、こんにちは。

    自分もiPad 13万円を、生徒に一律負担させるのはどうかと思います。皆同じ物を使った方が管理上は良いと言うのは判りますが、iPadは高級過ぎでは無いかと。
    必要スペックだけ提示して、入手は各自対応、探すのが面倒な人用に学校購入も紹介する、とかが良いのでは無いかと思います。
    タブレットよりは、実務的にはノートPC(管理上はChrome Bookの方が便利?)では無いかとも思いますけどね。。

    ちなみに、以下の様な記事もあり、安物に手を出すのも問題有りですね。「100%充電が10分で0%に…県立高校に配布した「中国製タブレット」故障が多発 徳島県」

    では~        ahiru

  2. てら 投稿作成者

    ahiru さん、コメントありがとうございます。

    iPadについても、親が使っているものを子に使わせるような方法であっても問題ないような気がするのですが、あえてiPadにするならば貸出機を希望する全員に出すとかの用意が必要だと思います。

    徳島のタブレットの場合、それはWindowsタブレットだったようですね。教育委員会が手配したということで、責任は生徒の方には無いのですが、なぜ同じ予算があればちゃんとしたメーカー品を揃えられるであろうChromebookではなかったのでしょう。私の使っている文教用のChromebookでも、いわゆる米軍仕様で落下などに強い設計になっています。文具としてタブレットを与えられている生徒にとっては、多少手荒く扱うことも普通です。そうなると、iPadの場合でも粗雑に扱って修理費が膨大になる可能性もあります。

    個人的には学校が米軍仕様のChromebookを用意し、レンタルで対応する方が良いと思うのですが。

コメントを残す