2023年8月29日、政府の松本総務大臣が記者会見で語ったことがニュースになっていたので興味深く読みました。お隣の中国から、日本国内の主に飲食店などに迷惑電話を掛ける頻度が多くなり、その対応について語ったものです。29日記信の読売新聞のウェブニュースでは、以下のような発言が紹介されています。
(ここから引用)
松本氏は、対策として、(引用者注・主に中国からと思われる迷惑電話のこと)特定の番号や国際電話などの着信を拒否する迷惑電話対策サービスの活用を挙げた。通信事業者には、「(利用者から)問い合わせがあった場合、対策サービスをしっかりと説明し、申し込みがあれば円滑に対応してほしい」と求めたという。
(引用ここまで)
しごくもっともな話ではあるのですが、実際に迷惑電話を受けた人が通信会社へ連絡すると、すでに加入していれば手間だけで電話番号通知や特定の電話番号の着信拒否などの方法を取れると思うのですが、オプション無しで固定電話回線のみを契約している人の場合、詳しく電話番号通知のやり方を説明するということは、企業にとっては有料サービスの「ナンバーディスプレイ」の契約を取ることができるという、営業を国が後押ししてくれる美味しい話ではあるのですが、あらゆる物価高に悩みながら深刻に迷惑電話に困っている人は、迷惑電話対策にもお金がかかるのかと思うかも知れません。
何度も書きますが、私の自宅ではADSLを止める時に一緒に固定電話の契約も解約しました。使うことがないというだけでなく、以前は電話帳に載せていた番号ということもあり、しょっちゅう(中国からではない)営業や勧誘の電話が入ってきていたのに嫌気が差したというところです。
メタル回線の場合でも光電話でもナンバーディスプレイは月額400円くらいのオプション契約になっています。ちなみに、携帯電話では何のオプションを付けなくても非通知や通知不可能な電話からのものでない限りは掛けてきた番号が通知されるので、電話帳にない番号からの電話には出ないとか、専用のアプリでかかってきた時にどこからかがわかるものを入れて対応すれば、今回のような中国からの電話には出なくて済むわけです。
それが、固定電話を使い続けているような方が困り果ててたどり着いた先には、オプション料を稼ぐビジネスが待っていて、総務省もそうした流れを推奨するというのはどうなのでしょうか。振り込め詐欺とまでは言えませんが、迷惑を受けた方がお金を出さなくては解決できないのなら(果たしてそれで解決になるのかは不透明)、個人的にはもう固定電話とは決別して、自宅に24時間使い放題を付けたスマホを置いておくような運用の仕方をこちらとしてはおすすめします。
もしネットからの直接契約ができるような人が迷惑している人の周りにいる場合には、中古でも良いので何かスマホ一台と、ドコモなら日本通信の各種プラン(固定料金が安い月290円のプランに、通話放題オプションを付けると1,890円)、auならpovo2.0にかけ放題のトッピング(月1,650円)あたりで、通話専用でしかもナンバーディスプレイや迷惑電話対応の機能が付いた電話回線が手に入ります。
つまり、現在のメタル回線の基本料金と同じくらいの価格でそうしたことができるわけですから、今後メタル回線が全面的にIP電話にとって代わるなら、全く携帯電話と同じことは無理でもせめて今までは有料オプションだったナンバーディスプレイやその付随サービスを基本料金のみで提供しても良いのではないかと思うわけです。
主に高齢者が振り込め詐欺の被害に遭っていたのは、番号が電話機に出ないため、「俺だよ」と言われてしまうと本当に自分の息子なのかと思ってしまうからではないかと思います。もし振り込め詐欺が社会問題になっている時にナンバーディスプレイの全面無料化が行なわれていたら、多少は犯罪を未然に防げたのではないでしょうか。
今後政府や通信会社がどのような判断をするかわかりませんが、一度こうした迷惑電話でダメージを受けたと相手に思わせてしまうと、違う事例の時にも他国から面白がって無作為に番号通知がされないであろう固定電話を中心にして迷惑電話がかかるのが当り前になってしまう危険性があります。通信会社も固定電話が儲からないというのなら、現在携帯会社が行なっているようなSIMカードが入った無線での専用ルーターに電話機をつないでサービスを提供することで、本来携帯電話であっても今までの市外局番からの番号が使えるような電話に切り替えてもらうとか、策はあるはずです。
なのに、迷惑を受けている側に固定電話のオプションを案内するのが当り前のようなやり方というのは、さすがに今の多くの値上げに苦しむ人たちの事をわかっていないと思わざるを得ないのです。
てらさん、こんにちは。
ナンバーディスプレイの件は全く同意です!IP電話化と同時に、携帯と同様、相手先の電話番号も表示できる様にして欲しいですよね。
ちなみに、先日迷惑電話関係でちょとしたトラブルがあり、未だ固定電話(ひかり電話)を残しているのですが、迷惑電話機能付きの受話器に変えました。
コールサービス等で良くある通話前に「この通話は、迷惑電話対応で録音されます」と言うアナウンスが流れると言う物です。
尚、ナンバーディスプレイは、高齢者向けには無償で提供するらしいですが、受話器も対応品に交換する必要もありますね。高齢者だと使い慣れた受話器が良くて、余り機能がある物だと、最悪電話が掛けれなくなる可能性もあるので、そこも悩みどころですね・・
では・・
ahiruさん コメントありがとうございました。
使い慣れた電話機を変えずに対策をする機器としては「トビラフォン」があります。ただこれを使うにはナンバーディスプレイの契約は必要になります。
https://tobilaphone.com/landline/
本来はナンバーディスプレイは誰でも無料、高齢者には公的な補助でトビラフォンを無料貸出というのが良いのではないかと思います。
今年から高齢者は無料になったので、高齢者名義のうちの回線もナンバー・ディスプレイを利用し始めました。幸い機器はすでに対応しており、高齢者自身は耳が遠くて実際に電話は使わないので利用に支障はありませんでした。知らない番号からの電話には出ず、まずネット検索。だいたい営業電話なので迷惑電話番号として機器登録すれば二度とかかりません。非常に快適です。
123さん コメントありがとうございました。
高齢者無料でナンバーディスプレイが利用できて良かったですね。大きな文字で家族や知り合いの電話番号を登録し、かかってきたら名前を電話のディスプレイで確認することはちょっと前の電話機でもできるので、番号だけの電話には出ないようにしてもらい、もしかしたら役所関係でかかってくる可能性はあるので、着信履歴から番号を検索していれば、まず電話で嫌な思いをすることはないでしょう。高齢者無料ということについては、もっと広く知らせたほうが世の中のためになる気がします。