「arrows」「らくらくスマートフォン」を展開していたFCNT(株)が民事再生とは

すでに日本国内でスマートフォンと言えば、海外の企業によって多くの端末が供給されている状況ですが、そんな中で国産のスマホとして存在感を示していたのが、通常のスマホというよりも、初心者向けであったり中高年向けの「らくらくスマートフォン」や「arrows」のシリーズを販売していたFCNT(株)と、関連2社が2023年5月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したというニュースが入ってきました。

元々は富士通が作っていたスマホの製造販売を引き継いで行なっていた会社として、先日母親用に「arrows We」を購入したばかりなのですが、本当に国内生産のスマホは大丈夫なのかと本気で心配してしまいます。

現在、国内のスマホユーザーは多くiPhoneを使っていて、AndroidでもGoogleのPixelシリーズが攻勢を掛けている印象です。FCNTは実売2万くらいの廉価スマホに存在感があるというイメージであり、そういった点でも利益を上げるのが難しかったことは想像できます。

国内メーカーが弱くなるということは、例えば日本と中国・韓国との関係が悪くなり、中国・韓国製の安くて性能がそこそこ良いスマホが、政府の命令で使えなくなるような、かつてのアメリカが中国の華為に対して行なったような状況が日本でも起こった場合、どうなってしまうのでしょうか。すでに世の中ではフィーチャーフォン(ガラケー)の時代は去り、スマホ無しでは生活できない状況になっている中、安くても何とか使える国産スマホが無くなってしまい、さらに中国・韓国産のスマホが使えないとなると、結果的に選択の範囲が狭くなり、高値でローンを組んで米国産のスマホを買わなければならない人が増えてしまう可能性もありますね。

大げさな言い方ではなく、隣国との敵対関係を煽るような状況を作るのもやむ無しと思うなら、極端な話日本という国がお金を出して大衆が手頃な価格で使うことのできるスマホを守っていかないと、これはこれで大変なことになるような気がするのです。市場の流れに任せて、スマホの勢力図も自然淘汰されるような事を続けると、購売力のない人たちが我慢して古いスマホを使い続けるようにもなってしまうかも知れません。

今回のニュースとともに「arrows」シリーズや「らくらくスマートフォン」が無くなってしまうわけではないと思いますが、お金のある人も無い人も、せめてスマホでは同じサービスを受け続けるためには、今後は本気で国産のスマホを継続して作っていき、安価に提供していくためにどうするべきか、考えていく必要があるのではないかと思います。マイナンバーカード関連で色々な議論が出ている中で、そうした技術を実際に利用するためのスマホを安定して国内で安く入手し使えるかによっても、状況は変わってくるでしょう。そんな現在、改めて「公」の意義が問われているような気がします。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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